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パリピポエイリアン

街中を歩くアンバランスな二人。
 
「先輩…
 その格好かっこう
 どうにかなりませんか?」
「何、これのこと?
 似合ってるし、超カッコよくない?
 こんなファッションできるの、
 ここだけじゃん!」
 
「そうかもしれませんが、
 もうちょっと…
 目立たないようにしないと…
「周りをよく見てみな。
 同じようなのたくさんいるっしょ!
 へっチャラい!へっチャラい!
 
「何ですか、へっちゃらいって。
 そんな言葉、聞いたことないですよ」
「自分で作った」
 
「何でそんなに積極的なんですか?
 そんなに地球が好きですか?」
「ウソ?
 ここ天国じゃん!
 こんなに自由で楽しい場所、
 他にないって!
 俺らの星にある?
 こんなわけのわかんない空間。
 よく見てみ!
 このゴミゴミのキラキラ!
 この星、最高!
 フォォォーーーー!!」
 
「………。
 まあ確かにみんな自由ですよね。
 何にもしばられてないのもわかります。

 それにこんな文明レベルの高い場所は、
 私たちの星には存在しません。

 私も自分の星では、
 田舎から上京して首都に住んでますけど、
 こことは開発具合が雲泥うんでいの差ですね。

 うちの首都を例えるなら、
 東京でいう練馬区?
 大阪でいう鶴見区ってところですかね?」
「悪くはないんだよ~。
 生活するには全然困らないし。
 でも刺激がないんだよ!
 ここは超絶スパイシーだろ!なっ!」
 
「でもいいのかなあ~。
 うちらは地球に派遣された、
 調査員じゃないですか。
 身元がバレないように注意されたし、
 まずもって目立たないようにって、
 上司に散々、くぎを刺されて…
 
「ねぇキミ~かわちぃ可愛いねぇ~。
 生フレンチクルーラー食べいかない?」
 
「先輩ぃぃ!!」
「何だよ…今からミ◯ドに行こうと…」
 
「だから地球人と接触せっしょくしちゃダメでしょ!
 隠密おんみつ行動って言われましたよね?」
「そうだっけ?
 いいんじゃない?そういうの?」
 
「よくないですって!
 まだ人間は、
 ちょっと変わった人だと思って、
 近づいてこないのに、
 自ら声掛けに行ってどうすんですか?」
「いや、いいことあるぞ~って、
 言われたら行くでしょ?」
 
「すっかり地球に洗脳されてますね!
 それにその服!
 全身、電飾でんしょくの服って、
 どこで手に入れたんですか?」
高円寺の古着屋で見つけた
 
「すっかり地元通じもとつうですね!
 先輩は堪能たんのうし過ぎなんですよ」
「そう?
 だって地球で他の国にも行ったけど、
 こんなに馴染なじめる国ってなくない?」
 
「そう言われればそうですね。
 先輩、他国で何回か撃たれましたね。
 まあ私は普通の反応だと思いますけど」
「そうそう。
 動物が持つ防衛本能ってやつな
 
「でもあまりにも馴染みすぎですって。
 もっと自重じちょうして下さいよ。
 もうすぐ帰るんですから」
「帰るの~?
 もっと遊ぼうぜ~」
 
「うちらは仕事で来てるんです」
「え~六本木のクラブで、
 朝まで踊ろうって約束したのに~」
 
「誰とですか?」
SNSで仲良くなったリサちゃん
 
「何、勝手に地球のSNSに、
 登録してるんですか?!
 ちょっと見せて下さい…
 あっ!先輩!
 これ本名じゃないですか!
 しかもポピンスキー@トラピスト星人って、
 惑星名まで書いちゃって!
 駄目ですって!個人情報!」
「だって~ウケが良いし~、
 フォロワー数も増えたし~」
 
「え?!フォロワー数、
 195万件?!
 うちらのことバレバレじゃないですか!」
「大丈夫、大丈夫!
 みんな愉快ゆかいな人達だから」
 
「あなたが愉快なだけですよ!
 これは緊急事態です!
 すぐにアカウント消して、
 母星に帰りますよ!

「え~もうすぐ200万人~
 
「バカですか!
 あれほど注意されたのに…
 あれ?
 先輩、宇宙船は?
 宇宙船どこです?」
「宇宙船。
 そこにあるよ」
 
「え?どこですか?
 見当たりませんよ」
「ほら、目の前にあるじゃん」
 
「目の前?
 まさか…これ?!」
「気に入ったから改造した。
 さあ乗って乗って♪」
 
「イヤだ~~!!
 こんな宇宙船で帰るの…
 絶対嫌だ~~~!!!」
 
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 このお話はフィクションです。
実在の人物・団体・商品とは一切関係ありません。

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二月小雨
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