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【サイエンス】コロナは神が人類に科した罰か?

 SNSなどで「コロナは傲慢な人類に対する神からの罰」みたいな意見を目にしたこと、ありませんか?典型的な主張は、「文明を得た人類は自然の秩序を乱し、地球を破滅させようとしている。傲慢な人類への罰として、人口を減らすために神がウィルスを生み出した」というもののようです。
 確かに人間もなんかよくないことを色々しているし、ウィルスってなんかよくわからないし、そうなのかもなぁと感じた方もおられるのではないでしょうか。
 しかし、実は科学的な見地で考えると、コロナウィルスが一体何のために発生し、世界で感染者を増やそうとしているのか、真の目的がはっきりしているのです。最近サイエンスライター化してきた著者(カエル)が解説していきます。

※この記事は科学的な切り口でコロナウィルスの生存戦略について紹介するもので、宗教的な考え方や、政府のコロナ対策に意見するようなものではありません。読み物としてお楽しみください。

<なぜコロナが誕生したか>

コロナウィルスはその名前の通り「ウィルス」です。他の生き物と同様に、数十億年の進化を経て、最近新しいタイプが誕生しました。ウィルスの進化(遺伝子の変化)速度はとても速く、ランダムに色々なタイプに変化していくのですが、たまたまコロナウィルスという、非常に感染力が強く、強力なものが自然に誕生したのてす。

<コロナウィルスの真の目的とは>

 まずは相手(コロナ側)の視点に立って考えてみましょう。ウィルスは現在の科学の定義上では生物のカテゴリーには入っていませんが、我々人類を含む地球上のすべての生き物と同じで究極の目的を持っています。

それは、
 「できるだけ多くの遺伝子を残すこと。」 です。

 人間も、ゾウも、虫も、バクテリアも、ウィルスも、自分たちのDNA(コロナのように一部のウィルスはRNA)を、次世代にできるだけ残していくことが、共通して生まれながらに刷り込まれている宿命なのです。
(この辺は以前記事にした「虫は宇宙から来た生命体説、絶対にちがう説。」でも少しふれていますので気になる方はご覧ください。)

<コロナとしては、致死率が高くなってしまったのは誤算>

 動物がどんどん繁殖していくのと同じで、ウィルスも繁殖しています。ただしウィルスは人や動物などの細胞に寄生して繁殖するので、「感染→人(動物)の体内で増殖→他の人に感染」というサイクルになります。

 ここで、コロナの生存戦略的な視点に立つと、面白いことが見えてきます。感染力が強いという特徴は寄生先が多く見つかってうれしい一方で、寄生した人間が死んでしまうというのはコロナにとって自滅につながることがわかります。コロナとしては本当はもう少し毒性の弱いものになりたかったけれども、自分の力を制御できないでいるのです。(これはランダムな遺伝子の突然変異で決まるため)
 また、コロナとしては、できれば抗体を作られにくいウィルスになりたいしと思っているはずだし、感染力があまりに強すぎると逆に集団免疫をつくられて今後子孫が減ってしまうので、実はまずいと思っているかもしれません。

<まとめ。人間もウィルスも、もともと同じ土俵で生存競争をしている>

 いかがでしたか?種の保存が世界の原理原則で、ウィルスだって動物「ヒト」と生き残りをかけた競争をしているのですね。この、人間もウィルスも元々同じ土俵にいるという認識はとても大切だと筆者は思います。なぜなら、コロナウィルスが人間へもたらされた罰だという論調は、もしやもすると人間が世界の中心にいるという傲慢な考え方につながりかねないからです。
 同じ土俵の上ですが、我々「ヒト」も決してウィルスに負けないように、対抗していかなければなりません。皆さんパニックにならずに、冷静に淡々と予防していきましょうね。

カエル

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