広里ふかさ(ひろさと ふかさ)

短歌をやっています。(2017.8-)/ かりん(歌林の会)会員(2022.2-)/ 日経新聞歌壇、読売新聞歌壇、毎日新聞歌壇などに投稿しています。NHK短歌にも、たまに。 NHK全国短歌大会近藤芳美賞(連作)(3回入選)。

広里ふかさ(ひろさと ふかさ)

短歌をやっています。(2017.8-)/ かりん(歌林の会)会員(2022.2-)/ 日経新聞歌壇、読売新聞歌壇、毎日新聞歌壇などに投稿しています。NHK短歌にも、たまに。 NHK全国短歌大会近藤芳美賞(連作)(3回入選)。

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    こんにちは。広里ふかさです。

    多くの方がたくさんの作品を発表されている中で、今日は、このページを訪れてくださって、ありがとうございます。 広里ふかさ ともうします。 ひょんなことから2017年の夏から、短歌を始めました。それまでの二十年くらい(二十代のころは)、他人の趣味、、と思っていたものが、いろいろな物事のタイミングで、不意に目に留まり、自分の趣味になったという経緯はすこし不思議なものです。 「ひろさと ふかさ」は筆名です。その昔、学生のころだったか、いろいろペンネームを考えた結果、なるべく透明

      • 2023年 入選短歌のまとめ(年内更新中)

        走り去る駅のホームに置いてきたあなたのくれた小さなツリー (NHK短歌テキスト2023年2月号   2022年12月の入選歌 江戸雪先生選「プレゼント(クリスマス)」佳作) 算数の問題みたい通信をしながら列車ですれ違う瞬間 (日経歌壇 穂村弘先生選 2023.1.28)

        • 『かりん』2022年12月号掲載作品

          今はもう追いかけないな昔ほど熟して落ちる夢見る気持ち 轢かれても助かるような悪運が強いと言われそうかと思う 温かいカフェオレ飲んで過ぎる時間 窓の外には九月の祭 先の夢告げてふられた恋だから未来に空いた時間が出来た それぞれに綺麗な人が半ダース並んで座る東横線で 毎日に新しい夢しのばせて一時間でも旅先になる

          • 『かりん』2022年11月号掲載作品

            友だちと眉間のしわを話題にすこの友情も三十年ごし 返本は書架と書架とのあいだ縫い知識のかけらを置いていくとき シリーズの一冊目だけ汚れてて多いと思う挑戦者たち 図書館で汚れた本は良い本で読者の跡が人気を語る 近すぎて寄りにくかったギャラリーにひと部屋ぶんのこころの震え パイを焼く香りにこころほぐされて息をすること楽しみはじめる

            フィクション (2017年作品)

            スタジオで微笑む写真をまた見つめ ゆかりの糸を 宙に手探る 水無月に艶めく石の輝きが後には只の幻ひとつ 無理矢理とおどけた彼女に「いいね!」する君が寄り添い私をはじく 来る別れもっと早くに言い出せば彼から言われず痛みも軽きか 新聞のニュースメールが鳴らしてる別れ以降は朝の着信 京都より君がくれたる手ぬぐいの店を見つけて 記憶上書く 絨毯にきらりと落ちた一粒は何処からか来て忘れられたか 距離越えて移動したぶん想い出に今日はピリオド打てる気がする 八月を彼方に高く

            【詩】 雑踏

            ある人がある人の足を踏んだ  踏んだ側は謝ったけれど 踏まれた側は痛いと言った 何もできず困った 踏んだ側はどこか次の場所へ立ち去った 踏んだことはすぐに忘れられて 踏まれた痛みを忘れるには 多分それより時間がかかる 謝っても痛みは消えない 許すには時間がすこし余計にかかる だから気をつけて 人を傷つけないように 自分の身をコントロールして 傷つけられた側の痛みは あなたが忘れた後も残りやすいんだ あなたの受けた痛みは あなたが忘れることで消える それは相手を

            『かりん』2022年10月号掲載作品

             心臓の音を聞かせてほしくって寄り添う影となりたいきみの これからはもっと素敵なひとに逢う あなたのことは二番目になる 生きていて つい気がついて消えそうで くしゃみのようにメモした言葉 必要とされているかはわからない けれど心配する人はいる 午前九時 魔女は昔のリケジョだと化学の棚で気づくタイトル 文と理は分けられそうでそうじゃなく私の身体で繋がっている

            『かりん』2022年9月号掲載作品

            「人は皆、独立行動」そう言われ育ったわたしもひとりで暮らす 朝食のフレンチトースト甘すぎて追えないままの昨日みた夢 さよならのつもりで伝えた「ありがとう」振り向くあなたに戸惑っている そのままで安らぐことの満ちるときカップを受ける皿のしずけさ 愛したい愛されたいと気づく朝ひとりで居ても飽きないけれど ほかのひと愛すあなたも好きだろう私の好きを伝えたあとも

            『かりん』2022年8月号掲載作品

            戦争が無ければきっと出なかった岩波『世界』の臨時増刊 憧れる仕事を任せてしあわせは? 自動音声ニュースの憂鬱 柄のないことが一番気に入ってさいごに選ぶ真白い食器 さまざまな呼び出し音鳴るサービス課 電話、カウンター、書庫エレベーター 新緑の祭りの声が溶けこんだカップで光るきんいろの風 記された文字は読まれる時間まで閉じた世界をはこび続ける

            『かりん』2022年7月号掲載作品

            目覚ましの音を変えた日よい夢のよいところから引き戻される 坂下の美味しいパン屋の青い屋根 別れを知らせる黒板ひとつ 変わりゆく青信号に駆け出せずもうひとつ待つ私の好機 ほしいものリストを眺め考える向上心は買うことだろうか 誘われた寄席で笑顔を取り戻す毘沙門天の御利益ひとつ さざ波の聞こえる部屋にひとり居て今日という日を紅茶に溶かす

            『かりん』2022年6月号掲載作品

            人生の何割くらいを片付けに充てているかと夜更けに思う いつの日もひとり暮らしは旅に似て出かけなくとも心をいやす 戦争も越えた時代の上野リチ描きし色のあかるい愛しさ 自らに作ったものは全部食べ使ったお皿もひとりで洗う 朝きいて素直な脳に染みついたリフレインするニュースの言葉 背表紙に亡き人の名が微笑んで返本をする右手が止まる 友が逝きいまも私は生きていて彼女の望んだ朝を見ている

            『かりん』2022年5月号掲載作品

            恋してた時のメールを見つけ出し冷めた紅茶のぬくもり僅か 透明でかたいところが似ていると言われてもらったクレーの絵葉書 連れられて通った桜並木でも別方向を見てたねふたり 曖昧に毎週会って合わせてた別れるときははっきりしていた 始まりも終わりもスマホで決まる恋片手の上でやがて冷えゆく 北風に輝きを増す月の夜 心に残る影をさらって

            『かりん』2022年4月号掲載作品

            あたたかな場所を探したバラ園で花は光に首を伸ばして いつの日も空を映した海の色ほんとの青は宇宙のかなた 過去は過去、未来はいまの積みかさね、溶けた氷がくるんとまわる さわれないお金のほうが好まれて変わりはじめる世界のつづき ひとりきり貴方の写真をながめてもあなたは私を思い出さない 背伸びしてたぶん告げない恋がある最上段の全集そろえて

            2022年 入選短歌のまとめ

            なぜかしら結婚していく男たち私の次にできた彼女と (日経歌壇 穂村弘先生選 2022.3.5) メルカリの引越しセールが増えてきて春の気配をスマホで覗く (読売歌壇 黒瀬珂瀾(からん)先生選 2022.4.18) ふと触れたゆびさきのこといやでなくそのまま時を受け入れている (NHK短歌テキスト2022年6月号   4月の入選歌 江戸雪先生選「恋のはじまり」佳作)  丑(うし)の日にうなぎはあるけどレトルトで賞味期限の納豆食べる (毎日歌壇 米川千嘉子先生選 

            図書館のバックヤード (2018年作品)

            大学で学生先生いずれでもなく働く席が図書館にあり 階段をぐるりと降りて本の海タイトル探し書庫を泳がむ 東から射し込むひかりを浴びて待つカバー外した素顔の本たち 書架にある数万冊の一冊も読めずに並べる時間が過ぎる しっとりと物言いたげな和書ひとつ手にし開けば付箋見つけたり 挟まれて茶色い影に焼きついた頁のあいだの五十年前 色あせた本の背表紙並べれば昔の「最新」おり重なりたる 背ラベルのひとつひとつを塗る作業二十年後も残るだろうか ページ繰る仕草たちまち探るのが奥

            2021年 入選短歌のまとめ

            きみの名を名乗る彼女の姿みて今いる場所の時計をみてる (日経歌壇 穂村弘先生選 2021.5.8) 坂道をのぼると夏が近づいてセーターの袖まくる午後二時 (日経歌壇 三枝昂之先生選 2021.6.5) 他の人とかわす言葉を聞きながらあなたのいのちに頷いている (日経歌壇 穂村弘先生選 2021.8.28) 腕時計はずして君を想うとき蝉の声さえ遠くなる夏 (日経歌壇 三枝昂之先生選 2021.9.25) マンタとかジンベイザメを見るように部長に出会い挨拶をする