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逃 し た 魚 は 大 き か っ た 。

そのむかし、とてもフィーリングが合う、仲の良い男友達がいました。10年以上も前の話です。
一緒にいるとインスピレーションも湧き湧きで心地よく、その子とはよく、レトロなカフェに行きました。
その頃の音楽活動は安定していて、彼は最初ジャンベを叩いていて、ギターボーカルの子とユニットをしていましたが、のちにバンドをはじめ、ギタリストになりました。ギターボーカルの子はドラマーになり、4人でどこか懐かしさを感じる音楽を奏でるバンドをしていました。
わたしはあるとき、彼から告白されました。
わたしは、あまり彼氏って感じに見れなく、一緒にいて居心地が良かったのに断ってしまいました。その後も友達として一緒に行動していましたが、わたしは徐々にわがままになってゆき、そのあいだに彼に彼女ができ、友達としてうすく繋がってはいましたが、あまり会わなくなりました。
彼に彼女ができて、あのとき付き合えば良かったのかな、、とありきたりな気持ちを抱いたりもしました。
彼はあまり目立つタイプではないけど、きらりとセンスが光るというか、いい味出してるというか、自分にはわかるいいところがたくさんありました。
でもわたしは、今になって思うと、あのときガンガンに音楽活動してて、周りの人たちにちやほやしてもらってわかりやすく単純に調子に乗っていて、もっといい人がいる、なんて思ってたんだと思います。あと、年下の女友達が、私の仲の良いシンガーの男の子と付き合い始め、男友達の彼と付き合うと私が下になるとかいう気持ちがどこかにあったのだと思います。器ちっちゃ!です。

さらにその後、彼は彼女とわかれ、わたしも彼氏を作ったり、でもほそくゆるく繋がっていて、いまの一人暮らしのために引っ越しする際、引っ越し先の街に彼が長く住んでいたので、いろいろ電話で話を聞いたりしてました。

そして、今日。
インスタをひらくと、なぜか彼のアカウントが出てきて… (フォローしてないのに)
家が完成しました。
と、新居の写真が目に飛び込んできました。
そこにあったのは…
わたしが将来住みたいと思っていた、ぬくもりのある木のおうち。平家。そして、目の前にはひろーい芝生?庭?土地。
すごい…
彼は自給自足を目指してるみたい。
もちろん、結婚して子供もいて。
子供さんもかわいい。
いつだったか写真もらったけど、さらに成長してる。。

最近ね、こんなおうちに住みたいな、住めます、って、イメージしてにやにやしてたんだ。
目の前に現れた。写真で。

あー

なんともいえない気持ちになりました。

逃した魚は…
って魚とか言いたくないけど、
その例えがぴったり過ぎて。

わたし、もっと彼と向き合っても良かったのかな。せめて、付き合って、やっぱちがうと別れてたら、今日みたいな気持ちにはならなかったかもしれないのに。

でも彼は、相手と向き合い続けたんだね。
それが、決定的なわたしと彼との違いです。
相手と向き合うとは、自分とも逃げずに向き合ってきたということ。
そして、彼は長く木の仕事をしてた。途中、慣れない営業にまわされても、意外とこなしちゃったり。仕事も、音楽も、ほそぼそとでも続けてた。
わたしとは違う。
わたしは寄り道や逃げがあったからね。

そんなこんなで、彼に、いいおうちやね。もし家建てるときはいろいろ教えてね。(もっと長かったけど短くしました)とメッセージ送ったら「いまの家最高やよ!石の上に建ってるだけの石場建てて言う昔の工法でやりました。建てるときは是非、工務店紹介するよ!同じ家を二度と建てやんて工務店かな。でも2年かかったわー!そこが工務店とハウスメーカーの違いかな。でもハウスメーカーより施主とものすごく近いから安心やし信頼できるよね」という返事と、お子さんだっこした彼の写真が送られてきて。
なんだかあったかい気持ちになったな。
彼は変わんないなー
そういやいつしか、奥さんのことなんで好きになったん?て聞いたら一言、自分を受け入れてくれるから。が、彼らしかった。

あー

て気持ちもあるけど、いまもゆるく繋がっていられるこの関係性も好きだから、やっぱこれで良かったんだよなあ。

そんなふうに思った今日でした◎

※写真の家は、彼がお世話になった工務店がリフォームした家です。(彼の家ではないです)素敵んぐ…

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