ワークとライフに役立つネット記事(33)~栗山監督「世界最強チーム作る"伝え方"」

 今回の記事は、2023年3月にワールド・ベースボール・クラッシックで日本代表を優勝に導いた栗山英樹監督の「伝え方」を、マネジメントの観点から分析したものです。
 
 記事では、以下のように集約しています。
1 圧倒的なコミュニケーションファースト
2 徹底的にフラットな目線
3 「心理的安全性の高いチーム」を作る
4 風通しが良く、活発なコミュニケーション
5 「ツメ」より「ホメ」優先
6 ひたすらに謙虚
7 短く言い切る
8 「命令」でなく「問いかけ」
9 考えを押し付けない
10 とにかく「楽しませる」
 
 それぞれの内容(特に栗山監督の実際の発言はマジで感銘を受けます)は、是非、記事で確認してください。最新のマネジメントスキルを自覚的に駆使されていたことが理解できると思います。現在63歳とのことですから、当然昭和の非科学的根性論のシャワーを浴びながら選手になったはずです。指導者に転じた後、継続的な学びによってご自身の認識とスキルをアップデートし続けてきたことが容易に想像できます。
 記事では、栗山監督の「伝え方」がチームメンバーから野球の喜び、楽しさを引き出したのであり、「伝え方」こそが組織・チームを変える原動力である、とまとめています。
 「万能感にとらわれ、上から目線で、自分の正解を押し付ける」昭和の指導者とは真逆のリーダー像が、ここにあります。
 
 記事では上記を「10の魔法」と表現していますが、中身は「魔法」でも何でもなく、極論すれば誰にでもできるはずの「対等で良好な人間関係の育み方」でしょう。ところが、組織のリーダーになった途端、こういう当たり前のことができなくなってしまいます。その最大の原因は、
 「リーダーである自分は結果を出して今の地位に昇った。経験に裏打ちされて常に正解を出せる。だからメンバーは黙って自分に従うべき」
という優越意識(もっと言えば、傲慢さ)ではないでしょうか。
 凡庸な優越意識を自覚的に克服し、常にメンバーに対して謙虚であり、メンバーも含めたあらゆる方向から学び続けること。これこそが、リーダーに求められる「器」です。