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結局、ブランディングってなに?

◯自己紹介


こんにちは。
ふくろう経営デザイン室と申します。
もともとグッドデザイン賞等を受賞したことがある一級建築士だったのですが、
中小企業診断士(経営コンサルタント唯一の国家資格)を取得し、
今では経営戦略とデザインの領域で、中小企業をサポートするコンサルティングをしております。

○「ブランディング」の定義や解釈は人によってバラバラ


「ブランディング」には明確な定義がある訳ではないので、解釈は人それぞれあって良いと思います。
しかし、いまや色々な人が様々な意味で使っていたり、〇〇ブランディングという派生語もたくさん生まれていて、その意味が捉えにくくなっている気がします。

「なんか色々と良いことがあるんでしょ」ということは分かっているけれど
「ぶっちゃけ、どんな意味かはそんなに知らない」って人、結構多いんじゃないかなぁという気がします。

そこで、ブランディングに関する本を色々と読んだり、企業や店舗等のブランディングの支援も行ったりする中で見えてきた

「だいたいこんな感じじゃないかなー」という私の解釈を説明できればと思います。

この記事を一通り読んでもらえれば、「ブランディング」の意味や進め方、効果がおおむねクリアになるはずです。


○ブランドとは「あの商品は他と全然違うね」と思われること


ブランドの語源って知っていますか?
8~14世紀の北欧で使われた、「焼き印をつける」という意味があるbrandr(ブランドル)という単語が語源と言われています。

放牧をしていた当時の北欧民が、自分の牛と他人の牛とが紛れてしまわないように、自分の牛に焼き印を押して区別をしたそうです。

ここから転じて、ブランド「他との区別がされている状態」という意味で使われていくようになりました。
一般社団法人ブランド・マネージャー協会においても、「ブランド」は次のように定義されています。

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つまり、この定義に従うと「あの商品は他と全然違うね」とお客さんが思っていたら、その商品は「ブランド」ということです。

「あの商品は他と全然違うね。」に加えて「好き。」と思ってもらえればその商品は売れるでしょう。
お客さんからこのように思ってもらうために、デザインや言葉、商品やサービスを工夫する活動のことを「ブランディング」といいます。


○ブランドはどのようにしてつくるのか?


では「あの商品は他と全然違うね。」に加えて「好き。」と思ってもらうためには何をすれば良いのでしょうか?

個人的に、一番分かりやすく、しっくりくるなと感じる概念はエイトブランディングデザイン 西澤明洋さんの「ブランディングデザインの3階層」です。

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(出典:https://www.8brandingdesign.com/service/)

頂点に経営戦略があり、
戦略レベルで考えた自社の強みやポジショニング等を商品やサービス(コンテンツ)に反映させて、
さらにコンテンツ良さを一目で解るように、ロゴやパッケージ、WEB、広告などにも反映させる。


この各階層に一貫した縦軸を通すことで、企業活動に一貫性のある方向性をつくり、「あの商品は他と全然違うね。」という状態にできる。

という概念です。


詳細は西澤明洋さん著「ブランディングデザインの教科書」に分かりやすく書かれておりますので、詳しく知りたい人はぜひ読んでみて下さい!

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では縦軸が一貫されていないブランドだとどうなるのか?


例①:自然食材のフレンチが強みの飲食店がジャンキーな中華料理ばかりの品ぞろえにしている(=戦略とコンテンツに一貫性が無い)


例②:女性をターゲットにしたショップなのに、外観やロゴやWEBが男っぽい(=コンテンツとコミュニケーションに一貫性が無い)


という状態になります。

例①は自身の強みを活かすことができていないため競合に負けてしまいますし、
例②はターゲットのお客さんが外観やロゴやWEBを見ても、「自分には関係ない店だわ」と思われてしまいます。

逆に、自身の強みを活かした「コンテンツ」を提供しており、さらにその「コンテンツ」をデザインされた「コミュニケーション」でしっかりと示すことができていれば、顧客はそれらから「違い」を感じることができるのです。


簡単に言うと、良いブランドは会社の「スゴイところ」を活かして商品やサービスをつくっており、さらにお客さんがそのブランドをサラッと見たり調べたりしただけでその「スゴさ」や「違い」が分かる状態になっているということです。

〇縦軸は「想い」から定める


ここで重要になると考えているのが「縦軸をいかに真剣に定めるか」です。
ブランディングは時間と根気のかかることです。
なので、この縦軸を「まあ、こんな感じか」とざっくり決めてしまうと、最初こそうまくいっても


「やっぱりやりたいこととちょっと違うかも」

と段々となっていき、
結果、軸がブレブレのブランドが出来上がってしまいます。

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なので、事業者自身の「想い」「ビジョン」「こだわり」「やりがい」「人に聞いて欲しいストーリーがある」「仕事をする上で大切にしていること」

そんな特別なものを軸にするべきです。


(私自身、ブランドの軸となる言葉を策定する支援を何社かさせていただいているのですが、なかなか簡単なことではありません。事業者さんの気持ちを深く深く読み解くために数時間に及ぶ打合せを何回も行います。心の底から「これがやりたかったんだ」と思えるものを言葉に表しましょう。)


○ブランディングの効果は?


私は大きくこの2つの効果があると思っています。
①長期的な利益
②長期的な幸せ

では、なぜこのような効果が出るのか?
それはこのような流れによると考えています。

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◯まとめ


いかがでしたか。
ブランディングがどういうものなのか、どういう効果があるのか
この記事を通して少しでも整理されれば幸いです!

このブログでは経営戦略やデザインに関する記事をアップしていきます。

更新頻度は少ないですが、その分しっかり推敲して、読むに値する良質な内容を提供していきたいと考えています。
ぜひ、定期的に読んでいただけると嬉しいです!

〇執筆者について

もともとグッドデザイン賞等を受賞した一級建築士・デザイナーだったのですが、ゼロから経営学を勉強し、中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格)を取得。
グラフィックデザイナーである妻と共にデザインに強い経営支援事務所「ふくろう経営デザイン室」を主宰しており、中小企業へ【戦略策定|新規事業開発|ブランディング|デザイン経営|販促ツールのデザイン制作】をサポートしております。


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