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東北・北海道

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2023年11月の記事一覧

修験の出羽三山にみた、原始宗教の迫力

修験の出羽三山にみた、原始宗教の迫力

 奈良の大峯山、九州の英彦山とともに修験道の三大聖地とされる出羽三山には「生まれかわり」の信仰がある。先人は「生まれかわり」をどう信じたのか? ぼくらも生まれかわれるのか?……そんな興味をもって、2023年11月におとずれた。

羽黒神社 御神体の池に数百枚の銅鏡

 宿泊した鶴岡の町から羽黒山にちかづくと、そのふもとに手向(とうげ)宿坊街がある。鳥居のような冠木(かぶき)門をそなえた「○○坊」と

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西廻り航路の起点・酒田にのこる北前船の記憶

西廻り航路の起点・酒田にのこる北前船の記憶

 酒田市をはじめて意識したの1774軒が丸焼けになったという1976年の酒田の大火だった。その後、防災対策で道路を広くしすぎて殺風景な街になった、と聞いていたから、街を歩く気になれず、いつも素通りしていた。今回は「北前船」の痕跡をたずねることにした。

北前船でかせぎ、土地に投資

 市役所駐車場に車をおき、工事中の「鐙屋」をながめてから本間家旧本邸(見学料900円)を見学した。
 間口が幅33.

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昭和世代の生きざまの物差しになる土門拳の作品群 土門拳記念館(酒田市)

昭和世代の生きざまの物差しになる土門拳の作品群 土門拳記念館(酒田市)

13万点の写真を収蔵

 鶴岡を後にして、鳥海山をながめながら北上する。海辺から長い裾野を形づくってそそりたつ山は典型的な神奈備だ。
 30分ほどでたどりついた最上川の手前の公園の一角に、コンクリート打ちっぱなしの安藤忠雄建築を思わせる「土門拳記念館」(山形県酒田市)はあった。
 1983年に開館し、土門拳の作品約13万5千点を所蔵し、ライフワークだった「古寺巡礼」「室生寺」「ヒロシマ」「筑豊のこ

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ウルトラマンとゴジラの町に見た「戦後」の集合意識

ウルトラマンとゴジラの町に見た「戦後」の集合意識

 福島県須賀川市の小さなビジネスホテルに泊まった夕方、「帰ってきたウルトラマン」のメロディーが町中にながれた。朝は「ウルトラセブン」だった。
 そうだ、ここは円谷英二の出身地なんだ。「円谷英二ミュージアム」を訪ねることにした。

 役場から歩いていくと、道路沿いのあちこちにウルトラマンやセブン、エレキング……の像がたっている。

「ette テッテ 須賀川市民交流センター」は図書館やら学習ルーム、

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