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『かりん』2024年4月号掲載作品

さやさやと北風に鳴る欅たち澄んだ季節の潮目にふれて

閉じ込めたむかしの自分についた嘘 放してやれば薄荷の吐息

飛び立った乗れない翼を思うより次に来たのに乗ればよいだけ

血と汗の返却本が山と待つ試験期間の大学図書館

書架をみる遠くのほうから近くまで漁師が海をながめるように

「こんばんは」アプリの表示が告げる夜カーソル瞬き入力を待つ


※2024年3月下旬、かりん には退会届を提出しました。
今まで多くのことを学ばせていただき、ありがとうございました。
(歌稿は既に送っているので、5月号まで掲載されるかもしれません)

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