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メインストリームから外れた日陰の強者を目指せ

時代の変化を受け入れながら自社の立ち位置や方向性を考える。変化に適応できなければ市場からはじき出される、という話

所属する業界の集まりで上がった話題。

この10月に業界に大きな変化があった。私たちが扱う建材の主要メーカーの1社が廃業するという。

その流れが影響したかどうかでは定かではないが、残されたメーカーが一斉に値上げを敢行したのだ。

その値上げ率は大きいもので35%ととなるらしく、今までに数%程度の値上げは経験があるが今回のような大幅な値上げ率は業界でも稀であり、時代の大きな変化のはじまりを感じさせる。

メーカーの建材や部材を扱っている以上、小さな変更や廃盤のながれはある程度仕方のないことと割り切っているが、この10年くらいの業界全体の変化は「ついてこれない者は否応なしにおいていく」と言わんばかりの動きが顕著で、メーカーのものを販売し、流通する会社は徹底的に贔屓するというパワーバランスが成り立っている。

私はこの変化に違和感を感じていた経緯もあり、極力メーカーの売りたいカテゴリーをあえて取り扱わないことにして、その他の日の当たらない商品をいかに付加価値をつけて市場に提供するかということを考えてきた。

そのおかげで今のところ過当競争には巻き込まれず、マイペースで商売をさせていただいている。

しかしながら業界の一部では変化に対応するのが難しいとする会社もある。その場合、時代の変化によって変更されたルールを受け入れなくてはならず、その都度自社に不利な条件を強いられるのである。

その条件を受け入れられなかったり、適応できなければ市場から退場するほかないというのが現実だ。

加速度的に変化するというながれはどの業界も同じだと思うのだが、その際に考え方として、今までの既定路線や固定観念でガチガチに固まった業界こそ自社が逆転するチャンスととらえられないだろうか。

業界のヒエラルキーや既得権益などの構造や、当たり前とされてきた慣習など、ルールが大きく変わるとき市場は一瞬隙ができるのだ。

前例のないことが定着するまでの間、どこにアタリがあって、どこにハズレがあるかを見極めるまで、次のゲームでの強者は確定しない。

そして大きな資本は動きが鈍い。しかし、本質的なアタリを定めたらとても太刀打ちできない。その前に独自のルールで好条件の市場をとらえてしまえばその後しばらくは安住の地で牧歌的に商売ができるだろう。

そのためには迅速にそして徹底的に考えなければならないが、その際のポイントは「地味で小さい市場」である。

ポジティブな発想でひらめいたアイデアはおそらく誰でも発想できる程度のレベルであり、楽観的に考えると100%失敗する。儲けのタネはそんな浅いところには転がっていない。

自社のリソースや経験、持っている技術の応用で次のルールに適応できそうな売り方を考えるというのも有効だと思う。まずは今ある手持ちのカードを広げて何が使えるかを確認することからはじめよう。

発想したプランとカードを行ったり来たりしているうちに掘り下げて行けそうな市場の輪郭が浮かび上がってくると思う。「イケそう」と思ったアイデアは小さくテストしてその後の伸びしろを見極めていけば、どのプランが今後の柱になりうるか判断がついてくると思う。

現状で苦しい立場や状況にある会社ほど独自のルールを再構築することで浮上すチャンスをつかみやすい。それには現状をふまえて何ができるか、どこに応用できるかを徹底して考える必要がある。

深く深く考えよう。その思考の深さがアドバンテージとなる


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