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孤島の窓辺から #001「些細な発見の中に」

この孤島での生活。

目の前には、
海と空が広がっているだけ。

それはあまりにも
シンプルな生活に見えますよね。

でも、時にそのシンプルな生活は
豊かにその表情を変化させながら、
その壮大な自然の営みを感じさせてくれます。

日本では見たこともないような
美しい鳥の鳴き声が、
今日もどこからか聞こえてくる。

また、日本では見たこともない
美しい彩りの花が、
この島の生活を優しく和らげてくれます。

花という一つの生命体でも、
この世界には僕がまだ出会ったことのない
様々なものが、そうして人の目に触れないところで
けなげに、その命を繋いでいるのだと感じるんです。

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日本のニュースを見ていたんです。

岩手県の久慈市という場所で
およそ8500万年ほど前の地層の中から、
「新種のコケ」が見つかったのだそう。

8500万年、、、、、

そのスケールで物事を考える尺度が、
自分の頭の中にはありません、、、。

その名前は、発見された場所にちなんで
「クジフタマタゴケ」。

なんだ、ただのコケか。
忙しい現代人にとっては、
どうでもいいことなのかも知れませんね。

でも、この一つの「些細な発見」から、
周囲一帯の植物の生態系の解明につながるのだと
専門家の間では大きな期待がされているようです。

僕たちはこの世界のことの多くを知っているようで、
まだまだ知らないことばかり。

たった一つの、こうした何でもない発見が、
人類の大きな進歩を支えていくことがある。

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この世界には、
出会ったことのない生き物や、
生態系が、まだまだたくさん存在するのでは。

また、長い歴史の蓄積の中に埋もれて、
見つけられていない大切なものが数多くある。
宇宙に幾つもの、未知なる星が存在するように。

人は何かを掌握しているようで、
何も手にしていない。

全てを知っているようで、
実は何も知らない。

苔を発見したという、些細なことの中に、
とてつもなく壮大なものを感じずにはいられません。

遥か孤島の窓辺から、
そんなことを感じました。



最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。