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やどかりが鳴くコロニー

ワイルドライフで沖縄固有のやどかりに密着していましたね。ヘッダ画像をお借りしています。

お借りした写真は道がきれいに舗装されまくっておりますが、このようにちょこっと歩ける道以外はいきなり森とか林が始まっていて、その地面とかを見るとうわーっとやどかりがいる。

沖縄の固有種はおかやどかりというらしい。むらさき~とか、こむらさき~、なき~、おおなき~とか前置詞みたいのがついて、それぞれおかやどかりだけど別種らしい。ノーマルおかやどかりもいる。

番組ではやどかりの一生まではいかなくてもどうやって産卵(殻の中で既に出産しているので放幼体みたいな言い方だった)するとか大きくなるとか、割と一番の不思議と言っても良さそうな宿の借り方を見せて、最後におかやどかりが山林奥深くに住むやんばるまいまい(かたつむり)の殻を宿にしている謎の生態系を始めている(始めているといっても1970年代ぐらいに地元の研究者が見つけた)ことを伝えて、さらに環境破壊的に沖縄に流れ着いたプラスチックの破片を宿にしているやどかりを見せて終わった。

思うことはかなり色々あったんだけど、めちゃくちゃ気になったのがどうやって交尾して産卵してんの!?!?!?!というところだった。

やどかりが小さな頃は多分動物プランクトンとして海で過ごし、陸に帰ってきて(どうやって??これも教えてほしかった)飛沫転石帯に

しか生息しない、子供のやどかりに殻を与えるために生まれてきたんじゃないか?とさえ思える丁度いいサイズの貝類の残骸から貝をもらってやどかりとして生きていく。岩場の影に隠れて脱皮を何回もして生きていく。長いものでは5年どころか数十年生きる(十数年と言わなかったので20年とか30年とか生きるのだろう)。

話を聞く分にはこの飛沫転石帯がめっちゃデリケートな役割を果たしていて、上記の通り子やどかりに宿を与える。そこにしか住まない蟹とかもいる。

飛沫転石帯とはリンクにもあるように、ぎりぎり波に流されない、仮に波が来ても弱いから、ぎちぎちにある石群に掴まってれば耐えられるみたいな小さな生き物にとってちょうどいい場所でした。やどかりは大人になると、間違って海に流されたら死ぬだけらしい。だから出産も命がけだとわかる。

しかしながらこの飛沫転石帯は人間にとって非常にどうでもいい境界でしかなかった。堤防を建てるのに丁度いい場所らしいんスよね。でここに堤防を建てると、丘に上がって過ごしていて、出産期に海に戻ってくるやどかりが戻れなくなる。

やどかりはある程度の高さは登るけど、堤防みたいに足がかりがないものは多分越えられないでしょう。相当の大きさだし、干からびて死んでしまうんじゃないだろうか。後述のように頑張れば生き残る個体もいるかも知れないけど、一回の出産で1個体が何万と子供を放流するのに、大人になれるおかやどかりは(映像では死ぬほどいるようには見えるけど)何万もいない。

多分1/100、1/1000とかに淘汰されるんじゃないだろうかと思います。ヤンバルクイナはやんばいるまいまいを食う時に叩きつけて食うらしいし、やどかりも同じように食えるだろうみたいな海にも山にも天敵なんて山ほどいそうな気配がある。

だから人間が飛沫転石帯の扱いをないがしろにするにあたっては、天然記念物に指定されているおかやどかりの個体数をもっと減らすことに貢献できているはずだという答えが導ける。

それでもあなたは堤防を建てますか?飛沫転石帯をないがしろにしますか?みたいなことが今回のワイルドライフの訴えかけなんだったのだろうと思いますが、ぼくはもう一つ疑念を持った。別に環境負荷とかは関係ないのでまた日を区切って明日以降に書かせてください。


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中村風景
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