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【アメリカの中東政策】アフガン撤退は正しかったのか?

前回に引き続き『佐藤優の地政学入門』から、「アメリカの地政学」をお届けします。

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オバマが〝辞任〞した「世界の警察官」

2013年8月、アメリカのバラク・オバマ大統領は、内戦が続くシリアのアサド政権に対して、「化学兵器の使用が『レッドライン』(超えてはいけない一線)になる」と警告しながら、反政府勢力への化学兵器攻撃が判明しても軍事介入を見送りました。そして、翌月の演説で「アメリカは〝世界の警察官〞ではない」と宣言したのです。

これをアメリカの弱腰と見たロシアは、翌年にクリミアを併合。中国は強引な海洋進出に乗り出し、過激派組織「イスラム国」(IS)が台頭するなど、国際秩序は崩れ始めました。

2017年、「偉大なアメリカの復活」「アメリカ第一主義(アメリカ・ファースト)」を掲げたドナルド・トランプが大統領に就任。中東への介入には否定的でしたが、就任後、再び化学兵器を使用したシリアの軍事施設にトマホークミサイル59発を発射し、シリア及び核開発とミサイル発射実験を続ける北朝鮮に強い警告を発しました。

続いて2021年に大統領となったバイデンは、前の二人を継承してアフガニスタンからの米軍撤退を推進。その結果、イスラム主義武装勢力タリバンが全土を掌握し、暫定政権を樹立したため、早急な撤退に批判の声が上がりました。

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