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怒りをぶつけやすい相手とぶつけにくい相手。どちらといるのがいい?

#20231115-290

2023年11月15日(水)
 相手によって態度が変わるというのは、人として仕方がないさがなのだろうか。
 「ヤダ! ヤダからね!」
 学校から帰宅したノコ(娘小4)が仁王立ちになって、私を睨んでいる。
 この押し問答を何度やったら納得するのだろうか。目の前の「楽しいこと」最優先思考だから、自分を俯瞰ふかんできるようになるまでは無理なのだろうか。
 「習い事の日は外遊びの時間はないよって、このあいだも話したよね」
 5時間授業の日ならともかく、今日は6時間授業だ。
 学校の宿題を済ませ、早めの夕飯を食べ、習い事に向かわねばならない。習い事から帰ったら入浴ーーお腹が減ったといえば少し食べさせ、それだけで21時にはなる。そこから明日の学校の支度だの服の準備をすると、すぐ21時半。
 22時前にベッドにたどりつけるかが、勝負だ。

 「外、行くから!」
 日没が早い11月、学校のルールでは帰宅時刻は16時半。6時間授業で習い事の日は正直きっぱり外遊びを諦めてほしいが、発散する時間も必要だと感じている。
 もう16時過ぎだ。15分でも遊べば、ノコはかなり満足する。16時半まで外遊びをさせて、即学校の宿題をして・・・・・・と時を勘定する。まずは今日の宿題の量だ。
 「連絡帳出して。宿題の量ノコさんの頑張りによるよ」
 「書いてない」
 「覚えてるの? いってみて」
 ノコが首を傾げながら、計算ドリルがこうで、漢字ドリルがああで自主学習、音読という。ランドセルを覗くと肝心の計算ドリルがない。問題がなければ解きようがない。そういえば、今日は習字の授業があったはずなのに、習字道具もない。
 「ドリルがないよ。それに習字道具はどうしたの?」
 「・・・・・・あ、忘れた」
 夕飯を作らねばならないのに、まずは学校に行かねばならなくなった。
 「まだ学校開いてるから、取りに行くよ」
 エプロンを外し、自転車の鍵を手に取る。
 「行かないし! 遊ぶし!」
 ノコが足を踏み鳴らして、私を燃えるような目で睨む。
 「ママって最低だねッ!」
 宿題はやらねば、どんどんたまっていく。
 ためれば、ノコはどんどん億劫になっていく。
 その悪循環にノコはまだ気付けない。

 「宿題の量によっては、4時半まで外遊びしてもいいかなってママは思ったの。でも、宿題を持ち帰ってなければそれはできない。自分で自分を大変にさせているんだよ」
 先日も学校で絵の具を使う授業があったが、ノコは絵の具道具を忘れたため宿題になってしまった。ところが、絵の具道具は廊下のフックにあったのだ。忘れていなかったのだ。ノコはないという思い込みなのか、廊下に出るのが億劫なのか、ちょっと確認すれば済むことをせず、結果手間がかかってしまう。

 「ママは来なくていいから」
 4年生なので、学区内ならば1人での自転車乗りは許されている。ノコの1人行動範囲は隣の公園のみゆえ正直不安だが、少しずつ行動範囲を広げる必要性も感じている。
 「じゃあ、気を付けてね。計算ドリルと習字道具ね」
 一緒に玄関先に向かおうとすると、ノコが怒鳴る。
 「見送らなくていいから!
 「ううん、見送るよ。『行ってらっしゃい』はいいたい」
 「バッカじゃないの!」
 ノコはヘルメットをかぶり、自転車にまたがると、振り返ることなく暗くなりはじめた通学路を走って行った。

 そろそろ帰ってきてもいいのに、ノコが帰らない。
 家の前で伸びいく道の先を見ていると、むーくん(夫)が仕事から帰ってきた。
 「何してるんだ?」
 「ノコさんを宿題と習字道具を取りに1人で学校に行かせたんだけど、帰って来ないんだよね」
 むーくんも私に並んで、道の先に目をこらす。ほんの数十分前なのに見送ったときと比べ、夕闇が増している。
 「アレじゃねぇか」
 蛇行するライトが見え、住宅街をのんびり走るノコの姿があった。
 あんなに怒って出たのに、機嫌が直っている。
 「国語の教科書も忘れてたから持ってきた!」

 ノコは私に対してはブンブカ怒るが、むーくんにはそこまで怒らない。いや、怒るのだが直接ではなく、私のところへ来てパパの悪態をつく。
 ーーパパって、あんなんじゃ、友だちなくすよ。家族だっていなくなるよ。
 いやいや、パパは友だちはいるし、私の大事なパートナーだ。
 むーくんが帰宅すると、私の負担はグッと軽くなる。ノコは文句をいいながらも学校の宿題もし、バスがいいといいながらもむーくんと自転車で習い事へ向かった。
 私は楽になるが、ノコにしたらしんどいのだろうか。
 3人でいるときのほうが私には風通しはいいように見える。

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