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【思考】『迷ったら楽な方を選ぶ』でもいいじゃないか

(このNOTEは3分で読めます。約2,400文字)
就職活動をしている時、『あなたが大切にしている価値観や行動指針はありますか?』と面接官から質問されることが度々ありました。『なにかカッコイイ回答を用意しないといけないな。』と思いネットを調べていると元Yahoo!CEOの宮坂学さんの『迷ったらワイルドな方を選べ!』を見つけました。

『これは使える!』と思い、具体的な経験と共に何度か『迷ったらワイルドな方を選べ!』を面接で話しました。それなりに感触は良かったと思います。

迷ったらワイルドな方を選べ!』とは、要するに『迷ったら難しい方を選ぶ』ということです。しかし、ふと『何で迷ったらワイルドな方がいいのか。』『逆に、迷ったら楽な方を選ぶ方がメリットが大きくはならないのか。』と疑問に思いました。

このNOTEでは、『迷ったら難しい方を選ぶ』ではなく、『迷ったら楽な方を選ぶ』ではダメなのか考えます。

✅1、『迷ったら難しい方を選ぶ』は誰が言い始めたのか

実は、宮坂学さんの『迷ったらワイルドな方を選べ!』には元ネタがあります。『迷ったら難しい方を選ぶ』という趣旨の発言は、いろいろな方が言っています。

修行時代の若い人たちは、職場の選び方にも、むしろ困難な部署を選ぶくらいの心意気が必要である

『松下幸之助成功の金言365』 松下 幸之助/著 PHP研究所

私は、人生の岐路に立った時、いつも困難なほうの道を選んできた。

芸術家 岡本太郎

ルソーの『慣習とは反対の道を行け。そうすれば常に物事はうまくいく。』を引用しているサイトもありました。


✅2、『迷ったら難しい方を選ぶ』メリット

では、『迷ったら難しい方を選ぶ』メリットは何なのでしょうか。一番大きいメリットは、変化する外部環境に対するリスクヘッジでしょう。

数年前まで常識だったことが数年後には非常識になってしまうほど変化が激しい世の中です。正攻法を常に取り続ける場合、世の中の変化とミスマッチしてしまい失敗する可能性があります。

例えば、ガラケーを研究開発することが正攻法だった時代はそれで携帯会社が稼ぐことができましたが、タッチパネル式のiPhoneが登場してからは、今までの正攻法をとることはできず方向転換を余儀なくされました。

コロナ禍を例にとると、出社スタイルが前提だった時代に在宅スタイルを実験していたサイボウズ株式会社は、変化する外部環境に対するリスクヘッジができていたため、難なくコロナ禍での仕事の仕方に適応しました。これは、難しい方を選択した結果とも言えます。


✅3、変わらない秘訣は、変わり続けること

『迷ったら難しい方を選ぶ』のメリットを別の言い方で表現しているものもあります。

女優の広末涼子さんが、マクドナルドの新テレビCM『ベーコンポテトパイ 『変わんないふたり』篇』で、過去の自分から『変わんない秘訣ひけつは?』と聞かれ、『変わり続けることかな』と答えるシーンも『迷ったら難しい方を選ぶ』のメリットを表しています。

ここで言う『変わらない』とは、時間が経過しても世の中から認められ続けるという意味合いが含まれていると思います。時間が経過するにつれて世の中の基準も変化します。

変化する基準を満たし続けるには、自分自身も変化し続ける必要があります。だからこそ、『変わんない秘訣ひけつは?』という質問に対して『変わり続けることかな』と回答しているのです。

そして、『変わり続けること』は難しい選択でもあります。現状維持であれば、その方法は既に確立されているため労力はかかりません。しかし、変化し続けることは、その変化によってどのような結果が得られるか明確ではないため、失敗する可能性があります。その意味で難しい選択なのです。

ただし、世の中が変化し続けるという前提に立つと、自分自身も変化し続けることの方がむしろメリットが大きくなるという判断もできるのです。


✅4、短期視点の場合は『迷ったら楽な方を選ぶ』方がいい

では、『迷ったら楽な方を選ぶ』はダメなのでしょうか。私は、期間的に短いのであれば『迷ったら楽な方を選ぶ』方がいいのではないかと考えています。

自分自身がその業界に何十年間もいる想定であるなら、『迷ったら難しい方を選ぶ』方が、世の中が変化するためメリットが大きいと思います。しかし、たかだか数年間しかいない想定であるなら『迷ったら楽な方を選ぶ』方がメリットが大きくなると思います。

これは、世の中の変化が起きる可能性の比較と労力の比較です。長期視点の場合は世の中の変化が起きる可能性が高いため、労力をかけてでも『迷ったら難しい方を選ぶ』方が良いと思いますが、短期視点の場合世の中の変化が起きる可能性が低いと思うのであれば、労力をかけず『迷ったら楽な方を選ぶ』方が効率的なのです。


✅5、体力的に自信がない場合も『迷ったら楽な方を選ぶ』方がいい

体力的に自信がない場合も『迷ったら楽な方を選ぶ』方がいいと考えています。ここでいう体力とは、精神的体力・肉体的体力の両方を指します。

当たり前ですが、難しいことをやるときは体力が削られます。失敗する可能性が高まるため精神的に負担になりますし、前例がないことにチャレンジする場合は肉体的な体力も消耗するでしょう。

体力的に自信がない状態で『迷ったら難しい方を選ぶ』を指針にしてしまうと自分自身をつぶしかねません。こういった場合も『迷ったら楽な方を選ぶ』方がいいでしょう。


✅6、まとめ

『迷ったら難しい方を選ぶ』について考えました。変わり続ける外部環境へのリスクヘッジという観点では『迷ったら難しい方を選ぶ』は合理的です。一方で、外部環境が変わるほどその領域に留まらない場合や体力的に自信がない場合は『迷ったら楽な方を選ぶ』でもいいのではないかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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