習作 すごい死を描いてみよう

すごい死を描いてみよう

すごい死を描いてみよう
そんなの簡単だ
だって死はみんなすごいからだ
だって死はみんなすごい体
だって私はみんなすごい体

体は綺麗事
性はまやかし
生は立ちろぎ
ここで名詞は死んだのです
記念碑を建てて
花を捧げよう

すごい死を描いてみよう
聞いたことのある
しゅごい詩を描いてみよう

死なんて描かなくていいんだよ
そう言ってお母さんはご飯をくれた
お父さんはお金をくれた
犬はお手をして くれた
くれた わけじゃない
僕が要求した
世界に要求した
奪うのとどちらが正しいの?
何が違うの?
何も描かずに
ケーキを作ってそれを食べていれば
それでいいの?
パンがなくても
ケーキを作っていれば
それでいいの
あたしは
それでいいの
そう言いながら世界に要求した
ピンクと白と緑を要求した

ということを説明した
たどたどしい言葉は
わざと間違えたことを
誰にも言わなかった

そこで本は閉じられたのでもう世界は開かれる必要がなくなり答えを要求した私の体は別に名付けてもらわなくっても良くなり目の前の
目の前のなんだろうを
凝視することもやめ
目に映るものを描くのが
詩なんだと
正岡子規が言ってたっけって
言わなくちゃだったと
思い出すのだった

長い長い死
それが生
で合ってます?

聞くともなく最初から読み直した
いちにちを
なんと読みますか?
イチニチ
そこにはなかなか辿り着けなくて
飽きてきたので
愛 アム ぼあーど
な気がするって袖を引っ張ってお母さんに訴えたら

これで遊んでなさいって言われたので
世界で遊んでることにした

でも世界はどこにも描いたことがなかったのでどこにもなかった

まだ終われない
まだ始まらない
言葉遊びは1時まで

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