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サンビタリアとは花の名前らしい

連休になるとメディアから様々なプレスが寄越されてもおかしくはない気がします。それがエンターテインメントに籍を置く業界であればなおさらでしょう。ヘッダ画像をお借りしています。

サンビタリア

ぼくは積極的に自分が好きなミュージシャンであろうと、UKロックみたいに好きなジャンルであろうと情報を集めて新譜を聴き漁ったりしないんですが、受動的に何らかのイベントを体験して新しく歌を知ることがあり、今回もそれだった。

まずこの歌を聴いて思ったのは、こういう重い(記念碑的な意味です)歌ってリリース時期つまり季節に基づいて設計されているのだろうかということでした。

1/3は本人にとって記念日であり、それは記念されなければならない。祝辞が飛び交う日だ。つまりこの歌は生まれながらにしてこれからも祝辞とともに、全く同じこの季節に演奏されることが予定されている宿命を持っていると捉えることもできる。

リリースが冬なので、冬に合わせた中身を創るか否かということです。ErrorやPaletteみたいな力が強いバラードのイメージがあるから、コンセプトとなる歌はそのような基準で造られてもおかしくはないのかなと思ったんだけどそこまでそうでもなくて逆に聴き入ってしまった。

聴き入ってしまった、って別にそうじゃないのを期待してたから嬉しいとかバラードじゃなくてよかったとかじゃなくて、単純にいい歌で聴き入ったという意味だけです。

コード進行

コード進行も良かった。採譜してないのでキーはめたくそに間違っていると思いますが(Aキー基準)、

・Aメロ
D E F#m 

・INTRO
F#m D E AE / F#m D Esus

・Aメロ
D E F#m /D E A

・Bメロ(1番のみ)
F#m D E AE / F#m D E C#

・Chorus(3番で1音転調)
D E F#m A

初めて聴いてさあ今すぐ演奏しろ!と言われたらAとChorusがごっちゃになったり色々と王道なだけに難しい気がするけど、王道なだけにどの季節に演奏しても合う気がします(後段参照)。

イベントの冒頭に持ってきても虚を突いて良いだろうし、今回みたいに最後に持ってくるとファンなら感動するんじゃないだろうか。メッセージ性が強いことをポジティブに捉えるのであれば。

前述の力強いバラードに比べると抑えめなバラードだと思います。でも確かにイメージが花なのであればあまり力強すぎないほうが良いかも知れない。あるいはバラードとも捉えずにいられるかも知れない。歌を既存のパターンに当てはめて評価しようとする行為はあまり美しくない。

特筆したいのはやっぱりコーラス部分がAメロのそれと違って最後にAというメジャーコードが追加されてることです。これによって歌が悲壮感のまま終わらない。

身近な歌でそういう歌があったなと探すとGroup_inouのHeartやJUDGEがあります。ちょっと比べるには極端といいますかこっちがロックであっちがテクノに足を踏み入れているので抵抗ある人がいたら悪いけどぼくはあまりそういうのを気にしないため、別に各歌が似てるとかじゃなくて歌の中に救いがある。

別にぼくは歌に救いを求めてないんだけど、F#mで終わっちゃうとやっぱ悲壮感が出ちゃうのかな、みたいなですね……単にimaiがこの進行が好きなだけなのかもしれない。

Errorとかのイメージでどうしても力強いバラードの女王みたいに思われがち(これはぼくが勝手に思ってるだけでして、本人は言ったこともないしこれからも言わないと思うし、世間の評価はガチで知らないのでそちらと混同されないでくださいね)だとすれば、そのイメージに乗っててもいいけどいつかは脱却することもあるでしょう。

特にErrorは人の歌だし三拍子だし結構特殊ですね。ぼくが初めて あ、歌の人なんだ と思ったのは2020.12.22 hololive 2nd fes.『Beyond the Stage』で聴いたErrorだった。

特にカバーだろうとオリジナルだろうとほとんど第一声目で自分の色にしてしまえるぐらいの力量を持っているとぼくは思っていて、同時にその重圧をずっと背負ってるのも大変そうに思える(勝手に思ってるだけなので実際は違うといいなあと思います)。

全く比べっことかをしたいわけじゃなくてYouTuberを入れてもYouTuber外でも今までそのような人をあまり見たことがないため結構長い文になってしまった。

コンセプトは冬なのかどうか

冬にコンセプト歌を創るのって難しそうに思える。それはクリスマスという面倒な行事があり、ことこの国においてはクリスマス以前/以後と明確に冬の捉え方、イメージが変わってしまう気がするため。

だから考えようによっては12/25以前にリリースした歌を以後に唄うとなんかちぐはぐに捉えられてしまうかも知れないという危惧が生まれる。はちゃめちゃにクリスマスっぽい歌をド元旦に唄うと何か(あるいはそれまでに多種多様な12/25然としたイベントをその人が体験しまくったのであれば)食傷気味すら感じることがあるんじゃないだろうか。

それを踏まえてか、メディアでも12/26以降に完全なる12/25然とした歌が流される景色をぼくも観たことがない気がする。

このように、これだけ冬に歌をリリースするのってめっちゃ慎重になってもおかしくはない行為なのかと思えてしまうという下地がぼくの中に勝手にあった。個人的には1/1に赤と緑のグラデーションを感じさせる歌がいくらリリースされたって良いと思うしなんだったら南瓜とか幽霊が飛び交う歌がリリースされたって良いと思うんだけど、マジでなんだか知らないけど期が過ぎたらそういうのを掲出しちゃいけないみたいな同調圧力を感じる。

産業自体がなぜかそういう気風で動いているのかも知れない。26日に売ってる洋菓子は賞味期限が過ぎてないのに過ぎているイメージを勝手に持たれたりしてしまいそうだという杞憂を菓子メーカーがいだき、2/5あたりに恵方巻売ってたら「ああ、保存してた売れ残りを破格で売ってるんだな」って生活社に思われてしまい小売業は手を引っ込めるのかも知れない。そういう奇妙な空気読みは卸売業界や小売業界だけじゃなくてエンターテインメント業界にも影響を及ぼしているのでしょうか。

で別にこれはぼくが歌を聴きながら勝手に考えたことなのであるため、別に本人がもともとハーバリウム創る趣味があるからそこから派生したのでもいいと思うし、かつて花をイメージしたオリジナル歌を持ったことがなくてそうしたのかも知れない。そっちのほうが良いように思える。仮に冬にリリースされた冬の歌だとしても夏に唄ったって映えるように聴きながら思った。

花は一年中咲いている……といいますか温かい時期にずっと咲いているみたいだし、冬にサンビタリアを唄う時は土の下で静かにその時を待っている様(さま)を表現することになるのかも知れない。書いているうちにどう考えてもそっちのほうが似合う気がしてきました。

後記

イベントの最後で日清とタイアップする企画が発表されたんだけど、これまで日清は奇をてらった人々を起用しており、特にUFOではその様式が顕著だったように思います。

それは別商品のタイアップ時にも感じたことでしたが、そのリンクにも書いたように現社長がそういうの好きだしな、みたいに流していた。

今回のタイアップは別に本人が奇をてらっていないとか一蹴する気はマジでなくて、でも上記リンクのように例えばサン池(サンシャイン池崎)にぶつけたとて跳ね返されてしまうような、ベクトルがいささか異なるタレント(才能)を持ち合わせているんじゃないかと思ってたんです。

UFOなら結構前に輝夜月とマキシマムザホルモンを起用したように、歌の旋律と言いますかリズム隊の勢いでなんとかするみたいなのもあると思うんだけど、今回のそれを見てそこまでやるかな……と思ってしまった。でも歌に強いという共通点があるのでタイアップの一貫でさらにまた歌をリリースしたりするのかも知れない。サン池みたいな無茶振りが基本みたいなイベントにゴーサインが出るなら逆に驚かされるので見たい気もする。

本人が所属している同社がカレー飯かなにかでユニット歌をリリースしていた気もします。たぶん歌は現状そこまでハードルじゃないんでしょう。タイアップで歌が出たら出たで楽しそうです。

ただ今回のLIVEでもあったように、オリジナル的本人の持ち歌はほとんどがバラードに集約されていて、同社所属の他タレントのように底抜けに明るい歌となるとブランディングとかもあって出しづらかったりするのかもしれない。

だから今回の新しいオリジナル歌もバラードになったのかもしれないけど、そのケア(ケアっていう言い方はなんかうるさくて嫌だけど)として仲の良いタレントのオリジナル歌、それも底抜けに明るかったり戦闘シーンの一部みたいに鋭いうただったりを一緒に歌うことで実現していたりと、ステージメイキングの内製化がここまで上手く作用していることにも驚かされます。

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中村風景
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