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個性ゼロの私が合格率0.8%の会社に内定した理由を考えてみた~24卒新入社員❷~
はじめまして。
株式会社ファンギルド24卒入社の“らいと”です。
私が内定をもらい、入社を決めた出版社ファンギルドの合格率は、なんと0.8%だったそうです。
ただ、タイトルにもあるように私は自分のことを個性ゼロで空っぽな人間だと思っています。
そのため、今回はそんな私の就活体験話と内定率0.8%の会社に合格をもらうために考えた武器のお話をさせていただこうかなと思います。
しばしの間お付き合いいただけますと幸いです。
プロフィール
T大学文学部史学科
T大学大学院文学研究科教育学専攻
漫画にドはまりしたのは高校3年生の時と…かなり遅咲きなほうでした。
仕事、なにしよう?
進路について真剣に考えだしたのは、大学院1年生の6月頃だったと記憶しています。私の中では…
① 出版社を狙う
② 大学院後期課程に進学する
の2択でした。(今振り返ると、とんでもない茨道を進んでいたなぁと)
自分の価値観を変えてくれた作品「鋼の錬金術師」の影響や漫画に救われた経験があったことから、結果的には「人の心に安らぎを与える物語をつくりたい」という目標を叶えるべく、出版社一択に絞って就活をすることに決めたのですが…。出版社就活(出版に限らず)を受けようとしている人であれば必ず直面するであろう大きな壁にぶつかることになります。
空っぽな自分の戦い方
・あなたらしさはどこに現れていますか?
・周りと差別化しましょう
・どれくらい漫画を読んできましたか? etc...
「自分らしさ」や「差別化」は出版社を受けている方、受けようとしている方、はたまた出版以外の就活生も、全員が直面する悩みなのではないでしょうか。かくいう私もその一人でした。周りを見渡せばみんなすごい経歴や個性を持っているように見えますし、それを目の当たりにすれば当然自分と比較してしまいます。「そんな個性なんてないんだよなぁ」「自分ってからっぽな人間なんだなぁ」と落ち込むこともよくありました。
おまけに高校から漫画を読み始めたぺーぺーな自分が、漫画に関する知識で勝てるわけもなく…。
それでも、自分の価値観を変えてくれた「漫画」に携わりたいという気持ちは絶対に諦めることができませんでした。
空っぽな自分に何ができるのか?
その答えを見出すべく、あらゆる伝手を辿って出版社で働く方のお話を聞きに行ったり、YouTubeで出版就活に関する情報をとにかく漁ったりなど、今の自分にできることを必死に考え、行動に移し、“自分なり”の武器を携える準備をしていました。
そんなこんなで私が辿り着いた武器が主に2つ。
1つ目は「相手の記憶に残ることをする」です。とにかく“相手の記憶に自分を残す”ことを意識していました。いかんせん、面接官の方々は1日に何人もの学生を相手にするわけで、一人ひとりの学生をちゃんと覚えていられる訳ではないのです…。
その対策として、例えば私は出版社の面接の日には『鋼の錬金術師』を鞄に忍ばせ、隙あらば見せるようにしていました。
また、ただ単に見せるだけではなく、その作品の見どころや好きなところを自分の経験と紐づけて伝えることを意識していました。例えば私は、この作品は「命の尊さ」を教えてくれる作品だと考えていて、そう考えるに至った背景を自分の経験とリンクさせながら伝えていました。
たまたま私の行動が功を奏したのでしょうか。これは後に人事の方から聞いた話なのですが、私は「鋼の錬金術師」を略して「鋼錬《ハガレン》くん」と呼ばれていたみたいです(笑)
まさに私の思いどおりでしたね。
「そんなことやってもいいの?」と思われた皆様へ、大丈夫です。
それをやった自分が今ここにいるので安心してください。
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本当に好きで、そのあたりを毎回面接で伝えていました。
そして2つ目は、「準備を怠らない」です。
至ってシンプルですが、一番熱意が問われる重要な行動だと考えています。
例えば出版社の面接では「作ってみたい作品ある?」という質問がされることがあります。もちろん皆さん作ってみたい作品のイメージはあるでしょう。では、その作品のイメージを…
・誰に描いてほしいのか
・描いてほしい作家さんの強みとどう繋がるのか
・その作品を届けたいターゲット層はどこか
・その作品の魅力は?
という具体まで落とし込んで考えたことはありますでしょうか?
もちろんこれは一例ですので、必ず聞かれるというわけではありませんが、自分の「やりたい!」という熱意をどこまで具体化して準備しておけるかというのは、非常に重要だと考えています。
自分が何をしたいのか?
その目標を達成するためにどんな手段を考えているか?
こういった深いところまで考えることができていると、周りとの差別化にもなりますし、熱意も伝わりやすくなるのではないでしょうか。
ちなみに私は、「嫌いな作品ある?」と質問されたことがあり…。とても肝を冷やした経験・記憶があります。こういった質問でも熱意は測れてしまいますし、想定できないわけではないので、準備不足だったなぁと反省していました。
出版社ファンギルドとの出会い
そんなこんなで出版就活を進めていくものの、やはり狭き門。ほかに出版社ないかな~と探していたときに見つけたのがファンギルドでした。
ファンギルドとの出会いはマイナビの新卒応募ページです。
皆さんおなじみかと思いますが、検索欄に「出版社」と打ち込み、ヒットしたものの中から応募先を探す。そこで見つけたのがファンギルドであり、それが初めての出会いでした。
ファンギルドの選考で特に印象に残っているのは「とにかく目の前の人を見てくれる」ところ。実はファンギルドの選考の前に私は意中の出版社を受けており、最終面接までこぎつけたのですが、意図がわからない質問を受け、よくわからないままに不合格となってしまいました。
それもあり、
「“らいと”さんの○○な部分が評価されてたよ!」
「なんでそう思ったの?」
「そういうところ凄くいいね!」
と、面接官や人事の方からかけていただいた言葉が、今でも鮮明に記憶に残っているのだと思います。
空っぽな私の武器を拾い上げてくださった、そんな環境だったからこそ
「ファンギルドで働いてみたい!」
と入社を決意したのでした。
おわりに
これは私一個人の考え方なのですが、出版社に絞った就活は”運ゲー”だと思ってます。まぁ…、運の要素があまりにもあまりにも大きいということですね。今回受かったファンギルドも、私の代は合格率が0.8%(広報の方が算出してくれました)らしいです。そして皆さんご存じの有名出版社は倍率約200~300倍なのだとか。見るだけで諦めたくなるような数字ですよね。
ただここでフェードアウトしてしまうのは非常にもったいないと思っています。これまた私の好きな漫画の1つである『スラムダンク』の安西先生の言葉を借りれば、
「あきらめたらそこで試合終了ですよ」
ってやつですね。
限りなく0に近い可能性を1%に、さらには10%にすることはできます。そしてその手段が、私にとっては「相手の記憶に残ることをする」と「準備を怠らない」という2つの武器でした。
この出版就活という名の“運ゲー”に勝つために。
武器がなければ補充するもよし、人から借りて自分流にアレンジするもよし。自分なりの戦い方を精一杯考えてみてはいかがでしょうか?
最後に私が就職活動の時に心の支えにしてきた言葉をお送りし、この記事を締めたいなぁと思います。学生時代に感銘を受けた政治学者ハンナ・アーレントがこんな言葉を残しています。
「考えるとは注意深く直面し、抵抗すること」
彼女はユダヤ人で、ナチの迫害を受けていました。「抗うためには政治を変えなければならない」と考え続けていたようです。文脈的には少し異なりますが、出版社就活においても同じことが言えるのではないかと思っています。今回の記事で私がしつこいくらい「考える」という言葉を繰り返してきたのは、彼女の言葉に影響されていたからです。
運ゲーに対して、どう抗うのか?
どうやって活路を見出すのか?
答えが見えなくても、考え続けて“自分なりの答え”を導くことが一番の近道なのではないか、と考えています。
ここまでお読みいただいた方へ、お疲れさまでした。そしてありがとうございました。
私の経験がこの記事を読んでくださった誰かの一助になれば幸いです。
そしてあわよくば、この会社でお会いできたら嬉しいです。
それでは。