引用日記 #1 高野秀行『間違う力』

「物語に登場する霊はじつによくしゃべる。たとえば、シェークスピア『ハムレット』に登場するハムレットの父王の霊。(中略)世間一般の霊はなぜ『ハムレット』の霊になり得ないのか。積年の疑問を、この番組の「霊能者座談会」という回のとき、私は有名な霊能者に直接ぶつけてみた。霊能者の答えは予想もしないものだった。「犯人側にも守護霊がいるから」と言うのだ。霊は一人ではない。たくさん、いる。守護霊というものも誰にでもいる。殺人を犯した人にもちゃんとついている。(中略)だから犯人を守ろうとする。(中略)そういう意味で『ハムレット』という物語は、文学としてはあまりに単純な構造といえる。現実の方がよほど文学的に深い。」高野秀行『間違う力』角川新書 2018 p. 90-93

この本は面白いです。ってベタですね。気楽に読めてスピード感もある。

一つ気になる、私が大っ嫌いな搾取とこの著者のスタンスがどう異なるかという点についてですが、(詳しくはX@4DoteidoP40参照)

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