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奇妙な植物園でFUYUKO展

相原駅。
窓のシルエットが気になった。
小さな四角の中は煌々としている。
数秒の間、見えた景色。
あそこは、なんだろう。
帰宅すると、そう思ったことを忘れていた。

ある日また、同じ景色を見た。
ああそうだ、気になっていたあそこだ。
窓に貼り付いた紙からなんとか「奇妙な植物園」と読めた。
帰ったら検索してみよう。
帰宅すると、そう思ったことを忘れていた。

何度かそんな日を繰り返し、私はついに降り立った。
駅を出るとその建物はすぐだった。
「植物と古本を販売しています」
「2階店内 自由にご覧ください」
「店員からは話しかけませんので時間を気にせずご覧ください」
店の看板の前に立ち、”自由””時間を気にせず”の言葉に気持ちが緩んだ。

2階に続く階段に足をかけた。
その階段は思った以上に急だった。
一歩一歩に緊張感が高まる。
黄色のドアの窓にたくさんの多肉植物が見えた。
ちらっと見えた誰かが、サササっと姿を消すように隠れた。
誰もいないかのような空間で、じっくりと植物と本棚を眺めて過ごした。

呼び鈴を鳴らすと店主が現れた。
サボテンを枯らした罪があることを打ち明けた。
きっと私は育てられないと伝えた。
店主は、大丈夫だと言って丁寧に育て方を教えてくれた。
その日から再び、サボテンを育てる生活をしている。

この隠れ家のような場所を訪れているうちに、
少しずつ個展をする勇気も育ちました。
訪れた人を静かに見守り、自由にしてくれるような空間です。
ぜひ体感してほしいです。


奇妙な植物園でFUYUKO展 
2022年6月21日(火)ー 2022年7月2日(土)
14:00 ー 19:00  ※日曜と月曜は定休日です



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