不動産のお仕事に役立つ雑誌。2022年完全版~後半~
2022年も残りわずかとなりました。皆さまは、どんな1年でしたか?
不動産流通研究所は2022年7月号で創刊40周年を迎えました。
関連して、周年ロゴを作ったり、
新たなチャレンジとしてnoteを始めてみたりと…
変化が大きい1年だったように思います。
noteでは『月刊不動産流通』の過去記事・先週最も多く読まれた"不動産ニュース”👑まとめ・『月刊不動産流通』最新号の試し読みを掲載中です!
創刊40周年ということでTwitter(@fudosanryutsu)にも力をいれています🔥平日18時のニュースツイート・noteの更新お知らせに加えて、注目の新施設やマンション・不動産業者の面白い取組・不動産業界の動向/速報などをつぶやいています📊✔
(まだの方はフォローをいただけると大変うれしいです😊🎀
★2022年度の月刊不動産流通総集編~後半~
今回は、そんな月刊不動産流通2022年発行号の総集編として
1月号から12月号まで全12冊分のメイン記事を紹介します。
今回、後半の記事では7月号から12月号までを紹介。
→前半の記事はこちら
全て試し読みを公開するので、ぜひお時間があるときにお読みいただき、
来年以降の営業戦略にお役立てください!
▶7月号
\業界トップの本気予想。/
「創刊40周年特別企画:未来予測2030・2050」
7月号では、創刊40周年を記念した特別企画を掲載。これまでの40年と比べ、ますます世の中の変化のスピードが加速していくように思われる次の40年。近い将来の2030年、さらに先の未来の2050年、不動産業やまちの姿はどうなっているのでしょうか。業界トップや有識者の方々に予測していただきました。
★未来予測30
「『人の時代』がさらに進化」
(株)大京穴吹不動産(東京都渋谷区) 代表取締役社長・森本秀樹氏
同じものが2つとない既存住宅の中から、営業担当者がユーザーのニーズに適した物件を探し出して提案する不動産流通事業の本質は「人」にあり、企業規模を問わず人材育成が最重要テーマであるということは2030年に
おいても変わらないと思います。今後、既存住宅の流通がさらに活発化するといわれる中で、各企業が社員の知識、業務スキルと質の向上をより一層追求し、より顧客満足度の高い不動産流通業が求められています。そのため
に、社員が満足して働きやすい環境づくりなどを進め、スキルアップを促す取り組みが求められていきます。
市場活性化に向けて情報公開は重要ですが、仮に、米国並みに情報公開が進み…(続きは本誌でご覧ください。)
★未来予測50
「今日はオフィス、明日はカフェ、
用途に捉われないスペース利用が進む」
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授東京大学連携研究機構
不動産イノベーション研究センター長 柳川範之氏
●開発段階から可変性を組み込む
2050年の不動産・都市等の未来予想として大きく3つを挙げたいと思
います。
まずは、柔軟性の高い利用・活用ができる不動産や建築物、可変性のある
建築や開発が増えているであろうということです。
コロナ禍の影響もあって、リモートワークや多拠点居住など、働き方や暮らし方に変化が起きています。その変化は今後も続き、さらに多様化してい
くのではないかとみています。これまでのように一度入居すれば365日オ
フィスとして稼働するわけではなく、場合によっては1年のうち1ヵ月はオフィスを誰も利用しないというような状況も出てくるでしょう。現在も自社
ビル内の応接室やマンションの駐車場を一時的に貸し出す取り組みなどが進
んでいますが、さらに「用途」に捉われない柔軟な利用ができる場が増えて
いくことを期待しています。例えば、オフィス空間として利用されない期間
はカフェとして運営されるなど、日・週・月単位で柔軟な利用ができるよう
になるでしょう。
また、すでにある空間の柔軟な活用に加え、建築時点で可変性を計算した
開発も進むのではないでしょうか。例えば、12年のロンドンオリンピック用
に開発されたスタジアムは…(続きは本誌でご覧ください。)
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▶8月号
シェアハウスの再生、どう成功?
「特集:空き物件を再生 シェアハウス」
少子高齢化や住まい手・後継者不足などが原因で、放置される空き家や空き物件が全国で増え続け深刻な課題となっている。こうした空き家・空き物件をターゲットやコンセプト等に独自性を持たせた「シェアハウス」として再生・運用することを通じ、地域が抱える課題解決やまちの活性化を目指し奮闘する不動産会社が見られる。
本特集では、全国各地の不動産会社が手掛ける5つのシェアハウスを取材。シェアハウスへの再生に至るまでの経緯や、地域にもたらしている効果などを紹介する。
★学生から60歳代まで多世代が交流
廃業した築40 年超の老舗旅館を
入居者と地域がつながる社交場に
政治家や高校球児が利用した
思い出深い旅館の面影を残す
阪急電鉄甲陽線「甲陽園」駅から徒歩3分、低層住宅が立ち並び落ち着い
た雰囲気のまちなかにある「DIVERSITY甲陽園」(兵庫県西宮市)は、もともとは政治家や春・夏の高校野球に出場する甲子園球児も利用していた大正時代創業の老舗旅館を改修したシェアハウス。地元では有名な旅館だったが、後継者がいなかったことから2012年に廃業。阪神間・北摂・名古屋エリアを中心に売買仲介、リノベーション事業等を展開する㈱ウィル(兵庫県宝塚市、代表取締役社長:坂根勝幸氏)は、旅館のオーナーから「旅館は廃業したが、地域住民にとっても思い出深い建物なので、取り壊しせず別の形で運用していくことはできないか」と相談を受けた。同社はオーナーの意志を汲み取り、「地元で愛されてきた建物を残しつつ、地域に役立てられるよう有効活用する」との約束を交わし、旅館を取得。多世代が交流できる
「地域密着」をコンセプトとしたシェアハウスへと再生した。
1ヵ月無料のモニターを募集。
近隣住民向けオープンハウスも
建物の今後を不安視していた住民も多かったことから、シェアハウスに再
生する旨を近隣住民らに説明し理解を求めた上で、リノベーション工事に着
手した。旧耐震基準の建物だったため、耐震補強を実施。象徴的な屋根瓦と外観はそのままに、傷みの激しかった内装中心にフルリノベーションし、当初計画していた約50室を25室まで減らし、そのスペースを共用施設に充て
た。3階建ての各階にリビング・キッチンを設けたほか、シャワールーム、
ランドリールームなどを設置。入居者が自然と共用部に集まりコミュニケー
ションができる環境とした。地下には、ヨガやダンス教室、ママ友の集ま
りなどで地域住民に利用してもらえるよう、防音室とフリールームも用意し
ている。
工事完了後、1ヵ月無料の入居者モニターを募集。17人がモニターとして
シェアハウスで生活しながら、入居者間や周辺地域とのトラブルを起こさないための居住ルールを決めていった。また、その様子を「オープンシェアハ
ウス」として公開。近隣住民にシェアハウスへの理解を深めてもらった。
学生と60歳代が並んで食事。
年配者に人生相談も
16年1月より入居者募集を開始。最初の入居者は外国人留学生を含む学生
8人だったが、入居者は徐々に増加。現在の入居者は17人、大学生から「若
い人との関わりを持ちたい」という50~60歳代の社会人まで幅広い世代が入
居しており、学生と60歳代の入居者が並んで食事をするのは日常だという。
「シェアハウスに住みたいという人は、もともと人に興味があってコミュニケーション能力が高い人が多い。リビングでは入居者同士、自然と会話が交わされ、若い人が年配者に人生相談をする様子もめずらしくありません」(同社新築事業グループプロジェクト企画チームリーダー・靏野早希氏)。
一方、地下のフリールームは、同社と近隣住民主催のJAZZイベントや三味線イベント等に使われているほか、地元の中学生が卒業前に送別会を開くな
ど、思っていた以上に地域住民に活用されている。また、旅館の1階で営業していた寿司店に代わって、16年11月にカフェが出店。夜はバーとして営業しており、入居者と近所の常連がお酒を酌み交わし仲良くなることもしばしば。昼夜を通じて、地域住民と入居者との新たな出会いの場にもなっている。
運営開始から約7年、シェアハウスは地域の“社交場”として認知されつつあり、入居者と地域住民とが関わる機会も増え、まちに活気が生まれている。「若者が少なくなりつつあるこのまちで、シェアハウスの若い人と高齢
世帯との交流が深まり、有事の際などに助け合える関係性が築けたら嬉しい
ですね」(同氏)。
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▶9月号
\空き住戸を新たなビジネス形態へ✨/
「特集:多様化する『サ高住ビジネス』」
「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)の制度発足から10
年超が経過した。各種サービスを通じて高齢者に安心の暮らしを
提供するサ高住は、高齢者が住み慣れた地域で最期まで暮らせる
「地域包括ケアシステム」を実現するためには不可欠な住宅とし
ての期待もかかっている。本特集では、現在のサ高住市場を概観
しながら、サ高住関連ビジネスに取り組む事業者を取材した。
サ高住とは、2011年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律」(高齢者住まい法)の改正により創設された、高齢者が安心して暮らすことのできる賃貸住宅のこと。居室の広さや設備、バリアフリーといったハード面の条件に加え、安否確認や生活相談サービスの提供などの要件をクリアし、都道府県知事等によって登録され、その情報は公開されている。
◆自立から終末期まで、
豊かで快適な住生活を提供
(株)コミュニティネット 代表取締役社長・須藤 康夫氏
団地の空き住戸を再生した「分散型」。
自由度の高さが魅力に
団地の空き住戸をサ高住として活用し、希少性の高い広めの住戸を提供し
ているのが(株)コミュニティネット(東京都多摩市、代表取締役社長:須藤康
夫氏)。同社は、「ゆいま~る」のブランドで全国13物件約750戸のサ高住を運営しており、その中でも特徴的なのが「分散型サ高住」だ。
(独)都市再生機構(UR)や住宅供給公社から築古の団地の空き住戸を同社が借り上げ、改修した上でサ高住として貸し出すもので、現在「ゆいま~る高島平」(東京都板橋区、総戸数45戸)、「ゆいま~る大曽根」(名古屋市北区、総戸数70戸)、「ゆいま~るじんなん」(名古屋市港区、総戸数62
戸)の3物件を運営。入居率は「高島平」が約8割、「大曽根」が9割超、「神南」が約7割と人気も高い。
高齢者の意見を反映して改修。
日常生活での干渉も最低限に
高度成長期に全国各地で供給された集合住宅団地が築後30~50
年経過し、空き住戸も目立ってきた。そこでURが「高島平団地」(総戸数1万戸超)の空室対策として、空き住戸のサ高住化を発案したのが分散型サ高住誕生のきっかけ。
サ高住経営で実績のあった同社が運営事業者に選ばれ、広い玄関土間スペ
ースなど一般の高齢者らの意見をリフォームプランに取り入れて改修。2014年に「ゆいま~る高島平」として30戸がオープンした。不定期に戸数を増やし、現在は45戸を運営している。
「大曽根」は愛知県住宅供給公社からの借り上げ物件。スーパーマーケッ
トが撤退した空き区画も借り上げて、レストラン、物販、ホールなど団地住
民と地域住民との交流スペース(運営:NPOわっぱの会)にするなど、老朽団地の魅力アップにもつなげている。
分散型サ高住の特徴について、「高島平」のハウス長・安東健雄氏は、入居者にとっての「自由度の高さ」を挙げる。一般的な高齢者施設に比べて自由度が高いと言われるサ高住だが、既存の団地を再生した分散型は特に自由度が高いという。「高島平」の場合・・・・・・(続く)
↓続きはこちらから↓
▶10月号
\マンション管理は、次のステージへ/
「特集:変わるマンション管理~仲介にどう生かす?」
本年4月、改正マンション管理適正化法の施行により、「マンション管理計画認定制度」がスタートした。時を同じくして、(一社)マンション管理業協会による「マンション管理適正評価制度」の運用も開始された。
いずれもマンションの管理状態や管理組合運営に対する評価基準を設け、〝管理の見える化〟につなげようという取り組みだ。
本特集では、これからのマンション管理がどう変わっていくのかについて探りつつ、マンション管理の情報が開示されることで仲介の現場はどう変わるのか、事業者を取材した。
◆管理内容の“見える化”により、
組合運営を見直すきっかけに
地方自治体の権限を強化。
助言および指導、勧告も
国が策定した基本方針に基づき、地方自治体が管理適正化を推進するための計画を策定する「マンション管理適正化推進計画制度(任意)」が2022年4月1日にスタートした。計画を定めた自治体は、一定の基準を満たすマンションの管理計画を認定(「管理計画認定制度」)。また、計画策定の有無にかかわらず、管理の適正化のために必要に応じて助言および指導を行ない、「管理組合の実態がない」「管理規約が存在しない」など、管理・運営が著しく不適切であることを把握したときは勧告することもできる。「地域の実情を把握した自治体と連携し、マンション管理の適正化を推進していくことの意義は大きい」と、国土交通省住宅局参事官(マンション・賃貸住宅担当)の矢吹周平氏は話す。
管理計画認定制度における認定基準は16項目で、自治体独自の基準を追加することも可能。すべての項目をクリアすれば認定となる。なお、認定された計画は5年ごとの更新が必要だ(12頁図参照)。
マンションの"良好な管理"の基準が明確になったことで改善すべき点が浮き彫りとなり、管理の質の向上を目指し具体的な計画を立てられるようにな
る。「同制度の活用をきっかけに、管理組合やマンション居住者の"管理"に対する関心が高まっていくことを期待したい。まずはマンションの管理状態を確認し、基準に満たなかった項目を一つひとつ改善していくといった取り組みによって、認定取得も視野に、管理の質の維持・向上を目指していた
だきたい」(同氏)。
認定取得を当たり前に
取引価格への反映にも期待
認定を受けたマンションに対しては、(独)住宅金融支援機構の「フラット35」や、共用部分リフォーム融資の金利引き下げ等の優遇措置を用意。また、適正に管理されたマンションであることが市場において評価され、取引価格に反映される可能性も期待できる。同氏は、「認定取得が当たり前になることが理想。消費者が『認定マンションだから適正な管理がなされている』と捉え、購入の際の判断材料の一つとしてもらう流れとなれば」と話す。
同制度の普及には、事務主体となる地方自治体の理解と積極的な関与が不可欠だ。同省が1月、各都道府県・市区862団体に対して行なった推進計画の策定意向に関する調査によると……
(中略)
◆流通・仲介事業者に聞く
認定の有無で格差広がる?
“管理の質”が訴求ポイントに
ユーザーがマンションを購入する際、重要事項説明を受ける前に管理の情報を確認できる機会が増えるため、今般の制度は購入後の管理トラブル等を防ぐツールとしても活用できそうだ。では、仲介事業者はマンションの管理情報を現場でどのように活用していくのだろうか。
物件情報サイトで開示されれば
購入検討時の判断材料に
野村不動産ソリューションズ(株)(東京都新宿区、代表取締役社長:前田研一氏)は、認定を受けたマンションであれば、管理情報がサイト上で確認できるようになるため、マンションを購入する際の判断材料が増え、ユーザーにとってのメリットが大きくなると考える。
同社は、重要事項説明書の作成にあたり、管理規約や長期修繕計画書などに関する情報の開示を管理会社に求めているが、今後はそうした情報が収集しやすくなるのではないかと期待する。
「現状、ユーザーは立地や間取り、築年数といった情報を基にマンションの購入を検討することが主流となっていますが、購入検討の段階で管理に関する情報を多く得られれば、10年、20年先の居住環境や資産価値の維持といったことも検討できるようになります。ただし、どこまでの情報が開示されるのか、その点は不安が残る」と同社経営企画部担当、受託営業部担当執行役員の林陽平氏は話す。
米国式のエージェント制を導入した不動産流通業を展開する(株)TERASS(東京都港区、代表取締役社長:江口亮介氏)も…
↓続きは本誌をご覧ください。
業界団体、行政機関、不動産管理会社、不動産仲介会社も登場します!こちらから↓
▶11月号
\思わぬ部分が落とし穴で「おとり広告に」!?/
「特集:不動産広告Q&A デジタル時代の留意点」
SNS等を使った入居者募集などデジタルツールの活用による営業活動が活発化しているが、これまでの運用ルールでは当てはまらないケースもあり、不動産事業者の認識や意図とは関係なく「違反広告」になってしまうケースがある。どのような行為が違反になるのか、 (公社)首都圏不動産公正取引協議会(以下、首都圏公取協)に寄せられた相談事例をもとにQ&A形式で回答する。併せて9月1日に施行された新たな「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約) 」についても改正の内容を紹介していく。(取材協力:(公社)首都圏不動産公正取引協議会)
Q.動画の中で「日当たり最高」と発言。不当表示に該当しますか?【SNSで入居者募集動画を配信】
SNSの動画を活用して入居者募集を行なうことにしました。動画だと物件の特徴を視覚的に伝えられるため、とても便利だからです。若者向けに端的に物件の特徴を伝えられるように、営業担当者がこれまでの経験から感じた「日当たり最高ですよ」とか「相場に比べて格安の賃料ですよ」などと動画の中で発言していますが、問題あるでしょうか?
A.使用禁止の文言に該当します。
◆個人的主観による
最上級表現等は表示規約違反に
不動産の表示に関する公正競争規約第4条第5項第2号において「口頭による広告表示」 、いわゆるセールス・トークも広告表示と規定しています。そのため、字幕等で表示していなくても、音声で発言すれば、これも「表示」となり、不動産広告において使用することを禁止している言葉を使えば表示規約違反となります。
「最高」といった最上級表現、「格安」といった賃料等が安いことを意味する表現は合理的な根拠を持っていて、かつ、その根拠を併せて表示しなければ使えません(規約第18条「特定用語の使用基準」で規定)。ご相談のケースは営業担当者の主観による評価であり、「合理的」とは言えないでしょう。
日当たりが「最高」であるかどうかというのは、ユーザーがどう感じるかの問題であり、不動産会社が「最高」と訴えても、ユーザーはそうは感じない可能性がありますので使用に際しては注意が必要です。
賃料等が安いことを意味する「格安」という表現は、不動産物件はその商品特性上、「同じものが2つとしてない」ため、比較対象とする全く同じ商品(=不動産)はなく、何をもって賃料等が安いのかという合理的根拠は見当たらないのが実情です。明確な理由があって周辺の物件よりも安いといえる合理的な根拠として使えるのは事故物件(心理的瑕疵物件)ぐらいでしょう。
↓本誌の詳細はこちらから↓
▶12月号
\ニーズに素早く対応し、好評を得た事業者は!?/
「編集部レポート:コロナで変わった 住トレンド&ニーズ」
ユーザーの住まいに対するニーズはコロナ禍で大きく変化した。住宅を企画・開発する事業者の中にもそうした変化を敏感に捉えた商品を供給するケースが見られる。
本特集では、コロナ禍で出てきた新たな住宅のニーズに対応し、好評を得た事業者の取り組みをキーワード別で紹介する。
◆ウェブ会議等も可能な
「ワークスペース」
コロナ禍により、急速に定着したテレワーク。住まいにワークスペースを求めるニーズが急増した。
専有部にテレワーク用カウンター
三菱地所レジデンス㈱が開発した分譲マンション「ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ」(2020~22年販売、千葉県浦安市、総戸数528戸)は、平均専有面積96㎡という広さを生かし、「一部のタイプは、テレワークにも使用できるカウンターを設置し、差別化を図ることにしました」(同社第一販売部販売第五グループリーダー(ザ・パークハウス 新浦安マリンヴィラ所長)・佐藤俊之氏)と言う。
また、コロナ禍で、テレワークが想定以上に普及したことから、「ワーキ
ングラウンジ」をオンライン会議用ブースも備えたテレワーク対応仕様に変更するなど、共有部の仕様見直しも行なった。「最終的に購入者の約4割が都内在住者でした。テレワークスペースが十分にあることを魅力と捉えたお
客さまが多かった印象です」(同氏)。
必要時に書斎へ。可変性のある収納を開発
ポラスグループの㈱中央住宅が開発した分譲マンション「ルピアコート津田沼」(21~22年販売、千葉県船橋市、総戸数53戸)では、収納スペースをワークスペースに変更できる「変身クローク」を初めて採用した。折り畳み式のカウンターテーブルや可動式ポールの設置で、ライフスタイルに合わせて容易に使途を変更できる。「テレワークが定着してきたとはいえ、完全テレワークという人は少数派。収納スペースは多いほど喜ばれますから、普段は収納で、必要な時にワークスペースに変更できる仕様は大変喜ばれました」(同社マインドスクェア事業部マンションDv営業企画課営業企画係係長・西牟田奈津子氏)。
㈱大京の分譲マンション「ライオンズ青砥レジデンス」(22年販売、東京都葛飾区、総戸数53戸)でも、「ワークフィットボックス」を一部住戸に設置した。可動式の棚板やハンガーパイプを移動することで、デスクとしても使える収納だ。このほか、納戸にコンセントを付けて、扉を閉めてウェブ会議等に使えるようにした住戸もある。
「在宅勤務時や勉強用デスクとしてだけでなく、ドレッサースペースやアイロンがけスペース、趣味のスペースなど、多様な使い方を想定し開発しました。ワークスペースとして使わない時は通常のクローゼットとして使える点もご評価いただいています」(同社建設管理部商品企画室建築企画一課主任・斎藤光司氏)。
◆感染症リスク軽減に向けた
「タッチレス設備」
コロナ禍での感染対策としてはもちろん、利便性の向上を目的に、住宅設備のタッチレス仕様に注目が集まっている。
ゴミ置き場に自動ドア、エレベーターも非接触で
前出・中央住宅の「ルピアコート津田沼」では、共用部を中心にタッチレス設備を採用、購入者に高く評価されたという。居住者がセンサー内蔵のタッチレスキーを身に着けていれば、エントランスに近付くだけで自動ドアが作動する。宅配ボックスに荷物がある場合は、エントランスで着荷を知らせ、居住者が宅配ボックスに手をかざすとロックが解除される。エレベーターもボタンに手をかざすだけで、停止階の指定や開閉の操作ができる。ま
た、ゴミ置き場にもタッチレスの自動ドアを採用した。
専有部のキッチン、洗面所もタッチレス水栓を標準としている。これらのタッチレス設備は、津田沼に次いで販売を開始した分譲マンション「ルピア
コート大宮ザ・ゲート」(21~22年販売、さいたま市中央区、総戸数40戸)でも採用し、高評価を得たという。
「『かゆいところに手が届く』と支持されています。非接触システムは、感染対策としてだけでなく、利便性も向上します。アフターコロナでも、あれば嬉しいとおっしゃるお客さまが多いです」(西牟田氏)。
(続く)
↓本誌の詳細や他のコーナーが気になる方はこちらから↓
いかがでしたでしょうか。市場トレンドから、地場の不動産企業に着目した特集、空き家についての特集まで、『月刊不動産流通』は唯一の不動産ビジネス誌として様々な題材を扱っています。
次回、後編もお楽しみに!
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