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理想と現実のギャップを埋めるプロセスにこそ成長のカギがある

自社の現在地は把握しているだろうか。

理想を掲げた会社や目標やゴールを明確に定めた会社ならば今の立ち位置、つまり現在地は逆算してどの位置にいるのか、把握する必要がある。

そもそもこの考えには明確な果たしたいミッションがあってはじめて成り立つことだが、特にミッションなどは持ち合わせてなくとも順風満帆、安定経営、高収益構造などの背景のもと、今の状態に堂々とあぐらをかける羨ましい会社には縁のない話なのだ。

逆にボロボロの満身創痍、立ち上がることもできないほどの会社もまた、ミッションや理念はキレイごとの類と片付けられてしまいそうだが、多くの会社においてはいわゆる理想と現実の乖離を常に感じているのではないだろうか。

そうした会社は理想に近づくために頭を悩ませ、試行錯誤して少しでも先進させようと日々精進していると想像する。

理想に近づくための行動。そもそもの理想があってはじめてその理想との距離を意識する。そして距離を縮めるために改善する課題が次々と生まれると思うのだ。

先日、とある整形外科を受診した。10代で膝に大怪我をして手術をしてから、ときどき膝に痛みを感じる。今回は膝の痛みとともに肩や手に痛みや軽いしびれを感じたので受診することにした。

そこであれこれと問診をしてレントゲンを撮ることになった。膝、肩、手の他に首も撮るという。撮影の後しばらくして先生に呼ばれ説明をうけた。

受診するきっかけの膝、肩、手にはそれぞれ問題点があり、その場で処置できることはしてもらった。そして最後になんの痛みも出ていない首に関しての説明で新たな課題点が見つかった。

先生によると、膝に関しては昔の古傷からきているものだが、肩や手に関しては首の頸椎が長年の悪い習慣で圧迫され軽いヘルニア状態になっているという。体の神経が多く集まっている頸椎を圧迫することにより、一見関係の無いように思える肩や手に悪い症状が出ているという。

模型を使い丁寧に説明を受けている最中、目から鱗が落ちっぱなしであった。

このようにこの例は体の健康に関してのことだが、会社経営においても同じことが言えるのではないだろうか。

健康体という理想があるから不調な箇所の改善に努める。会社に関してもそれぞれの理想があるからこそ課題が生まれ、改善を促すことで成長し、理想に着実に近づいていこうとする行動に現れる。

先のようなうまくいきすぎて慢心している会社は自己判断の健康体を信じ込み、人間ドックはおろか、健康診断すらうけていないことにほかならない。

独学の思い込みや危機感を自ら遠ざけてしまうのは非常に危険だ。

商売がうまくいきすぎて改善点がみつからない(そんな会社が果たしてあるのだろうか?)と漏らす会社があるならばその状態を永続的に保持するというミッションを掲げることで課題が生まれ、にわかに危機感のようなものが芽生えてくるのではないだろうか。

そもそもそのような会社に私程度の経営者が何か申し上げるのもおこがましいが、成長の歩みを止めない意味でも常に理想を掲げ、その理想とのギャップを埋める日常の営みこそが自社の新陳代謝を促し、常にアップデートする強い体制を構築すると考える。

自社の現在地がある程度うまくいった踊場に立っているのならば、理想をさらに遠くに飛ばすことで新しいギャップが生まれ、程よく負荷のかかった緊張感と危機感のもと、質の高い改善を促せる環境が整うと思う。

経営になんの問いを持たなくなったらおしまいである。常に『問いと解』をもつ状態が価値提供や社会貢献としての会社の役割を磨いていく。

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