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「お前を裁判所に訴える」脅されることもあった1部署目

がくさんです。

公務員になって
初めて配属された部署での話です。

【公務員生活の始まり】


大学4年生で
公務員試験に無事合格し、


東京都特別区の公務員に
なることが決まりました。

迎えた2011年4月1日


入庁式です。


入社前の研修のタイミングで
研修担当者から声をかけられ、


新人職員の代表として
答辞も務めました。


目の前には自治体のトップである区長、
少し台詞を噛んだのを覚えています。



そして肝心の配属先、

「子育て支援課への配属を任命する」

【子育て支援課】


3年間在籍しました。

私はシングルマザーを
支援する係に所属しました。


常勤が私を含めて5名
非常勤が2名の合計7名

私以外は全員女性の方でした。


男性の新人職員ということで
かわいがってもらえたと思います。


担当業務はシングルマザー世帯の
経済的自立を目的とした、
福祉資金の貸付と償還業務でした。

【お金を貸す、お金を返してもらう】


福祉資金は子供が高校や専門学校、
大学に進学する際の授業料や入学金など
学費を賄うことを目的としたものや、

生活資金に充てることを
目的としたものなど、

「自立」のための一助となるように
東京都が用意している資金です。

当たり前ですが、
原資は税金です。

貸付業務では、

・事前相談

・資金内容の説明

・注意事項の説明

・申請書類の受付

・審査手続き

・資金の支出手続き 等

などを行いました。

私ともう1人、
2名体制で行っていました。

もう一つ償還業務のほうですが、
そもそも償還とは何かというと、

滞納していたら督促する、
(貸付金を支払ってください)という仕事

・支払状況管理

・督促通知

・督促電話

・督促訪問 等

償還業務は1人で行っていました。

【滞納されています】


貸付期間終了後、

据置期間をおいてから
返す期間に入ります。

償還開始となってから


順調に返してくれる世帯もいれば、


諸事情により、
返済が滞る世帯もいらっしゃいます。

ケースバイケースで対応します。

長年滞納されている方々もいました。

私が配属になるまでは、

お世辞にも業務の管理体制が
整っているとは言えない状況でした。


これまでの償還者とのやりとりの
経緯が書かれた資料も、案件に
よってあったりなかったり、

督促記録も後任が読むには
分かりづらい残し方でした。



督促行為は前回いつやったのか
そもそもやったのか
やらなかったのは何故なのか
個々の事情を鑑みたものなのか


分からない状況でした。

そんな状況で対応しました。

過去の経緯など明確に
把握できませんでしたが


事業のルールに準じて


督促通知を送り、
それで反応がなければ


督促電話をかけ
それで反応がなければ、


直接住んでいる場所へ
督促訪問の行為をしました。

長期滞納者に
一括償還してもらうために

茨城県の田舎まで片道2時間以上
かけて督促訪問に行ったこともありました。
(後日ちゃんと一括返済いただきました)


激務というわけでは
ありませんでしたが、 


お世辞にも楽しいとは言えませんでした。

【いきなり電話かけてきて、なんなんだよお前】


新人1年目、
最初の頃だったと思います。


貸付した本人に対して
督促通知をしたにもかからず


なにも反応がなく

電話で連絡し
電話でも繋がらない時は


督促訪問し
それでも連絡がつかない場合は
連帯保証人に連絡することもあります。

ある世帯の滞納が続いており、

ご本人に連絡が取れない状態だったので
連帯保証人に連絡をしました。


どうやら、前任の頃は
連絡をとってなかったようで、

「いきなり電話してきてなんなんだよお前」


状況を説明するも

最初の時点で聞く耳持たず、
散々暴言を吐かれた挙句に

「裁判所にお前を訴える」


捨て台詞を吐かれ、
電話を切られました。

憂鬱な気持ちになりました。


※その後何度かやりとりをして、状況など
 納得いただけるようにはなりましたが

事業のルールに沿った行為をしているので、
訴えられる理由などなにもありません。



この憂鬱な業務を

3年間やりました。


好きになることは
1mmもありませんでした。

【やる】

自分の担当ですから
やるしかありません。


督促業務の内容を工夫したり
対人折衝のやり方を工夫するなどして


対前年度比償還率で
特別区内トップになることもありました。


やったことは結果として
少しずつ現れるようになりました。

本業務に限らず、自治体では、
税金の回収業務を担う部署があります。


メインは税務課。

公正公平に住民から
徴収される税金が原資であるため、


滞納、未納者への対応業務が
あるのも当然です。

自らの意識レベルを上げて


この業務を通じて、

最終的に
住民の幸せを作ると強く
意識することができれば、


業務自体にイキイキと取り込むことが
できたのかもしれません。

「地域活性化に寄与することをしたい」


という思いで入った新人の僕には、


仕事で満たされるということは
ありませんでした。

苦い3年間でした。


次の部署は分野の全くの違う部署を
希望しようと思っていました。

そして
この次の異動が、


僕の仕事の向き合い方を大きく
変わるきっかけになりました。


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