朝山 絵美|美大卒 Ph.D.『MFA入門』著者

Ph.D. of Creative Thinking for Social Innov…

朝山 絵美|美大卒 Ph.D.『MFA入門』著者

Ph.D. of Creative Thinking for Social Innovation|著書『ビジネスで成功する人は芸術を学んでいる MFA(芸術修士)入門』| 外資系戦略コンサル 人間中心の経営戦略|ゆるゆる学びをシェアしますhttp://emiasayama.com

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もがいて変わった。社会人美大生を経て。

こんにちは。朝山絵美です。 この春に美大の博士前期・後期課程を修了し、5年間の社会人美大生に終止符を打ちました。最近は、多少の寂しさもありつつ、美大で培ったものを糧に新しいことにも挑戦しています。 戦略コンサルタントとして経営に携わるなかで、ビジネスになるとなぜ人は人間らしくなくなるんだろう、という疑問をもったのが、すべての探求のきっかけでした。もっとイキイキと仕事に携われる人が増えることを願って、探求した結果見えたことや、自分のこれからについて徒然なるままに書いてみようと

    • 初めて研究を進める方におすすめする10のこと

      こんにちは。朝山絵美です。 これまで、大学院で学ぶことの意味や、博士後期課程や学術研究の正しい捉え方など、概念的なお話を中心に展開してきました。 今回は、具体の話です。どのようにして研究活動を開始し、どのようにして成果を出していくのか、そのための具体的なステップや行動について、ここにすべて載せます。 研究活動を正しく捉えられていなかった私は、壁にぶつかるたびに調べ、また進むという、原始的な進め方をしてきてしまいました。 その原始的な進め方をしたからこそ、その時々で考え学び

      • 人生14回目の学会発表で見えた真実:研究者としての成長

        こんにちは、朝山絵美です。 春に博士の学位も取り、一旦研究活動には区切りをつけた私ですが、ライフワークとして研究活動を少し進めています。先日、経営学における老舗である組織学会にて学会発表を行ってきました。 ここにきてようやく「学会発表とはなんたるか」がわかったように思えたので、鮮度が高いうちに皆様に紹介したいと思います。特に社会人学生を目指している方には事前に知っておいていただくと良いかなと思っています。 前提(わたしの学会発表歴) 私は、大学から進学して人工知能(A

        • 博士を1ミリでも考えている人の学び場の選び方

          こんにちは、朝山絵美です。 ここまで、博士後期課程における振る舞い方や研究活動とは何たるかについてお伝えしてきました。ここまでの話を踏まえると、社会人院生にとって学び場である大学院をどう選ぶべきかがクリアになってきます。 そこで、今回は、最適な大学院の選び方について私見をお伝えします。 ここまでの話はコチラをご覧ください。(こちらを読んで頂いた後に、今回の記事を読んで頂くことをお勧めします) では、まずは、大学院という役割についての前提から。 大学院の役割 大学院を

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        • 社会人学生のための備忘録
          7本
        • MFA(芸術修士)
          6本

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          私が思い込んでいた博士での研究とその現実

          こんにちは。朝山絵美です。 社会人博士としての日々を過ごし感じたことをご紹介しています。前回は、社会人学生としての博士後期課程の正しい捉え方をお伝えしました。 今回は博士における主要な活動である、研究活動についても私見をご紹介します。 研究という活動にも、私が間違って思い込んでしまっていたことが、これまたたくさんありました。この思い込みを早く払拭できていれば、そこまで遠回りしなくても良かったのかも、と思うことばかりです。それらをご紹介します。 できるだけ多くの博士課程の

          私が思い込んでいた博士での研究とその現実

          私が思い込んでいた博士後期課程とその現実

          こんにちは、朝山絵美です。 先日、文科省が「博士人材活躍プラン」と題して、2040年に人口100万人あたりの博士号取得者数を300人超(20年度比で約3倍)にし、世界トップ級に引き上げる目標を掲げたというニュースを耳にしました。さらに、社会人大学院生を増やすために整備を加速化させることも打ち出されています。主には夜間対応や短期プログラムなどのハード面の対応に言及されていました。 私はイチ社会人博士の経験者として、これから社会人大学院生となる皆さまをソフト面からサポートする

          私が思い込んでいた博士後期課程とその現実

          卒制展のからくり|トリハダ美を感じてもらうための9つの工夫

          3月に美大の博士を卒業し、4月の博士研究発表展『Emi ASAYAMA展 ー 美とタンジブルによるイノベーションの創出ー』も終え、少し落ち着いた日々を過ごしています。 その後も、当日お目に掛かれなかった方からご連絡をいただくなど、展示会の余韻が続いています。 さて、今回はこの展示について、展示の企画者でもあり、作家でもあり、空間デザインやエディトリアルデザインを行った者として、そして設営まで一連の作業を行った身として、展示にあたって意識した点をご紹介したいと思います。 展

          卒制展のからくり|トリハダ美を感じてもらうための9つの工夫

          美大卒 Ph.D.|『MFA(芸術修士)入門』著者として活動開始

          武蔵野美術大学の学生としての大イベント、卒制展 Emi ASAYAMA展(4/15-4/21)が無事に終了しました。想像よりも多くの方にお越しいただけたことを嬉しく思います。ご興味を持って頂いた方、誠にありがとうござました。 社会人美大生からの卒業 3月15日の卒業式で学位を授与頂いたものの、この展示が終わるまでは卒業した気になれず、学生感が続いていました。ですが、ようやく卒業した実感が湧いてきました。noteのプロフィールから、5年間大切にしてきた「社会人美大生」の看板

          美大卒 Ph.D.|『MFA(芸術修士)入門』著者として活動開始

          卒制展に向けた奮闘記|展示レイアウト編

          いよいよ開催まで残り3日に迫ってまいりました。 卒制展は自分との闘いです。制作準備に勤しんでいると、その様子を見て 「見えない何かといつもと闘ってるね。誰に何を言われたわけでもないのに。」 そう言われて気づきました。 見えない何か、、いや、見えないんだけれど、確かにある自分のなかの軸。5年の美大生活を通じて、自分自身の中で「美しい」と思えるか否かという軸が持てるようになっていたようです。納得感のようなものに近いですが、美しいと思える領域に到達しているかを無意識下で意識して

          卒制展に向けた奮闘記|展示レイアウト編

          卒制展に向けた奮闘記|パンフレット編

          ムサビの博士を卒業しまして、4月に研究発表展(通称、卒制展)が開催されます。私が展示会を行うのは、人生で二度目です。一度目は、3年前のムサビの修士の修了制作展でした。博士課程の学生として美大に3年在籍しましたが、経験を重ねられておらず、今回の博士の卒制展が二度目の展示となります。 ノンアーティストとして人生の大半を過ごしてきた私が、卒制展に向けて試行錯誤している様子を奮闘記として少しご紹介していきたいと思います。 まずは、案内パンフレット(ポスター)編です。 当初の気持

          卒制展に向けた奮闘記|パンフレット編

          祝☆学生生活を修了。けれど、博士後期課程は”学生”じゃなかった

          「美しい作品を自分の手で作れるようになりたい」「それができたら見えるものがあるんじゃないか」といった素朴な動機で進学した博士課程。 昨日D3最後の日を迎えることになりました。 3月11日に学位取得の最終承認が無事におり、3月15日卒業式にて学位が授与されました。 博士(造形構想)/Ph.D. of creative thinking for social innovation ムサビに5年前に新設された造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースの修士を一期生で入学し

          祝☆学生生活を修了。けれど、博士後期課程は”学生”じゃなかった

          美大ならではの博士公聴会に向けて

          とうとう3日後に迫ってきました。 社会人としてムサビの門を叩き、早5年、終盤に差し掛かってきました。 昨年11月末に博士論文の提出は終えており、先生方による査読期間を経て、いよいよ発表です。 ということで、発表のプレゼンテーション資料は問題なく準備を終えましたが、パネル制作に苦心しました。 昨晩、A1パネル6枚のデータを完成させ、印刷所へ入稿しました。あとは土曜日に受け取り、展示の設営作業を残すのみです。 私は、経営学のディシプリンに根差しつつも、アートを視座として取り入

          美大ならではの博士公聴会に向けて

          MFA(美大修士)を修了した私が博士に進学したワケ

          武蔵野美術大学の大学院の修士課程を修了し、博士後期課程に進学しました。現在D3、博士3年目です。 まずは一般的な定義ですが、大学院における「博士課程」の中には、「修士課程(博士前期課程)」と「博士後期課程」があります。 前期、後期とあるように、前期2年と後期3年の計5年を経て、学術研究者の卵として歩み、自立して活動を行える研究者としての一歩を踏み出していくことになります。 ただ、社会人学生としてキャリアに活かすための学業であったため、決して研究者になることを目指したかったわ

          MFA(美大修士)を修了した私が博士に進学したワケ

          学び直しに大学院を選ぶということ

          美大の大学院に通い始め、社会人美大生歴はもう5年になります。昨今注目を浴びているMFA(Master of Fine Arts)、アートのスキルを学べる場所です。 社会人歴15年前後のタイミングで大学院に入学し、修士課程で2年学び、現在博士後期課程の3年目になりました。 ここに来てようやく、アカデミックな領域のイロハがわかってきたように思います。学び直しを考え始めている皆さんや大学院への入学を視野に考えている皆さんに「学び直しに大学院を選ぶ」ということがどのような意味なのか

          学び直しに大学院を選ぶということ

          ノンデザイナーが初めての展示に挑んで気づいた20のこと

          ノンデザイナーとしての美大院生の日々。それを経て修士2年間の集大成となる卒業・修了制作展の展示への道のりを皆さまにシェアしたいと思います。ノンデザイナーが展示に挑むとこんなことすら驚く、こんなことすらつまづく、というたくさんの気づきをまとめています。 まずは展示の最終形から自身の通う美大大学院の修了制作展は3月に催されました。さすが美大ということで、広大なキャンパスの全てを使って、学生の皆が渾身の作品を展示しています。 私は、造形構想研究科という新設された学科で、論文審査

          ノンデザイナーが初めての展示に挑んで気づいた20のこと

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの?〈後編〉その3:Input編

          今回は、Input編を詳しくご紹介します。ビジネスパーソンは美術館に行けと言われるもののどういうことをアートから学べばいいのかしっくり来てない方、ならびにデザインの世界でデザインリサーチというパートにご興味のある方は是非読んで頂きたい、そんな内容になっています。 はじめにこれまで3回に渡り投稿してきました。前編をはじめとし、ビジネスにおける仮説を立てる、という状態から逆流する形で後編をご紹介してきました。この後編では、それぞれのプロセスごとに、〈What〉MFAの何が活かせ

          それでMFA(美大修士)ってビジネスにどう活かせるの?〈後編〉その3:Input編