『かりん』2023年8月号掲載作品
教会の花壇に咲いたチューリップ 花束みたいで歩み止め見る
金曜にたのむ梅酒のソーダ割り 下げた頭の回数ぶん、泡*
写真とる音がひびいて感動がこの絵にあると展示室(へや)に伝わる
ゴーガンの明るく揃った筆捌き百年むかしのひかりを留めて**
かきつばた観に来てみれば根津の庭つらぬく風に緑ざわめく
青空を溶かしたようなキュラソーに南の海を思い出す夏
*: かりん9月号「前月号の十首 Ⅲ欄」にて齋藤芳生氏の選をいただいた。
** : かりん9月号「前月号作品鑑賞 Ⅲ欄」にて貝澤駿一氏のコメントをいただいた。
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