人の感情の動きをうまく表現された映像作品に惹かれる。
10代の頃はドラマを良く見ていた。90年代ドラマ。
社会人になると職業柄もあるが、ドラマのある時間も仕事をしていたし、録画しても数少ない休日にドラマを見るなんて気力もなかった。
映画においても、人に「映画が好きだ」と言えるほど様々な作品は見ていない。休日に今日は家で映画でも見てゆっくりするか。と思って映画を見だしても、1時間も経たないうちにソファで寝ている始末だ。
しかし映像作品を見るのが嫌いなわけではない。
ドカーーーン! バーーーーーーン!! ドーーン!!!ジャジャン!!!という派手な演出の作品にはあまり興味を示さないのだが、あるひとつのタイプの作品は凄く好きなのだ。
それが
人の感情の動きを
うまく映像表現されている作品。
このタイプの作品を見ると一気に引き込まれる。
映画好きという訳ではないので、この作品。この作品。とポンポン出てこないのだが、パッと思い付いたのがトイストーリー。
4歳の娘がトイストーリー大好きで、家のテレビでしょっちゅう流れている。(いつもバズ役をやらされる笑)そんな自分もトイストーリーは、1/2/3/4とすべて好きなのだ。
子供が見ると、楽しい!かわいい!面白い!となるのは当然分かる。でもなぜ一緒に観ている大人の心にも刺さるのか。
それは、子供のおもちゃであるウッディ達の心の中、感情の動きがうまく表現されているからだと思う。
そんな中で一番グッときたセリフがトイストーリー4。
ボニーに遊んでもらえなくなったウッディ。そんな中、ボニーが保育園で作ったおもちゃのフォーキーが、自分はゴミだと捨てられようとするのを必死に守り続ける。
その中で
「もう俺にはこれしかないんだよ」
と感情的になるシーン。
もう、おもちゃとしてボニーを笑顔に出来ない。守りたいのはフォーキーじゃなくて、ボニーの笑顔なんだという想いがストレートに伝わってくる。
このトイストーリー4は賛否両論あるようだ。明らかにそれまでの1/2/3とは異なるからだろう。最後なんて、それまで絶対に仲間を見捨てなかったウッディが、みんなと離れる事を選んでいる。
作中でウッディの心の中が、少しずつ変わっていっているのが描かれていたから、その最後の決断もまた、自分にはグッとくるものがあった。
そしてもうひと作品、今自分の心を掴まれている作品がある。
それが ドラマ silent
冒頭に、社会人になってドラマを見なくなった。と書いたが、結婚して子供が生まれて、週末は家でゆっくりする時間が増えた。
そして奥さんがドラマ大好き。ワンクールに1作品は、休日に一緒に見るようになった。
このsilentの1話目を見た時に、『今季はこれで!』と言った。
表向きはラブストーリーとなっているが違う。これは人間ドラマだ。聴覚を失った主人公。そしてその主人公を取り囲む人達の感情の動いていく様が、とにかく映像と音でうまく表現されていて、一話目を見た段階であっという間に引き込まれた。
今の所、一番心が震えたのは第6話。
生まれつき耳が聞こえない奈々。恋心を抱く主人公の心が、どんどん元恋人に向かうのを感じ取っている中、焦る気持ちから感情をぶつけてしまう。
手話で両手を使う為、普段からバッグはリュック。ショーウィンドウに飾られた青いハンドバッグに憧れる。待ち合わせ場所に着くと、主人公に電話をして片手には青いハンドバッグ。もう片手は手を繋ぎ、話をしながら主人公と歩く。そんな夢を見る。音を知らないから夢の中も無音なのが切ない。
その回のラスト。主人公が遠くから気付いてもらう為に、奈々に電話をかけながら走り寄る。
別れを悟っていた奈々は、その主人公を見つめながら震える手でその電話に出るシーン。
もし耳が聞こえていたら。
もし声で会話をする事ができていたら。
もし自分が健聴者だったら
普通の恋人になれていたかもしれない。
言葉は一切無かったのに、あまりにも切ない感情がこのシーンに溢れていた。
感情の表現のみならず、音の無い世界を表現する為だと思うが、所々で無音を作るというのも、世界観に引き込まれる要因だと思います。
なかなか出会えないレベルの素晴らしい作品。すごくヒットドラマになっているみたいですね。いい作品・製品が、正当に評価されない世の中になったら、自分の様な仕事は終わりなので安心しました。
主人公の目黒蓮さん。2~3話見たぐらいの時『誰だろう?』と思って調べたらジャニーズの方でした。90年代ドラマを見て育った自分。ふとしたシーンで、若い頃の木村 拓哉さんに見える時があるんですよね~
最後に、奈々役の夏帆さん。昔からめちゃくちゃタイプの女性d…
終わり
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