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嫌われる勇気・幸せになる勇気/自己啓発の源流・アドラーの教え【読書ノート内容まとめ】

オーストリアの心理学者「アルフレッド・アドラー」の思想を、『哲人と青年による対話』というストーリー形式でまとめた「嫌われる勇気」が話題になりました。この本の中で、多くの読者が『心に響いた言葉』を取り上げ、まとめてみました。


自分を変える心理学

アルフレッド・アドラーとは、20世紀初めに活躍した心理学者で、フロイト、ユングと並んで、心理学の三大巨頭と呼ばれています。このベストセラーの著者が、カウンセラーであり哲学者でもある岸見一郎先生です。その内容は、「自分を変える心理学

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』(岸見一郎著)の要約

第1章:自己啓発の源流

本章では、アルフレッド・アドラーの生い立ちや心理学の基本的な考え方について紹介されます。彼の教えは、「嫌われる勇気」を持つことで自己実現を追求することにあります。

第2章:対話形式での学び

本書は、青年と哲人の対話を通じてアドラーの教えを伝えています。この章では、青年と哲人の対話を通じて読者も自らの考え方や価値観に向き合うことができます。

第3章:嫌われる勇気の本質

嫌われる勇気とは、他人の評価や承認に囚われず、自分自身の価値観に基づいて生きる勇気のことです。この章では、嫌われる勇気の本質やその重要性について掘り下げられます。

第4章:自己実現の道

本章では、自己実現のために必要な要素やアドラーの教えに基づいた実践的な方法が紹介されます。自己実現を達成するためには、自己責任を果たすことや他者との関係性を築くことが重要です。

第5章:アドラー心理学の応用

この章では、アドラー心理学の応用例や実践方法について詳しく解説されます。具体的なケーススタディを通じて、読者はアドラーの教えを実際の生活に適用する方法を学ぶことができます。

自由とは他人から嫌われることである

たとえば、あまり気の進まない誘いを受けた時……

「ね、行くでしょ?レストランのランチ!」(友人)
”あのレストラン高いから行きたくないなあ……でも、断ったら嫌われちゃう……”
このように、人に嫌われないかが気になって、言いたいことが言えない人もいますよね。でもそれは、「他人の価値観」に従って生きるという不自由なものです。

どうしても気が進まなければ、断ってみてはいかがでしょう?
「ごめんなさい!私いいわ!今月、苦しくって」
「えー!?」(友人)

このように、嫌われる勇気を持つことで、人間関係のしがらみから解放され、自分が本当にしたいことをするための「自由」が得られるということなんです。対人関係のことばかりに目を奪われてしまうと、自分の目の前にある対人関係しか意識できなくなり辛くなります。

アドラーはこう言っています。

より大きな共同体の声を聞け

たとえば、ママ友グループの場合、嫌われても、他に気の合いそうなグループはないか?趣味のサークルなどで頼れそうな人はいないか?目の前のグループにとらわれず、他で探してみたら、味方になる人はきっと見つかるはず!

他人はあなたの期待を満たすために生きているのではない

あなたは、他人に何かをしてあげたとき、見返りを求めていませんか?
たとえば、お酒の席で……

サラダを分けたり、飲み物の注文をするなど、かいがいしく世話をしているのに、男性陣がかわいい女の子ばかりちやほやしている時……
「何よ、こんなにみんなのために働いているのに……ちょっとは私に感謝してもいいんじゃないの!?」
見返りを求めて、それがかなわないと、人は不満に思ってしまいます。

その不満が態度に出ると……
「なんであんなに機嫌悪いんですかね?」
その場にいた人たちとの関係にひびが入ってしまうこともあります。
実はこれ、他人だけではなく、親子にも当てはまります。

母親)「あなたは長男だから、老後の面倒を見てくれるのよね!」
嫁)「お義母様、そんな当たり前のように言われても困ります」
母親)「何よ、ここまで育てた恩を仇で返す気!?」
息子)「いや、2人とももう止めてくれよ」

確かに子育ては大変だったかもしれませんが、それでも見返りを期待することは、人間関係のトラブルの原因になるのです。
子育てや介護は、決して見返りを求めることはできません。
「これだけのことをしてあげたのだから、これだけのことはしてほしい」と思わないほうがいいのです。

怒りとは、出し入れ可能な道具である

おもちゃを出しっぱなしにしている子どもに……
母)「今すぐ片付けなさい」
子)「後で片付ける」
母)「何言ってるの!今すぐやりなさい!」

『後で片付ける』と言っているのに、なぜまだ怒っているのでしょうか?
理由はただ一つ、子どもが「自分の言う事をすぐに聞かない」からです。
お母さんは、子どもを思い通りにコントロールするために怒っていたのです。

そこに電話がかかってきて、さっきまでの怒りはどこへやら、お母さんはすました声で電話に出ます。

怒りが簡単に出し入れされました。

さらに、お店などで……
水をこぼしてしまった店員に、大声で怒る人の目的は、店員をコントロールし、何か自分が得するようなお詫びをさせようとしているのです。
怒りは、自分に有利な状況を作るためにも使われます。
なので、アドラーは、怒りを「出し入れ可能な道具」だと考えたのです。

そもそも、「怒りという感情はいらない」とアドラーは考えます。
もしも、言葉でお願いすることが出来れば、怒りは使わなくてもいいはずなのです。
なのに、怒りという感情で自分の言う事を聞かせようとする……
「怒りは、未熟なコミュニケーションのとり方」なのです。
「自分は怒っている」と、言葉で冷静に伝えてみましょう。

冷静になれば、怒っていたと思っていたことが、実は怒りではなかったということに気づきます。
たとえば、子どもの帰りが遅いと、最初に怒りの感情が起きます。
しかし、よくよく考えると、これは『心配』だったり『不安』だったりするのです。
だから、子どもが帰ってきたときに、「どこほっつき歩いてたんだ」ではなく、「心配してたんだ」と伝えれば良いのです。

人間の悩みは全て、対人関係の悩みである

こうした人間の悩みというものは、全て一つの事柄に行き着くとアドラーは言っています。
他人と関われば必ず摩擦が生じます。

他人との摩擦を減らすコツが2つあります。
一つは、自分と他者を比べない。
もう一つは、人からどう思われるかを気にしない。

もし、そんな風に思うことが出来れば、人生は非常に楽なものになるでしょう。


★続編:幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え2

『幸せになる勇気』は、岸見一郎氏と古賀史健氏との共著。
この本はアドラー心理学をテーマにした対話形式の物語で展開されており、アドラー心理学を実践的に学ぶことができ、また読み物としても楽しめる内容となっています。

3年ぶりに青年が哲人を訪ね、アドラー心理学を捨てるべきか否かという苦悩についての対話が展開される。哲人は彼の誤解を指摘し、アドラー心理学が誰もが幸せに生きるための有益な理論であると述べる。

本書の特徴とおすすめポイント:
対話形式の物語で進み、一つ一つの悩みや疑問を解決しながら読み進めることができる。アドラー心理学を理解しつつ学ぶことができ、説明されるだけでなく実践的なアドバイスも提供される。読者が心の幸せを手に入れたい、人間関係に悩みを抱えている、アドラー心理学に興味を持っている方におすすめの一冊です。

【第1章:物語の舞台】
本書は、3年ぶりに哲人を訪ねた青年の物語から始まります。青年が抱える苦悩は「アドラー心理学を捨てるべきか否か」というものです。

【第2章:アドラー心理学の誤解】
青年はアドラー心理学を机上の空論だと考えており、哲人に対してその疑問をぶつけます。しかし、哲人は彼の誤解を指摘し、「アドラーを誤解しているのはお前だ」と答えます。

【第3章:アドラー心理学の真実】
この章では、哲人がアドラー心理学の真の意味や価値について語ります。アドラー心理学は、誰もが幸せに生きるための有益な理論であり、青年の苦悩に対する解決策を提供します。

【第4章:対話を通じた学び】 本書は対話形式で進んでいきます。青年と哲人の対話を通じて、読者は一つ一つの悩みや疑問を解決しながら学ぶことができます。

【第5章:幸せへの道】
この章では、アドラー心理学を実践することによって、読者が心の幸せを手に入れる方法が紹介されます。人間関係に悩みを抱えている方や心の幸せを追求したい方にとって、本書は有益な情報を提供してくれるでしょう。

【結び】『幸せになる勇気』はアドラー心理学を理解しながら学ぶことができる対話形式の物語です。読み物としても楽しめるだけでなく、実践的なアドバイスも得ることができます。ぜひこの本を読んで、幸せな人生への一歩を踏み出してみてください。




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