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ベトナム・カンボジア旅行記 -5日目- 途上国の福祉って?

2年前のベトナム・カンボジアへのインターンシップを振り返りながら記事にしています。本日はツアー5日目、プノンペン3日目の研修について書こうと思います。

先日、メンタリストのDaiGoさんが、ホームレスに対して過度な差別発言を行い、「優生思想ではないか」と炎上しました。DaiGoさんの発言の真意はわからないので本記事では触れませんが、今回の件で話題にあがった「優生思想」について。
優生思想に基づいた政策で悪名高いのは、ナチス・ドイツです。ナチスの優生政策としては、ユダヤ人の絶滅、ホロコーストが有名です。しかし高貴な血統であるとされていたアーリア人の中にも犠牲者がいました。それが遺伝病患者や、ハンディキャップを背負った人々でした。

この日の朝伺ったCHAは、ハンディキャップを背負った人々を支援している施設です。CHAの代表であるキムタさんのお話によると、カンボジア、特に農村ではハンディキャップに対して非常に強い偏見があるそうです。子がハンディキャップを背負っていると、実の親からも差別されることがあります。またハンディキャップがあると学校にも通うことができない、そもそも車椅子で登校できるようなインフラが整っていないと仰っていました。

昨日の記事にも書きましたが、カンボジアでは内戦の時に敷設された地雷がまだ残っており、後天的に身体にハンディを背負ってしまう危険性が高いのです。

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CHAは、ハンディキャップを背負った人々が社会的弱者として虐げられないような支援を行っています。ここで活動する人々は、ミシンを使って手芸品を作っています。同じ建物内に販売所があり、私たちも購入することができました。

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こちらが購入したポストカード。サソリがおしゃれ。他の動物をモチーフにしたものも売られていました。小物入れやネックレスなども売られていました。

2019年までにCHAから巣立っていった人は300人を超えています。その内の8割近くは仕事に就いたようです。
ここで過ごす人々はミシン作業の傍ら、朝は英語の勉強をして、夜にはカンボジアの文字の勉強をしています。日曜日には日本語の勉強もしているそうです。
CHAは当初は男性も受け入れていましたが、現在は女性のみの受け入れとなっています。同じハンディを背負う人でも、男性であれば職につけることが多いために女性だけの受け入れとなったようです。

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こちらの赤ちゃんは、川のほとりに捨てられていたところを拾われて、現在はキムタさんの養子として育っています。さながらCHAのアイドルです。皆さんに可愛がられていて、ほっこりしました。

CHAで学んだのは、途上国の福祉政策というのはやはり不完全だということです。それもそのはず、先進国であるはずの日本ですら、福祉政策はほとんど行き渡っていないというのが現状なのです。ポル=ポト政権によって知識人が消えてしまったカンボジアでは、倫理や社会学のような、内面的成長を果たすための教育が滞っているのだと考えられます。戦後日本ではハンセン病患者に対しての差別などが長らく続いていましたが、このような先進国の失敗が途上国で起きないように、福祉部門での支援も考えていかなければならないということを強く意識するようになりました。

日本の福祉への支出 参考: http://www.aigo.or.jp/sisetucho/220705s4katumata.pdf

さて、ここまで日を追って書いてきましたが、1日ずつ追っていると紹介しきれないところや、現地で実際に触れて感じたことを上手く記事に落とし込めていないような気がしてきました。1記事につき研修先1つのほうが魅力的な記事になりそうな気がするので、今後の更新の方法を考えてみます。

明日のご飯が美味しくなります