マガジンのカバー画像

小説「女子高生の平穏じゃない日常」

5
運営しているクリエイター

記事一覧

連載小説「女子高生の平穏じゃない日常」最終話

第4話 最終話「今日は、」

あの後、すぐに担任が教室にやってきて数学の授業を始めたので状況はなにも変わっていない。

授業中、異変に気づいた先生が「あれ、今日は金山が静かあなぁ」と褒めてるのか心配しているのか分からない言葉を掛けていが、
前の席の金山はそれにも答えず、50分間ずっと耳を真っ赤にしていた。

「やる。」
授業が終わるや否や、チョコを乱暴に私の机へ置き教室を飛び出して行った。
入れ替

もっとみる

連載小説「女子高生の平穏じゃない日常」第三話

第3話「波乱の教室」

翌日、沙穂と共に学校へ向かう。寮から学校までは歩いて15分。始業のギリギリに間に合えばいいので8時過ぎに出発した。
学校へ向かう途中のコンビニでお茶とお菓子を買うのが日課になっている。昨日金山に奪われたのは、この時買ったチョコだ。
 沙穂は小さいグミがたくさん入っているお菓子を買っていた。私もいつも買っているチョコのお菓子を買った。もちろんHORNは買わない。
そのまま学校

もっとみる

連載小説「女子高生の平穏じゃない日常」第二話

第2話「憂鬱な放課後」

「めっちゃ金山くんに絡まれとったね。金山くん去年もクラスで騒いどったらしいよ。」
「まじか、お菓子取られたしなんかヤバそうな奴だったね。若菜に助けられたー。」

「そうとー?なんか楽しそうに見えたっちゃけど。」
「え、ほんとに?めちゃくちゃ嫌だったよ!」

「そうなん?じゃあ良かった!」
「また明日ね!」

若菜はそう言うと、駅のホームへ駆けて行った。彼女は家から1時間ほ

もっとみる

連載小説「女子高生の平穏じゃない日常」第一話後編

第1話後編「席替えは大抵希望通りじゃない」

「え?してないよ。」

「なんや!お前変なやつやなー。なんか菓子持ってない?」

いや、明らかにこいつの方が変だろう。至近距離の大声で耳も痛くなってきた気がする。しかも、菓子ってなんだ。お菓子って言えよ。あげないけど。

助けを求め若菜の方をみるが、彼女はなぜか一人本を読んでいた。そういえば面白い小説があるって話してたな。

ん?いつのまにか金山が私の

もっとみる

連載小説「女子高生の平穏じゃない日常」第1話前編

あらすじ

少しひねくれた女子高生かなみが、席替えで前の席になった男子になつかれるてしまう。
目立たず平穏に学生生活を過ごしたかったかなみは、その男子のことをうるさいし強引だしと鬱陶しく感じているが・・・。
そんな二人のラブコメです。

第一話前編「席替えは大抵希望通りじゃない」

「ゆりえさ、まじキモくない?可愛くないくせに男好きとか可哀想っちゃけどー」

授業の合間の休み時間、特段話のネタがあ

もっとみる