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死は存在しない~最先端量子科学が示す新たな仮説~田坂広志【読書ノート】

死後、我々はどうなるのか。「肉親」と再会できるのか。「前世の記憶」「輪廻転生」は、全くの迷信なのか。なぜ、「死者との交信」が起こるのか。「幽霊」や「地縛霊」という現象の正体は何か。我々の「未来」と「運命」は、すでに決まっているのか。なぜ、無数の人々が「神」や「仏」を信じてきたのか。なぜ、「最先端の科学の知見」と「最古の宗教の直観」が一致するのか――。この本を読み終えたとき、あなたの人生が変わる。

概要

本書の核心は、ゼロ・ポイント・フィールド仮説を通して、「科学」と「宗教」の間の隔たりに「新しい橋」を架ける試みである。

田坂広志氏による「大統一場」理論は、「意識」についての科学的説明の欠如を発展させ、新しい宗教としての「科学」と古い「宗教」を「ゼロ・ポイント・フィールド」で解明しようとするもの。

本書では、「死」について以下の3つの視点を提供している:

  1. 宗教的視点: 死後の世界の概念は科学的に証明されていない。

  2. 科学的視点: 死後の世界は存在しないとされ、その体験についての説明が欠けている。

  3. 医学的視点: 臨死体験などの不思議な体験の科学的な説明がない。

「科学」は現代の「最大の宗教」であるが、「意識」の本質を明らかにしていない。それは、科学が「唯物論的」であるからだ。

唯物論的科学には以下の3つの限界がある:

  1. 要素還元主義の限界: 複雑系が理解を妨げる。

  2. 物質証明の限界: 量子レベルで物質が消失する。

  3. 説明不能の限界: 5つの未解決の問題が存在する。

不思議な現象は現代科学では説明できないものとされている。

ゼロ・ポイント・フィールド仮説は、宇宙に普遍的に存在する「量子真空」の中の場で、すべての情報が「記録」されているというもの。
量子真空は無限のエネルギーを秘めた空間で、ゼロ・ポイント・フィールドは宇宙全体の情報を波動の形で記録する。

意識は5つの階層から成り立っており、それぞれが異なる側面を持つ。
①表面意識:自我
②静寂意識:祈り・瞑想・もう一人の自分
③無意識:引き寄せの法則・直感・心の浄化
④超個的無意識:以心伝心・超我
⑤超時空的無意識:直観・シンクロニシティ・予感・予知・占い的中・真我

ゼロ・ポイント・フィールドと繋がれば、インスピレーションが得られ、「神」「仏」「天」もこのフィールドを指す。

最終的に、ゼロ・ポイント・フィールド仮説は「科学」と「宗教」を繋げる新しい橋であると結論され、アーサー・C・クラークの「地球幼年期の終わり」にも言及されている。

【目次】
序話:この本を手に取られた、あなたへ
第1話:あなたは、「死後の世界」を信じるか
第2話:現代の科学は「三つの限界」に直面している
第3話:誰もが日常的に体験している「不思議な出来事」
第4話:筆者の人生で与えられた「不思議な体験」
第5話:なぜ、人生で「不思議は出来事」が起きるのか
第6話:なぜ、我々の意識は「フィールド」と繫がるのか
第7話:フィールド仮説が説明する「意識の不思議な現象」
第8話:フィールド仮説によれば「死後」に何が起こるのか
第9話:フィールド内で我々の「自我(エゴ)」は消えていく
第10話:フィールドに移行した「我々の意識」は、どうなるのか
第11話:死後、「我々の意識」は、どこまでも拡大していく
第12話:あなたが「夢」から覚めるとき
終話:21世紀、「科学」と「宗教」は一つになる
謝辞
さらに学びを深めたい読者のために

本書を理解するためのキーワード

ゼロポイントフィールド

ゼロポイントフィールド(Zero-Point Field、ZPF)は、量子場理論における概念で、真空中でも完全に消えることのない最低のエネルギー状態を指します。

通常、物理学においては、粒子が完全に静止するとそのエネルギーもゼロになると考えられることが多いですが、量子力学ではハイゼンベルクの不確定性原理から粒子が完全に静止することはありません。つまり、粒子が完全に静止した場合、位置と運動量の両方を正確に測定できることになり、これは不確定性原理に反します。

ゼロポイントエネルギーは、この最低エネルギー状態における振動や揺らぎを表します。真空中であっても、場の量子的な揺らぎが存在し、エネルギーが完全にゼロになることはありません。

このゼロポイントフィールドは、カシミール効果などの実験で確認される現象として知られており、量子場の理論の重要な要素となっています。カシミール効果は、二枚の平行な導体プレート間に生じる微弱な引力で、ゼロポイントフィールドの影響により生じるとされています。

ゼロポイントエネルギーはまた、宇宙の真空エネルギーやダークエネルギーと関連する可能性も指摘されており、宇宙論においても重要な概念となっています。

アカシックレコード

アカシックレコードは、神秘主義やエソテリックな思想における概念で、宇宙のあらゆる出来事や情報、感覚、経験が記録された永遠の「記憶」または「図書館」とされています。この言葉はサンスクリット語の「アカシャ」に由来し、そこでは「エーテル」や「空間」といった意味を持っています。

アカシックレコードの概念は、19世紀の神秘主義者や神智学の思想家によって普及しました。彼らによれば、アカシックレコードは特殊な霊的な視覚を持つ人々がアクセスできるとされ、人々の前世や未来の予知、宇宙的な知識などについての情報を提供できると考えられています。

科学的な証拠や実証的な基盤はなく、アカシックレコードは信仰や個人的な体験に基づいているとみなされることが一般的です。したがって、この概念は科学的な分野では受け入れられていないものの、新しい時代の精神的な実践や瞑想の中で重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

ホログラム原理

ホログラム原理(Holographic Principle)は、弦理論や量子重力理論において提唱された物理学の原理で、宇宙や特定の空間の情報が、その境界面上の低次元構造にエンコードされているという考え方です。

この原理の名前は、ホログラフィー技術から来ており、ホログラフィーでは3次元の物体を2次元のフィルムにエンコードすることができます。同様に、ホログラム原理では、高次元の空間の物理的情報がその境界面の低次元で完全に記述されるとされています。

ホログラム原理の一つの具体的な実現が、AdS/CFT対応(反ド・シッター空間/共形場理論対応)です。これは、一方の側で定義される重力理論が、対応する境界で定義される場の理論と等価であるという強い対応関係を示しています。例えば、5次元の反ド・シッター空間における重力の理論が、その4次元の境界での共形場理論と等価であるということが示されています。

この原理は、物質やエネルギーの構造に関する全ての情報が、空間の内部ではなく境界面にエンコードされるという反直感的な考え方を提供しています。ホログラム原理は、ブラックホールの熱力学的性質や宇宙論など、様々な物理学的なコンテキストで重要な洞察を提供しており、未だに活発に研究されている分野です。

  • 💡 量子科学の仮説による新たな死後の世界の解明

  • 💡 死は存在しないという明確な主張

  • 💡 過去・現在・未来が同時に存在し、変えることができる可能性

  • 💡 ゼロポイントフィールドにつながる唯一の最善の方法

『死は存在しない―最先端量子科学が示す新たな仮説』の要点を簡潔にまとめた動画の解説です。量子力学の知識を駆使し、多くの学問を横断して積み重ねてきた田坂博士の仮説によると、死後の世界には死はなく、魂は永遠に存在し続けるとされています。以下はその内容の要点です:

  • 死後の世界には死は存在しない。死後も魂は永遠に存在し続ける。

  • 魂は「真の自分」であり、エゴ意識が消えた後に超エゴ意識となって成長と進化を続ける。

  • ゼロポイントフィールドは宇宙の起源からの13.8億年間の情報が記録された場所であり、未来の情報も含まれている。

  • 過去・現在・未来は同時に存在し、過去や現在の波情報を使って未来を予測することが可能。

  • 超エゴ意識によるゼロポイントフィールドへのつながりが、幸運を引き寄せる方法となる。

  • 宗教は本来、人々に恐怖や不安を与えるのではなく、希望と安心を与えるべき。

最先端の量子科学を用いて、死後の世界や人間の意識について新たな仮説が提案。人々にとっての幸福や意味の探求に寄与する内容となっています。



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