短編その9 鯉に恋して、そばにいて
文字数:1,600字程度
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そのお寺の境内には、自然豊かな池があります。
その中に一匹、大きな錦鯉が住んでいました。全身が白に赤の鮮やかな模様、丸々と太ってもったりと動くその様は、池を見る何者も魅了していました。
そんな鯉は、先月からある女性に恋をしていました。
彼女は人間で、同じ脊椎動物といえども魚類の鯉とは種が違います。そうだというのに、鯉はその女性を好きになってしまいました。
「はあー