富山市役所 法務指導監 福島武司

弁護士資格を有する常勤職員として、2015年から富山市役所に勤務している者です。市職員…

富山市役所 法務指導監 福島武司

弁護士資格を有する常勤職員として、2015年から富山市役所に勤務している者です。市職員向けに作成した文書をアーカイブしていきます。

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「ワーク・ライフ・バランス」について個人的に思うところ

 2023年2月3日に富山市役所で行われた職員研修「仕事と家庭生活の両立支援セミナー」において、「ワーク・ライフ・バランスについて個人的に思うところ」と題して約30分間話をしましたが、その際にレジュメとして用意したものがこの文章です。 1 「ワーク」(仕事)と「ライフ」(私生活)の「バランス」?   まず、切り分けがおかしい。   私の考えでは、少なくとも以下の4つの切り分けが必要なはず。 ①睡眠、食事、排泄等、生理上最低限必要な行動  特に睡眠不足は脳に打撃(飲酒同様

    • ワークとライフに役立つネット記事(39)~恐怖のテレパシー上司、自己犠牲上司…じつは自分自身が一番困っていた

       今回の記事は、「日本人のビジネスリーダーは頑張り過ぎる人が多いが、結果に結びついていない。まずは自分の思い込みに気付く必要がある」と説いています。  記事の中では、多くのビジネスリーダーが持ちがちな「10の思い込み」が挙げられていますので、チェックしてみてください。  日本のビジネス組織では、仕事を最優先とし、プライベートを犠牲にすることが賞賛される風潮にあります。しかし、そのような状態が続けば、むしろ疲弊から仕事の効率が落ちて行きますし(明白な逆効果)、そもそも「自分は

      • ワークとライフに役立つネット記事(38)~気負わないリーダーの方が割とうまくいくワケ

         今回の記事は、「リーダーは格好を付けず、気楽に、自然体でいた方が良い」と説いています。  職場のリーダー(〇〇長)というのは、仕事を複数人で分担する上での一つの役割に過ぎず、「偉い」「高い」「上」といった担当する個人の価値を示すものではありません。  そもそも、リーダーはメンバーの力を借りなければ、絶対に成果を上げることはできません。いかに能力が高くても、一人でできるなどたかがしれており、他人と協力して初めて大きな成果を生み出せます。そして、他人(部下は他者、別人格)に協

        • ワークとライフに役立つネット記事(37)~「すみません」を言い換えるだけで幸せに!

           今回の記事は、「感謝」の気持ちがいかに大切か(実は自分の幸せのためにこそ)を説いています。  「すみません」を「ありがとう」と言い換えるだけで人間関係が良好になること、感謝を身に付けるには想像力が必要なこと、想像力が働けば当たり前は当たり前でないと思い出せること。  人から何かをしてもらった時、私もつい「すみません」「申し訳ありません」と言ってしまいますが、それを相手から見ると、謝らせてしまった(悪いことをした)形になります。そうではなくて、「ありがとうございます」と言え

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          ワークとライフに役立つネット記事(36)~強い情熱を持つメンバーのバーンアウトを防ぐ方法

           今回の記事は、仕事の情熱が燃え尽きを生むリスクについて警鐘を鳴らすものです。  仕事に対して責任感の強い人は、職場で頼りにされ、仕事が集中しがちですが、そこには大きなリスクがあります。マネジャーは、そのリスクを明確に認識した上で、適切なマネジメントを行う責任があります。  上司は、熱意あふれる有能な部下に頼ってしまいますが、その結果、部下が燃え尽きて職場を離脱してしまっては、組織は大打撃を受けることになります。仕事のできる部下にべったりと依存し、どんどん仕事を回すことは、

          ワークとライフに役立つネット記事(36)~強い情熱を持つメンバーのバーンアウトを防ぐ方法

          ワークとライフに役立つネット記事(35)~「雑談をしない」管理職が職務怠慢と言われる理由

           今回の記事は、「職場の生産性を高めるためにこそ雑談は必要」と訴えるものです。  この点、地方公務員第35条が「職員は、…その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職務遂行のために用い…なければならない」と規定することから、勤務時間中の雑談は職務専念義務に抵触するのではとの疑問を感じる向きもあるかもしれません。しかし、最高裁昭和57年4月13日判決における伊藤正己裁判官の補足意見は、労働者の職務専念義務は「その職務を誠実に履行しなければならないという義務であって、この義務と

          ワークとライフに役立つネット記事(35)~「雑談をしない」管理職が職務怠慢と言われる理由

          ワークとライフに役立つネット記事(34)~育休きっかけに“主夫”となった父親がいま伝えたいこと

           最近、この連載を読んでくださっている職員の方から、「所属の会議時間が長すぎる、1~2時間超えも当たり前で、非常に困る」というお話をうかがいました。  私見ですが、会議の参加者が集中力を維持できる時間は、最大30分です。会議時間が30分を超え、しかも同一のテーマを論じ続けているとすれば、もはや参加者の殆どは中身を聞いておらず、ただ座っているだけです。意見の交流はなく、自説に固執する若干名による一方的な演説会に過ぎません。極めて非生産的で、害悪を垂れ流す場(パワハラ的な)に堕す

          ワークとライフに役立つネット記事(34)~育休きっかけに“主夫”となった父親がいま伝えたいこと

          ワークとライフに役立つネット記事(33)~栗山監督「世界最強チーム作る"伝え方"」

           今回の記事は、2023年3月にワールド・ベースボール・クラッシックで日本代表を優勝に導いた栗山英樹監督の「伝え方」を、マネジメントの観点から分析したものです。    記事では、以下のように集約しています。 1 圧倒的なコミュニケーションファースト 2 徹底的にフラットな目線 3 「心理的安全性の高いチーム」を作る 4 風通しが良く、活発なコミュニケーション 5 「ツメ」より「ホメ」優先 6 ひたすらに謙虚 7 短く言い切る 8 「命令」でなく「問いかけ」 9 考えを押し付け

          ワークとライフに役立つネット記事(33)~栗山監督「世界最強チーム作る"伝え方"」

          ワークとライフに役立つネット記事(32)~リーダーは率先して自分のメンタルヘルスのストーリーを共有せよ

           今回の記事は、ビジネスリーダーに対し、自分のメンタルヘルスの経験を積極的に自己開示するよう促すものです。  筆者は、かつて不安障害や鬱で休職した経験があり、そこから回復できたのは「他のリーダーたちがメンタルヘルスの問題にうまく対処してきたことを知ったからだ」と語ります。そして、自分のストーリーを他者と共有するようになり、自分だけではなく、誰でも何かしらのストーリーを持っていることを知ったと言います。  記事では、リーダーが自分のストーリーを共有するための具体的な方法論が提

          ワークとライフに役立つネット記事(32)~リーダーは率先して自分のメンタルヘルスのストーリーを共有せよ

          ワークとライフに役立つネット記事(31)~バカンス大国・フランス流の働き方は日本のヒントになるか

           今回の記事は、フランス在住日本人へのインタビューであり、日本の働き方を見直すヒントを探るものです。  フランスでは年30日の有給休暇があり、高い取得率を誇るとのことで、かつては日本同様休めない国だったのが、国策として長期休暇取得が推進され、バカンス大国といわれるまでになったそうです。  記事での指摘のうち、以下の部分は特に重要だと思います。 ・誰かが休むと回らない仕事は、その人が「人質」に取られている。日本の場合、最もキーになるのは「属人化の解消」。 ・休める人が1人では

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          ワークとライフに役立つネット記事(30)~上司ができていない人として当たり前の行動

           今回の記事は、 「上司は、部下という他人に対し、当たり前の礼儀をきちんと実行できていますか?」 と問いかけるものです。  仕事は様々な人とコミュニケーションを取りながら作り上げるものであり、良い関係を構築するには自分が他人とどう接するかで決まる。礼儀正しい行動(子供でも分かる人として守るべきモラル)を取れる人が仕事を成功に導く。しかし、軽く考えて実行できない上司が驚くほど多い、というのです。  ポイントは、部下から上司への礼儀ではなく、「上司から部下への礼儀」です。日本

          ワークとライフに役立つネット記事(30)~上司ができていない人として当たり前の行動

          ワークとライフに役立つネット記事(29)~料理を毎日作ることの大変さ

           今回の記事は、総菜宅配サービスを展開する会社の社長が、家事について対談しているものです。  私は妻を亡くしてから13年ほど父子家庭だったので、「料理を毎日作ることの大変さ」を痛感しましたが(といっても当時夕食は私の母に作ってもらっていたので甘々です…)、炊事などの家事労働は、「誰でもできる」などと軽く見られがちです。特に、家事をまともに担った経験がない人(主に中高年男性)ほど、馬鹿にする傾向が強いでしょう。  長時間労働が当然視される社会は、それにより担えなくなる家事労働

          ワークとライフに役立つネット記事(29)~料理を毎日作ることの大変さ

          ワークとライフに役立つネット記事(28)~ハラスメント調査報告書

           今回取り上げるのは、「町長による99のハラスメントを認定する報告書が公表された」として大きく報道された、その報告書の原文です。  作成したのは弁護士3名からなる「第三者調査委員会」であり、巻末資料を含めて90頁に及ぶ分量があります。しかも、以下のように、非常に参照価値の高いものとなっています。 ・実際になされた調査妨害行為(怪文書など) ・調査結果の公表についての考え方 ・調査の手法 ・ハラスメント行為の類型 ・個別の行為の具体的な認定手法、ハラスメント該当性の評価 ・加害

          ワークとライフに役立つネット記事(28)~ハラスメント調査報告書

          ワークとライフに役立つネット記事(27)~鬼時短

           今回ご紹介する記事は、時短という組織改革に取り組むビジネスリーダーに求められる「覚悟」を論じた、「鬼時短」という本からの引用です。  著者は元電通マンであり、痛ましい過労自殺事案が起きた後、引責辞任した社長の後任から特命を受け、社を挙げた時短を牽引した経験を基に執筆されています。実は私の大学時代(教養課程)のクラスメートだったりしますが、彼がこんな大変な仕事に取り組まれていたことは全く知らなかったので、とても驚きました。  本の内容は、「こうすれば時短ができます」という安易

          ワークとライフに役立つネット記事(27)~鬼時短

          ワークとライフに役立つネット記事(26)~部下から徹底的な本音を得るコツ

           今回の記事は、上司が部下から「ネガティブなフィードバック」を受けることの重要性と、そのためのスキルを論じたものです。  そんなスキル必要ないんじゃ?と思った方こそ、記事をよく読んでいただきたいです。   記事で紹介された6ステップは、元が英語の文章であることもあって、理解が難しいでしょう。文化が違うと感じるかもしれません。しかし、だからこその気付きがあるはずです。  日本の組織は、正に「うわべだけの調和を重んじる文化」に塗り潰されている場合が多いでしょうが、それでは上司

          ワークとライフに役立つネット記事(26)~部下から徹底的な本音を得るコツ

          ワークとライフに役立つネット記事(25)~マジメな人ほどメンタル不調になりやすい

           今回の記事は、真面目な職員が自分で自分を追い込むことがないようにとの願いを込めて、取り上げました。  記事では、真面目な人ほど疲弊を深めていく心理的なメカニズムが明らかにされています。  また、休むための環境の確保には甚大な心理的コストが必要であり、そのような困難を生む要因として、「過剰適応」(周囲に配慮し、他者に調和することを重視しすぎて、常に気を張っている状態)が指摘されています。自分のニーズより他者のニーズを優先する精神状態であり、極めて疲弊しやすいというのです。  

          ワークとライフに役立つネット記事(25)~マジメな人ほどメンタル不調になりやすい