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猫の不思議④

仕事をしてた時は、
猫とは1日数分しか関わりがなかった。
 
両親の介護により、
一緒に過ごす時間が急に増えた。
 
それでも猫と仲良くなるには、
とても時間をついやした。
 
認知症の両親によって、
危機的な状況にある猫を何度も救った。
 
それでも猫はなつかない。
猫に恩返おんがえはないらしい。
 
父が猫の世話をしなくなり、
代わりに世話をするようになった。
 
それでもまだよそよそしい。
猫に社交辞令しゃこうじれいもないらしい。
 
どうすれば仲良くなれるか私は考えた。
 
仲良くしようと、
近づけば近づくほど逃げられる。
 
何かが不快ふかいなのかもと…。
 
ある朝、私はひらめいた。
 
猫に顔を近づける。
江口のりこさんのイメージで。
 
少し動揺どうようしてるようだが逃げはしない。
じゃあ、もっと細めて笑福亭鶴瓶しょうふくていつるべさん。
 
すると不思議とそれからは、
猫が私にくっつくようになった。
 
そしてさらに数日後。
私の部屋に住むように。
 
私がひらめいたのは、
畑や果樹園で見かける鳥よけ風船
 
ひょっとしたら、
大きな目玉が怖いのかと、
私は猫の立場で妄想した。
 
それから数年。
 
目を細めてゆっくりまばたきすることで、
猫との関係が良くなるということを、
イギリスで研究しているとニュースで知った。
 
これってもしかして…子供にも。
 
機会があったら試してみよう。
 
視線を落として…
笑福亭鶴瓶しょうふくていつるべさん
 
幼稚園の保育士さんのように。
 
きっと子供に好かれるのは、
ひとみ微笑ほほえんでるから…
 
なのかも…ね。


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