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課題設定力

以前、「AIで社長は採れない」というタイトルの投稿をしました。下記の趣旨でした。
https://note.com/fujimotomasao/n/n37f70d686652

「AIによる採用は、AIにとっての判定の基準があることが前提になる。「○○の業務は、こういう資格を持っていて、こういう経歴があって、こんな行動特性を持っている人が成功しやすい」という過去の勝ちパターンが明確化しやすく、かつそれが今後も続く仕事であるほど、判定の基準が作りやすくなる。そうした基準の作りようがない非定型業務の極みを担う社長の採否を、AIが判定はできない。経営者のみならず、やるべきこと・やり方が決まっていない非定型業務を担う思考力・実行力が高い人材ほど、これから先も求められ続ける。」

同投稿に対して、質問をいただきました(質問をくださった方、ありがとうございました)。質問は、次のような内容でした。

~~「やるべきこと・やり方が決まっていない非定型業務を担う思考力・実行力」を養うためにはどのようなことをすればよいでしょうか?~~

この問いに対する私なりの意見としては、「課題設定」を繰り返していくことです。

「課題」とは、「あるべき姿」と「現状」のギャップのためにするべきことです。あるべき姿と現状が定義できないと、課題(取り組むべきこと)が定義されません。そして、(現状の的確な把握・分析ももちろんながら)特にあるべき姿の定義が重要になります。

あるべき姿の定義は、ミッション(目的)・理念(価値観)、ビジョン(中長期で目指すべきゴール)の掛け合わせにより見出されるものと言えます。そのためには、目的・価値観の深掘り・深い理解や、中長期で想定される組織内外の環境変化を仮説立てることが必要になります。そして、このことは企業などの組織だけではなく、個人の単位でも当てはまります。キャリアや生活設計などです。

目的・価値観の追求や環境変化の仮説立てを、身の回りの仕事や私生活で小さな一つひとつのタスクレベルのことから、組織全体の大きなことまで、その人の立場に合ったもので実行し続けることが、課題設定力の強化→非定型業務を担う思考力・実行力につながることだと思います。

例えば、今所属している社内の営業チームがなんとなくうまくいってないと感じるならば、そのチームはそもそもどういう目的のために存在するチームなのかを改めて考える。チームメンバーはどんな人であるべきかを考える。そのチームが半年後にどんなことを達成していたいか・いるべきかを考える。そのために取り組むべき課題は何かを決める。このようなイメージです。

こうした課題づくりを、個人単位の小さなタスクレベルでもやり続けることが、課題設定力を高めることにつながると思います。例えば(適当な例ですが)、今日の昼休みを自分にとって最高の時間にするためにはどのような過ごし方をするべきなのか、それはなぜなのか、といった具合です。

・疲れていたから何となくゆったりしていたらいつの間にか午後の始業時間が来てしまった。
・何も考えず同僚と食事に出かけ、みんながAランチを頼むので何も考えずAランチにした。今一つ、食べたかったものではなかったかもしれない。

これらが、自分なりに何かを仮説立てた結果、そのような時間の使い方をしたいという意思に基づくものなら、それもよいと思います。逆に、そうではなく、特段の意志もなく気づいたらそのような時間の使い方という結果になっていただけ、であるなら、そこには何の課題設定もありません。

このような小さな仮説立て・意思決定の練習を積み重ねるのと、思考停止状態で与えられた刺激に反応するだけを繰り返すのとで、課題設定力は雲泥の差になるはずです。

何でもかんでも個別具体的に指示出しし、与えられた問題に対する解答を求める教育だけだと、この課題設定ができる力が広がらないでしょう。「選べない人が多い」「自分が取り組むべき課題を決められない人が多い」などと聞くこともありますが、訓練次第である程度はできるようになるものです。的確な課題を見出す力が高まれば、非定型の業務に対しても自分が何をするべきかを的確に定義することができることになります。

他方で、まだ何もわからない新人に対して、抽象度の高いテーマでいきなり「課題を設定せよ」というのも無理がある話です。そのような場合は、個別具体的な指示を与えてその通りにやってもらい、目の前の実務力をまず高めることに集中してもらうべき段階かもしれません。相手の成熟状況を見極めながら、適切な役割が何かの定義をしていくことも、マネジメントに求められることのひとつだと言えます。

自分自身に対する自己研鑽や、部下・後輩に対する育成などでも、留意しておきたい視点だと思います。

<まとめ>
日常の小さな場面から、課題設定の練習を積み重ねる。


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