ワークとライフに役立つネット記事(31)~バカンス大国・フランス流の働き方は日本のヒントになるか

 今回の記事は、フランス在住日本人へのインタビューであり、日本の働き方を見直すヒントを探るものです。
 フランスでは年30日の有給休暇があり、高い取得率を誇るとのことで、かつては日本同様休めない国だったのが、国策として長期休暇取得が推進され、バカンス大国といわれるまでになったそうです。

 記事での指摘のうち、以下の部分は特に重要だと思います。
・誰かが休むと回らない仕事は、その人が「人質」に取られている。日本の場合、最もキーになるのは「属人化の解消」。
・休める人が1人では「自分は休めない、あなたは休めていいね」となってしまう。個人の資質や気の強さではなく、仕組みで皆が休めることが重要。

 ちなみに、記事には出てきませんが、日本生産性本部による「労働生産性の国際比較2023」によれば、就業者一人当たり労働生産性は、
・日本    85,329ドル(OECD38か国中31位)
・フランス 132,837ドル(同10位)
ということで、圧倒的に負けています。最近の円安により差はさらに開いたでしょう。
 心身を壊すまで働くことも珍しくない国が、毎年バカンスを楽しむ国に「完敗」なのです。どう贔屓目に見ても、日本のビジネス組織全体の在り方に根本的な欠陥がある(成果につながらない無駄だらけである)ことは明らかです。
 日本が30年間精神的に引きこもっている間に、アジアも含めた世界は加速度的に変化し続けています。もはや「よそはよそ、日本とは文化が違う」などと言い訳に終始している場合ではないでしょう。明治維新期のように謙虚に海外に学び、自己変革のエネルギーとして取り入れなければならない時代が改めて到来していると私は思います。