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生活すること

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生きるって何だろう?それは生活することなのではないだろうか────30才で伊東市にある海の街へ移住して感じたことを書いています。
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2023年12月の記事一覧

海の街へ移住したら

海の街へ移住したら

伊東へ移住して1年が経ったので、今しかないこの新鮮さをパッケージングしておくためにも、初めの1年で起きたことをまとめておくことにした。

伊東市は約半分が国立公園になっていて、国際観光温泉文化都市にも指定されている自然豊かな街。私が暮らしている「新井」という場所は、特に古い街並みが残っている漁村で、道端で干物が干されているのが当たり前の風景。高齢化が進み、空き家も増えているけれど、私がここでしか感

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静けさと淡さの中で見つける自然界からの便り

静けさと淡さの中で見つける自然界からの便り

朝、目が覚めると心臓がバクバクしていた。昨晩は家が揺れるほど風が強く、ドオッと風音が鳴るたびにドキッとする。まるで台風のようなこの風は、時折りこの街で吹き荒れる。家が吹っ飛ばなかったことに安堵し、いつものようにコーヒーを淹れた。風は少しおさまったようで、鳥のさえずりや、トンビが気持ちよさそうに鳴いているのが聞こえる。観葉植物の葉は静かにカサカサと音を立て、ブラインドから差し込む陽と共に揺れている。

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余計なことでしか埋まらないもの

余計なことでしか埋まらないもの

この街へ移住して1年が経った。部屋を見渡すと、随分と物が増えたように思う。東京の1Kの部屋から持ってきた物たちは、今いるリビング内だけにすっぽり納まり、こんなに広い家を一人でどう使いこなそうかと思ったけれど、当時の私はその荷物のようにコンパクトに縮こまってしまっていたのかもしれない。頭の中はいつも活動のことばかりで、典型的なワーカホリックだった。今では朝一で豆を挽いてコーヒーを淹れたり、野良猫がベ

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結果を捨て去った日常は広がり続ける多彩な世界

結果を捨て去った日常は広がり続ける多彩な世界

結果をあまり気にしなくなった。というか結果を想像しなくなった。というか結果が伴うことをしなくなった。今できることを淡々とやって、あとはどうにかなるさとお気楽な感じでいる。もうちょっと考えた方がいいのではないかと思うことはあるけれど、そこには背伸びをした自分か、背伸びが足りないと落ち込む自分か、もっと背伸びをしなくてはいけないと鼓舞する自分がいただけだった。結果のことを考えると、その結果に対して今の

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