パーソナルトレーナー藤井自伝161

実は「お腹が空いたから食べる」は太りやすかった


今回は食事のとり方、タイミングについて話していく。
1日何食が良いのか論争はたびたび起こるが、空腹になったタイミングで食べるのがベスト、なんていう話も出てくる。
一時期は自分の実体験も踏まえて、腹が減ったら食うというのを勧めている時期もあったが、これはある程度食事に関してバランスがとれてコントロールできている人に限ることだと気づいたのもあり、時間栄養学にも基づいてお伝えしていく。

悪い意味でお腹が空いたら食べるを体現してしまっている人がいる。
この場合は逆に太りやすい食生活になるのである。
それは、いつも食べる時間が不規則な人だ。
例えば朝食べたり食べなかったり、そもそも不規則な生活をしていて本来お腹が空いても良いタイミングでも、空いてこなかったりなども同じことが言える。

そういう方は、逆に食べすぎてないはずなのになぜか太ったりしてしまうこともしばしばあるのだ。
じゃあなぜお腹が空いたから食べる、という習慣は太るのか、というところに触れていく。
この食生活をしていると、太りやすい夜の食事時間の食欲の増加や、自然とオーバーカロリーになってしまう原因にもなるのである。

例えば、日中の時間あまり食べないのに、夕食だけはたくさん食べる人だったり、口寂しいと、常に何か口にしてしまったりと、腹が減ったら食べるを悪い方で体現してしまう。
その理由として、食事の時間を決めていないことによる不規則な食事摂取により、体内時計のリズムが乱れ食欲のスイッチや消費のスイッチが実際の時間とバラバラになる、体内での時差ボケ状態になってしまっているためである。
これは1日の時間と脳の主時計、そして各内臓器官にある抹消時計がそれぞれズレてしまっている状態だ。
活動やそれに伴う消化吸収、代謝などそれぞれ連動して初めて機能する各器官がバラバラにだってしまうのだ。

これは本来の時差ボケをイメージするとわかりやすい。
例えば、連日徹夜をしたりして一時的に昼夜逆転の生活をした時は、体の感覚や食欲がおかしくなりますよね。
力が出なかったり、変なタイミングで眠くなったり、過剰に食欲が出たり、疲れやすかったり、と体内時計がズレて体本来のパフォーマンスが出せないでいるためだ。

海外旅行の時差ボケも全く同じ仕組みで、体のあらゆる機能がブレる、パフォーマンスが低下するのである。
もちろん体のパフォーマンスが低下しているため、ダイエットでいうところの代謝も落ち、体も疲労を溜め込みやすいため、回復するためにハイカロリーな食事やすぐにエネルギーになる糖質、つまり甘い物なども求めやすくなり、脂肪も溜め込みやすい状態になるのだ。

そしてその体内時計のリズムを作り出す大きな役割が食事だ。
体のエネルギーであるから、体にとって重要なものである。
だからお腹が空いたら食べる、という不規則な食生活は、体内時計のリズムが乱れ時差ボケ状態になり、太りやすい生活習慣になってしまうのである。

解決するためには体内時計のリズムを整える必要がある。
もちろん規則正しい食事にすることが一番だが、最も影響力のあるタイミングは朝食である。
まずは3食全てではなく、朝食をとる時間を一定にすることが手っ取り早いのだ。
特に起床後1時間以内に食事を取ることは体内時計のリズムを整える効果が非常に高くなるのである。

注意点として、インスリンが体内時計を調整する役割を持つため、主食を食べること、そして食事と食事の間の時間を6時間以上空けないようにすることが大事である。
体内時計のリズムが整うだけで代謝が上がり、消費しやすい体になり、自然と食欲も落ち着くのでダイエットしやすい体質になってくる。
いまダイエットが上手くいっていない人はまず朝食のリズムから規則正しく整えていくことが成功への近道である。

続く

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