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小説に近いもの

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書いたもののうち、小説だと思うもの
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#ファンタジー小説

くつ屋のペンキぬり-15(小説)

「こればかりは信じていただくよりほかにありません」  男は、青年の目の奥のぎらぎらしたと…

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くつ屋のペンキぬり-13(小説)

 カウンターの一番奥、大小と色のさまざまな酒瓶にほとんど埋もれたような席へその青年は座っ…

くつ屋のペンキぬり-12(小説)

 聞きつけた場所まで行ってみますと、明るいうちから薄暗い、洞穴のような酒場でした。これは…

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くつ屋のペンキぬり-09(小説)

 室内に入るとすぐ、古い書物独特のつんとしたにおいが鼻を突きます。太陽のぎらぎらとした国…

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くつ屋のペンキぬり-07(小説)

 男は繁華街の真ん中を通って、時折脇道へひょいと逸れてみては、また真ん中の道へ戻ってを繰…

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くつ屋のペンキぬり-06(日記)

 その日はからりとよく晴れた、とびきり天気の良い日でした。この国はいつだって太陽がとても…

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くつ屋のペンキぬり-05(小説)

 それから三日か四日か、男は不要な持ち物を売っては今の住処に必要なものを調達して過ごしました。五日目からさらに十日ほどは、日雇いの仕事をいくつか紹介されて出かけてゆきました。下宿の主人が取り持ってくれた仕事もありましたし、例の若いペンキぬりが、男が倒れていやしないかと顔を見に来て紹介してくれた仕事もありました。  若いペンキぬりは、やれ屋根の点検だ、やれ材料の調達だといっては近くを通りかかってくれます。男は初めのうちこそ、この若い――若いといってもほかのペンキぬりと比べたとき

くつ屋のペンキぬり-04(小説)

 さあさあ、太陽の近くこの町で新しい暮らしの幕開けです。  とは言いましても、このとおり…

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くつ屋のペンキぬり-03(小説)

 紹介された下宿は繁華街から少し北に外れて、ごつごつとした岩場の上にありました。高台にな…

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くつ屋のペンキぬり-02(小説)

 男は大きな街へ着くや否や、さっそくその足で屋根づくりの職人を訪ねました。家々の丸屋根に…

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くつ屋のペンキぬり-01(小説)

 ある男が、砂漠近くの暖かい国へやってきました。身にまとう衣服を少なく、少なくしながらや…

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