引用日記 #1 高野秀行『間違う力』
「物語に登場する霊はじつによくしゃべる。たとえば、シェークスピア『ハムレット』に登場するハムレットの父王の霊。(中略)世間一般の霊はなぜ『ハムレット』の霊になり得ないのか。積年の疑問を、この番組の「霊能者座談会」という回のとき、私は有名な霊能者に直接ぶつけてみた。霊能者の答えは予想もしないものだった。「犯人側にも守護霊がいるから」と言うのだ。霊は一人ではない。たくさん、いる。守護霊というものも誰にでもいる。殺人を犯した人にもちゃんとついている。(中略)だから犯人を守ろうとする