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娘と食事。~「食」に関しての目下の悩み~
#202405023-400
2024年5月23日(木)
里子であるノコ(娘小5)と暮らすようになって、戸惑ったことのひとつが「食」だ。
私もむーくん(夫)も親が用意した食事は「食べるもの」だと思って不満なく育った。好き嫌いがなかったのもあるが、量も年齢および体格的に親が適切だと思う量でちょうどよかったのだろう。
ノコが過ごした児童養護施設からも特に食が細い、好き嫌いが多いという話はなかった。食べる速度がやや遅いと聞いた覚えはある。
おそらく同じ年頃の子どもたちと食べるという場の雰囲気もあったのだろう。そもそも「いい」だの「イヤだの」いう発想がなかったのかもしれない。
もしかしたら、残していたのかもしれないが、施設の職員は大勢の子どもたちと接しているからさほど気にならなかったのかもしれない。残す子どももいれば、よく食べる子どももいる、という感じなのかもしれない。また簡単なホットケーキなどは、小舎のキッチンで作ることもあったらしいが、日々の食事は別棟にある調理室で作っていたようなので、作ったものを食べてもらえないことにあまりストレスを感じなかったのかもしれない。
今でこそ少しは食べるようになったが、ノコは食が細い。
お菓子は大好きだが、食への興味は全般的に薄い。食べもので釣るというのはなんだが、お菓子ならともかく食事がご褒美になることはない。
幼稚園年長児での委託だったため、喋ることは喋るが自分が感じていることを説明する語彙は乏しくて、何が不満なのかわからなかった。
味なのか、食感なのか、盛り付けを含めた見た目なのか、温度なのか。
こちらから「こうなのか」「ああなのか」と言葉を並べたらどれかにうなずくかと思えば、やりとりを面倒がり、即終わらせようとする。
子育て経験なし。
身近に小さな子どももいない親歴ゼロ年の私たち夫婦は、観察眼なんてまだなく、もうなにがなんだかわからなかった。
次第に、なんであれ「食べるのならよし」とゆるくなってきた。
ある意味、肩の力が抜けてきたのかもしれないが、ノコが「食べたい」というものを用意することが果たしてノコのためになるのか、という思いが定期的に頭をもたげる。
そうかといって、嫌だ、食べたくない、というものを並べて、食べることが嫌いになってもいけない。
「食」は一生を通じて関わるものだ。
できるだけ、楽しく、おいしく、かつ体によくあってほしい。
朝が弱いノコの朝食は少量だ。
磯辺焼きの餅、おにぎり、焼きおにぎり、クロワッサン、食パン、チョコチップ入りパンなど種類も量もあれやこれやと変遷したが、このところは落ち着いていた。
6枚切りの食パン半分にジャム、牛乳で溶いたミロ、バナナを入れたヨーグルトにはちみつを二まわし。ジャムは、イチゴ、ブルーベリー、ピーナッツ、チョコペーストとノコの希望のものを用意する。
それが5年生に進級してから、スムージーがいいという。
コップや器に盛っていたものに全部合わせて氷を加え、ハンドブレンダーで撹拌すればいいので私としては手間が増えるわけではない。それで完食するのならばとジャムを塗った食パン、スムージーの朝食がここ1ヶ月定番になった。
それも飽きてきたのだろうか。
またまったく口をつけない日が出てきた。
ノコは嚥下機能も弱い。
一口サイズに切っても飲み込めない食材がある。
ほうれんそう、水菜、小松菜、ニラなどは繊維を噛み切れないらしい。豚の切り落とし肉も厳しい。クチャクチャと口のなかで延々と噛み続け、最終的には「味がなくなった」とティッシュペーパーに吐き出して捨てる。給食はどうしているのかと尋ねたら、牛乳で流し込んでいるという。
ノコは現代っ子というのか、顎も小さい。
永久歯がだいぶ生えそろってきたが、どうやらおさまり切らない感じがある。一度歯科で歯列矯正をすべきか相談しようかとむーくんとの話にものぼる。ただ歯科矯正をしたら、さらに食が細くなるのではないかという心配もある。
「スムージーはもうやめよう」
むーくんがノコにいう。
「噛むことをしなくなったら、ますます噛めなくなっちゃうよ」
ノコを険しい目でむーくんを睨んでいる。
まずできることは、本当に嚥下機能が未発達なのか、歯列矯正が必要な歯並びなのか、専門家に診てもらうことか。
――歯医者さんかぁ。
二つ返事で行ってくれるとは思えず、唸ってしまう。
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