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アート鑑賞の記録

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気になった作品鑑賞をする時のメモが膨大になってきてSSDを圧迫してきたので、noteを外部ディスクと捉えて保存していく。
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#アート鑑賞

アート鑑賞[18]エレイン・デ・クーニング

アート鑑賞[18]エレイン・デ・クーニング

 アート以外のものから強烈な印象を受ける事は大切。
 批評家にはなりたくないけれど、批評家的な思考であらゆる物事を見ることも強烈な体験に繋がるきっかけになる。

 少なくとも鑑賞者であるだけでは駄目で、本人の周りの世界を変えていくような実行者である事が重要に感じる。

「闘牛」
 キュビズムに多いモチーフのバラし方と対極的に感じる。
捉え方が既にかなり抽象的(感情)で、それを出来る限りそのまま表現

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アート鑑賞[17]パウル・クレー

アート鑑賞[17]パウル・クレー

 アーティストが主題に置いているモチーフがどこから持ってきたものなのか?というのはいつも気になる事。
 葛飾北斎が波をモチーフにして、それを西洋画家が更にモチーフにしていく(言い方を変えればオマージュ?リスペクト?)様な。

今回の「羊飼い」の絵でいうとモチーフの発見がエジプトぽい。
壁画から取ってきた様な質感と抽象化。

一度集積した知識をどこまで再定義して具体に落とせるのか。
キュビズムでいう

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歳を重ねる毎に自由に表現する事が難しくなる文化から脱却したい(アート鑑賞[14]オスカームリーリョ from 森美術館)

歳を重ねる毎に自由に表現する事が難しくなる文化から脱却したい(アート鑑賞[14]オスカームリーリョ from 森美術館)

 コロンビア出身のアーティスト、オスカームリーリョさん。世界中の子供たちに学校机を届ける「Frequencies」プロジェクトの中で、日本の小学生に「深く考えず、思いのまま自由に」描いてもらったモノを繋ぎ合わせ、作品にしていくというアートです。

 自由な発想、そして表現は小さい頃は必ずあったものだと思います。唯、これと同じ企画を大人達でやるとすると難しそうにも思います。

 絵が下手、面白くない

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アート鑑賞[12]ヴァシリーカンディンスキー

アート鑑賞[12]ヴァシリーカンディンスキー

自らが輝く

アーティゾン美術館が出来てからはここが一番好きです、併設のカフェがめちゃくちゃ美味しいから。
アートに向き合う為の鋭気も養えるし、アートと向き合った後あれこれ考えるのにも本当に適しています。素晴らしい。

バウハウスって凄いですよね。
対角線とか黄金比とか、抽象画は数学に強くないと描けない絵が多い気がします。数学や物理の基礎があるアートは本当に美しい。

数学や物理、その他学問に通じ

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アート鑑賞[11]アンスアルトゥング

アート鑑賞[11]アンスアルトゥング

T1963-K7

写真くらい写実性が高いのに、この世に存在しないものの表現って最高。
不安さと、美しさと、思想のバランスが感じられる作品を改めて好きだと思い出させてくれる。

アート鑑賞[10]荻原高徳さん

アート鑑賞[10]荻原高徳さん

アベスの階段
骨董品が平面作品になったよう。
モチーフの置き方が綺麗(ロト紋を思い出した)

素材感が壁に飾るときに調和しそう。コロナ禍でアート飾る人増えたからここも割と重要。額縁の外の素材との調和を考える。
視覚的な魅力が強いと中身への想像が一歩遅れる事もある。

フォーカルポイントが明瞭だったり、現代のモチーフをテーマに描きやすそう(EVAとか)だったり。陶器への憧憬としては平面に写した方が好

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アート鑑賞[9]ジャンメッツァンジェ

アート鑑賞[9]ジャンメッツァンジェ

キュビズム的風景

キュビズム=積み木=高級
みたいな方程式が立ちそうな抽象化。
戦時下に発生した思想や哲学、アートには心惹かれてやまない。

キュビズムとかって当時の学がない人も知っていた感覚なのかなぁ。
アートも大衆化していく過程で価値を持ち始めると思う。
もしくは今ほど高価で無かったのか知りたい。

アート鑑賞[8]モーリスドブラマンク

アート鑑賞[8]モーリスドブラマンク

運河船

レゴ感が強い配色の仕方と、多彩な色使いながら船と海との対比と街がはっきり確認できる技術が素晴らしい。とても好きな絵。

油彩の絵の表現でこれだけの魅力を感じる事は自分としては珍しい。
油彩の筆跡の流れがひび割れていない状態の発色はもっと良かったかもしれないと考えつつ、修復し過ぎない線引きも大事だなと考える。

他の作品との対比が無いと、特別このタッチが好きなのかは断言しにくい。

アート鑑賞[7]雨のベリール

アート鑑賞[7]雨のベリール

モネ 雨のベリール
北斎の影響を強く感じる波の表現。

筆跡の残し方と風雨の表現のぼかし方がまた対比になっている。
視界のピントのボケ方が、一眼で切り抜いた写真に似ている。

これを見ている人物の心情の捉え方は人に依りそう。

アート鑑賞[6]井上嗣也さん

アート鑑賞[6]井上嗣也さん

音楽のジャケットをイメージして作品を作ると非常にわかりやすい。
親和性の高いテーマを切り取るアート。

作品に感じる愛嬌(お猿さん)
愛嬌×アートは親しみ深くて嬉しい

シルエットでイメージ出来る人間の脳の補完機能を逆手に取ったドローイングとか楽しめそう。

アート鑑賞[5]宇川直宏さん

アート鑑賞[5]宇川直宏さん

 動画でスピードを変える事でモチーフの輪郭を際立たせる手法はドローイングとコラージュのそれとかなり近い。
 フェティシズムが際立つ作品は本質を捉えにくいのかもしれない。

 写真などのメディア媒体を通した時に作品の見え方が変わるのは今っぽい。花唇という単語はエロスが感じられて綺麗で良い。

 LGBTQ的な切り取り方をするとどう見えるのだろうか。

アート鑑賞[4]もりいちかさん

アート鑑賞[4]もりいちかさん

Mori Ichika
(Mo) Tureteikou

 確か、小さなギャラリーの中で見た記憶がある。

 塩田千春さんと、2D(3D)作品の融合的、と感じた。
赤い糸の存在感とか、共通するメッセージが赤い糸というモチーフに込められている事とかは受け手に伝わりやすいのかなとも感じる。

 こうしたギャラリーの中で作品を見ているといつも思うんだけれど、作品が手に入るとより応援したくなる感があるので

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アート鑑賞[3]groovisions

アート鑑賞[3]groovisions

作品が対になると少し価値が分かる?
これは宿題。としていたけれどいまだに分からない。分からないままにしない。

代表の伊藤弘さんのコメントで少し納得を得る。

「デザインに対する意識の持ち方というのがあると思う。デザインを特別にクリエイティブで神聖なものと思うかどうか。僕はどちらかというと、デザインは世の中に開かれた“一技術”であってほしいと思う。それは結果的にプロフェッショナルのデザインのジャン

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