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佐藤優が教える最新地政学「世界の警察官」アメリカはどうやって生まれた?

『佐藤優の地政学入門』は、発売即重版となりました!
3月17日の発売から1週間も経たずに重版出来…!すごい…!!!!
地政学の注目度の高さを感じます。
今回はそんな本書の中から、ロシアVSウクライナを考える上でも重要な「アメリカの地政学」を抜粋してお届けします。

東西冷戦の終結で唯一の超大国に

第二次世界大戦後の1947年、アメリカのハリー・トルーマン大統領は、ソ連を核とする共産主義陣営の膨張を阻止すべく、全世界的規模での「封じ込め政策」の必要性を強調する「トルーマン・ドクトリン」を表明。対するソ連が東欧6ヵ国などと国際機関「コミンフォルム」を結成して対抗したことから、国際関係が一気に緊張しました。

以降、米ソ両陣営による〝冷たい戦争〞(冷戦)は、ベルリン封鎖、ドイツの東西分裂、中華人民共和国の成立、朝鮮戦争、ベトナム戦争……と過熱していきますが、その対立構造は「ランドパワーのソ連 対 シーパワーのアメリカ」と見ることもできます。

ハートランドを掌握し、海への進出を企図するソ連と、ワールドシーの覇権を握り、ソ連の進出を陸上でも封じ込めたいアメリカ――。第二次世界大戦後のアメリカの戦略は、スパイクマンが提言した「リムランド理論」に沿ったものであり、米ソ両陣営の衝突はすべてリムランドで起こっていたのです。

1991年、ソ連の崩壊によって冷戦が幕を閉じると、ついにアメリカは唯一の超大国となりました。国際秩序の維持を担う〝世界の警察官〞として、世界各国の情勢に目を光らせるようになったのです。

第二次世界大戦後のアメリカは、ソ連を中心とする共産主義勢力の膨張を阻止するため、
その周辺地域に軍事的・経済的な援助を与える「封じ込め政策」を展開しました。


次回に続きます!

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