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夜眠れない 同じ星の人

私は毎晩眠剤を飲んで寝ている。

今日もそろそろ飲もうかなと思い、薬の箱を手に取ったら急に悲しくなって涙が出てきた。

「え、これはやばいかもしれん」

訳のわからん涙ほど怖いものはない。

思えば1年ほど眠剤を飲み続けている。

いつやめられるか分からない不安と、月一の病院で薬剤師さんから、

「眠剤はあまり飲まない方がいいですからね」

と言われるダブルコンボで、見事病院が大嫌いになった。

やめれるもんならやめたい。でも無理なのだ。


少し話は逸れるが、寝ることへ恐怖を持つようになったのはいつからだろうか。

遡ること11、2年前。

小学3年当時の私に一番怖いものは何ですか、とインタビューをするならば、ほぼ確実に「担任の先生」と回答するだろう。

クラス全員立ちブリッジができないといけない。(←なんで)
発表で手を挙げなかったら教室の一番後ろに席を移動され、手を挙げて発表できるまで戻してくれない。
挙句の果てには目が死んでいると言われる

と、中々ファンキーな先生だったのだが、当時の私はその先生がきっかけで毎日学校へ行くのが怖かった。

ある夜

次の日に国語の授業参観がある日。
私は一つのことが気がかりで、ベッドに入っても中々寝付けなかった。

それは、「国語辞典をもっていくかどうか」である。

今思えば、持っていけばいいじゃん!の一言で片づけられてしまうようなことだが、当時の私はそんなこと考えられなかった。

「持ち物リストには書いてなかったけど、もっていかないと怒られるかな」
「でも、国語辞典って重いんだよな」
「どうしよう、どうしよう…」

そう考えているうちに、担任の先生が頭の中に思い浮かぶ。
動悸がし、心が重い鉛のようになる。

「あぁ、明日も学校行かないといけないのか。」

過ぎていく時計の針を眺めながら、ただただ憂鬱な夜を経験した。


思い返せば、人への不安を感じるようになったのもこの頃からだろうか。

今でも学生時代(今も学生なんだけどね)の嫌な思い出が夢となって出てくる。

私はそこから抜け出せていない。

以前、ちひろさんという映画の中に「同じ星の人」という言葉が出てきた。

‘‘人間という箱に、違う星の人の魂がそれぞれ入っているの
だから、人と分かり合えないのは当たり前だよね‘‘

それでも時々、何も言わなくてもふんわりと自分の心に触れる人に出会う。

深夜2、3時。眠れず考え事をしていると、たまに車の音が聞こえてくる。

それが遠くから聞こえたとしても、今この瞬間起きている人は私以外にもいるんだと実感できる。

私はこの映画を見てから、深夜車に乗っている人を「同じ星の人」と考えることにした。

起きている理由はそれぞれだろう。

残業の帰り、赤ちゃんをあやすため、ドライブデート

それでも、同じく起きている人がいるんだと思うと安心できる。

もし眠れなくて、今辛い人がこの記事を読んでくれていたら、あなたは「同じ星の人」ですね。眠れなくても大丈夫ですよ。同じ人はいます。





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