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濱田庄司『15秒プラス60年と見たらどうか』

(このNOTEは2分で読めます。約1,200文字)
濱田庄司さんをご存じでしょうか?日本を代表する陶芸家の一人です。『15秒プラス60年と見たらどうか』という名言を残した方です。※サイトによっては『15秒と60年』と表現されています。

結果・成果・アウトプットだけを見ると『どうしてそんなにすごいことができるんだ』と思う方がいますが、実はインプットがすさまじいのかもしれません。このNOTEでは、濱田庄司さんの『15秒プラス60年と見たらどうか』について考えたことを書きます。

✅1、流線を15秒で描くのは適当なのか

青釉黒流描鉢

濱田庄司さんは陶器に流掛ながしがけという技法を用いた線を描く作品を得意としていました。上記画像のように陶器に線を描いていく手法です。

15秒ほどで線を描いていく濱田庄司さんの姿を見て、その作品の作成工程を見ていた方が『あまりにも早すぎて物足りなくないか』という質問をしたそうです。

その質問に対して濱田庄司さんは『15秒プラス60年と見たらどうか』と回答しました。


✅2、60年というインプットから15秒でアウトプットを出す

質問者は、ささっと線を描いてしまう姿を見て『もしかしたら適当にやっているのではないか』と思ったのかもしれません。

濱田庄司さんは『アウトプットしている時間の15秒の中だけで完結しているのではなく、今までの人生/経験がその15秒を生み出すために必要になっている』ということを表現したかったのだと思います。

私の周りにも『なんでそんなスピードでそんな結果・成果・アウトプットが出せるのか不思議だ』と思う方がいます。

構造的に考えると、アウトプットを出すにはインプットが必要です。インプットAに対して、アウトプットAを出す場合、インプットとアウトプットはイコール関係にあります。一方で、AとBのインプットからCというアウトプットを出すとき、A+Bをやっている人はある意味変換装置といえます。

アウトプットを向上させるためには2つのパターンがあります。
①インプットの質/量を上げる
②変換装置である自分の変換効率を上げる

①については、根拠のある正確な情報を得ることや本を読みまくることなどが考えられます。②については、スキルを取得することやロジカルシンキングを身に着けるなどが考えられます。

質問者の『あまりにも早すぎて物足りなくないか』は、変換装置としての濱田庄司さんに目を向けているような気がします。つまり、『アウトプットがすごいのは濱田庄司さんがめちゃくちゃ優秀だから』と考えている気がします。

もちろん、濱田庄司さんが優秀であるのは間違いないと思いますが、変換装置としての優秀さではなく、アウトプットするためのインプットの量が圧倒的に多いということを表現したくて『15秒プラス60年と見たらどうか』と回答したのだと私は解釈しました。


✅3、まとめ

アウトプットがすごい人に接すると、その人が優秀だから『アウトプットがすごい』と思ってしまいます。その時、その人個人の能力に目がいきがちで、その人がどのような/どのぐらいの量のインプットをしているのかについては目がいかない傾向があります。

もちろん、すごい人は、①インプットの質/量を上げる・②変換装置である自分の変換効率を上げるの両方を実施していると思います。そういった人から学ぶためには、②だけでなく①にも目を向ける必要があると濱田庄司さんの『15秒プラス60年と見たらどうか』を聞いて思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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