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ふたしきの小説

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「ものかき筋トレ」作品たちです。 どうぞ読んでやってくださいませませ。 (ㅅ˙³˙)オネガイダカラサ
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2021年11月の記事一覧

掌編小説(23)『死活問題』

掌編小説(23)『死活問題』

「ごめん。俺、好きな人いるから」
「そうなんだ……じゃあ、仕方ない……よね」
「それに、君とは合わないと思うんだ。その——世界観が」
「なにそれ……」
 唖然とした表情の女子。これ以上かける言葉もないと思って、無言で立ち去った。なるべく早く、その場から離れたかったから。
 世界観が合わないというのは、別に言い訳のための抽象的表現というわけではない。
 幼い頃から何故か、俺には世界が歪んで見えた。

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掌編小説(22)『雨が止まないなら』

掌編小説(22)『雨が止まないなら』

 傘をひらけばいつも雨。
 それも土砂降り。
 傘をさそうがささまいが、どのみちびしょ濡れ。
 だから僕は傘を使わない。
 雨が降るなら降ればいい。たとえそれが止まない雨だとしても。

「あんたまたずぶ濡れじゃないの! 傘を使いなさいって言ってるじゃない!」
 お母さんが喚く。
「仕方ないよ。傘の中も雨なんだから」
「そんなわけないでしょ! いい加減うそはやめなさい!」
 僕はぐしょぐしょになった

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短編小説(1)『ホロウェイ(後編)』

短編小説(1)『ホロウェイ(後編)』

「それにしても、随分と遅い到着じゃないか。ウーフィ」
 燭台公は腰に手をあて、宿題を忘れた生徒を咎める教師のように狼を見下す。骸骨少年は恐る恐る、目の前の燭台頭に声をかけた。
「あの、あなたが燭台公ですか? ぼく、風船みたいな女の人にあなたに会うように言われて。ぼく、道に——」 
「なんだって? 君が少年を連れてきたわけじゃないのか」
「道に迷ったんです。ここに来れば……貴方に会えばどうすればいい

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