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鬱岡修造の低血圧万歳

 自分がもう27歳であるという現実を受け入れられない。僕がもし樋口一葉(享年24)だったらもうすでに生涯を終えている。これは非常に恐ろしいことだ。

 20代も後半に差し掛かってきたということで、ただ茫洋とした焦燥感だけがじわじわと身を蝕んでいくのが感じられる。早くなんとかしないとまずい。しかしやはりなんか全くやる気が起きない。どうしようもないことに。


 この間、沖縄のとある島で海水浴をしたら異常に日焼けをして火傷の域までいってしまったので急遽現地の病院で診てもらったのだが、その時に事前に血圧を測定させられた。アームを包み込むような機械に片腕を入れてグイ~ンと強圧マッサージ的なヤツをされるアレである。そこで判明したのだが、僕の血圧はかなり低いようだった。

 平均的な20代男性であれば115あたりの数値(俗に言うなんとか値)を取るようだが、僕の数値は90とかそこら辺だった。詳しいことはわからないけど、100未満の数値を取るような人間は低血圧に該当するらしい。同行した家族も身内にこんな低血圧な人間がいることに引いていた。

 診察を受けて日焼けのための軟膏薬をもらった後にネットで調べてみると、やはり低血圧の人間は常人と比べると疲れやすく、だるさを感じやすいらしい。一般的には女性の方が多いようだが、男性でも低血圧の人間は存在する。神の誤産物である僕のように。

 そこで納得がいった。今までの人生の様々なシーンにおいて異常な疲弊感を感じていたのは低血圧の所為だったんだと。
 体と心が本能的に運動を拒否していたのに学生時代に運動部に入部してありえないぐらいの疲労感を毎日感じていたのも、朝起きただけで絶望的な頭痛に見舞われるのも、休日にFANZAを半日見ていたら生存活動を行うための体力が底を尽きてしまうことも、全部低血圧によるものだったのだ。

 低血圧だから常人が出来ることを常人の倍の体力を消費してしか行えず、低血圧だから何もやる気が沸いてこず、低血圧だから20代後半になっても休日に何の予定もなくベッドの中で下半身を労ることしか出来ないのである。まったく低血圧というものは罪な奴である。大体全部低血圧の所為だ。逆に言えば大抵の自身の非は低血圧に押しつけとけばなんとかなる。

 しかしまあそう自暴自棄になっても仕方ないので、これからは流石に真面目に人生の戦略を練らなければならない。
 いつまでも低血圧の所為にしてはいられないのである。
 一応低血圧対策としてはコーヒーを飲んだり血液を循環させるための運動をすると良いらしいが、コーヒーについては以前当noteの記事に記した通りであり、運動に関してはすでに定期的な筋トレやウォーキングをやっている。というかむしろ、その運動をすることによっていつもありえないぐらいに疲れている。


 とりあえず宮古島トライアスロン完走とエベレスト登頂を人生の目標にでも据えて計画を練りましょうかね(残念ながら低血圧なので頭が上手く働かずに唐突に荒唐無稽なゴール設定をすることしか出来ない)。

おしまい

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