見出し画像

歩くことの目標設定

私は、月に1回の頻度で、かかりつけのカイロプラクターAさんのところに通っています。身体のゆがみの現状確認と矯正、その日以降日常生活で気を付けるべきことの理解、行動目標の設定のためです。

Aさんの観察結果は実に的確で示唆的です。(私の理解に基づくため、医学的な正確性は保証できません。考え方のご参考になれば幸いです。)

先日、いつもの通り「両手を上げてください」「片足ずつ上げてください」などの動作をとった後、その様子を見た上で以下のお話をされました。

「少しやせましたね。やせたこと自体はよいですが、運動が伴っているわけではないようですね。体重が落ちた分筋肉も落ちていて、体脂肪率はほとんど変わっていないイメージです。それが動作にも表れています。食事の量は落としたが、運動は増やしていない、そんなところでしょうか。」

まだ何も説明はしていませんが、いつもの通り的確な見立てです(その通り)。
まとまった時間をとっての運動がなかなかできていないが、歩く量を意識的に増やしている、それもなるべく速歩きに取り組んでいると伝えたところ、以下のお話がありました。

「速歩きもよいが、歩幅を長めにとって少し大股で歩くとよい。大股で歩くことは、足のいくつかの部位の筋力が上がるので、筋力強化の観点で実は有効である。速歩きも筋力強化と有酸素運動の観点で有効だが、アテにならない。なぜなら、信号機で立ち止まったり自転車をよけたりすると徹底できないから。よって、大股で歩く方をお勧めする。」

さらに話を進めて、「歩幅○○センチ」だと歩いている途中に長さがイメージできないため、「藤本の感覚での『いつもの歩幅』より、1.5倍のイメージで歩幅をとって歩く」ことを行動目標としました。実践してみると、確かに筋肉を使う実感があります。

ここには、行動目標の本質に関する重要な示唆が含まれていると思います。

・自分以外の要素(信号機など)如何で実行できなくなるような行動目標ではなく、自らの意思と実行で達成可能な行動目標にしたほうがよい。

・よく言われるKPIが、自分・自社の状況にとって本質的に妥当とは限らない。
⇒「1日1万歩」などの歩数が健康づくりのKPIと言われるが、上記目的に沿って筋力増強にフォーカスした大股歩きを取り入れた場合、歩数は下がる。逆に小股歩きすると歩数が稼げるが、実現させたい状態には近づかない。よって、歩数をKPIにするのは、今の私には合わない。

「〇人」「〇件」「〇%」など、一見するとKPIとして適切に感じられる指標を目標化することや、結果の報告がなされて一喜一憂していることは、日常的によくあります。しかし、上記私にとっての歩数のように、それが妥当でない(むしろ逆効果を生む)指標になっているかもしれません。それらの指標にどんな意義があり、本質的に役立っているかを振り返っておく必要がありそうです。

「KPIのミスリード」が、身の回りにいろいろと転がっていそうであることを改めて感じた次第です。

<まとめ>
今の環境下と目指すべき状態に合った本質的なKPIか、振り返ってみる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?