Fox Kana

イギリス人の夫とFox English School という英会話教室をしているKan…

Fox Kana

イギリス人の夫とFox English School という英会話教室をしているKanaです。 趣味は映画鑑賞、読書(村上主義)。英語の勉強、仕事をしながら、執筆活動もしています。 イギリス留学→ウェブライター→結婚→5年のイギリス在住と出産→帰国後大分で英会話教室経営

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海外の友達とSNSでつながっていくこと

私がイギリス留学したのは2013年の話。イギリスのロンドンにひとり旅したのがきっかけだが、そこでイギリス英語のサウンドに恋してしまったのがその後留学した1番の理由だ。 留学先はブライトン。海辺の街で、学生も多く適度に都会。ロンドンまでは電車で1時間くらい。当時私の語学学校には日本人はほとんどおらず、まわりはイタリア人とスペイン人がほとんど。トルコ人やフランス人、ドイツ人もいた。 私はイギリスでBedsitと呼ばれる、ワンルームのアパートに住んだ。シャワールームとトイレは同

    • イギリス料理を日本で作る〜ソーセージ&マッシュ編〜

      ソーセージ&マッシュは、伝統的なイギリス料理。とてもシンプルな料理で、ソーセージにマッシュポテト、グレービーソース。それだけ。 私はイギリスでパブに行くと、よくソーセージ&マッシュを頼んでいた。イギリスのソーセージは大きくてとても美味しい。 マッシュポテトにはたっぷりのバターが入っている。甘くてコクのある味わいが何とも言えない。マッシュポテトだけでも私はある程度満足できるくらい好きだ。 パブで注文してハズレだったことがないイギリスのパブでメニューを見て「どうしようかな」

      • 憧れの人は?と聞かれると困ってしまう話

        「憧れの人は誰ですか?」という質問。そんなにしょっちゅうではないが、今までに何度か聞かれることがあって、その度に答えに窮した。 憧れの人=自分の好きな人 ではない。好きな人と憧れの人は違う。 憧れの人とは好きであるだけでなく「自分もあの人のようになりたい」と思うことではないか、と私は思っている。 もちろん「あの人みたいだったら良いな」と思ったことは今までにあった。例えば学生時代に、すごくスタイルの良い人がいて「いいな」と思ったり、丸顔の自分には絶対に似合わないであろうベ

        • イタリア人の友人Jと行った場所

          イギリスのブライトンという場所に留学していた時のこと。 私はブライトンの隣町ホーブという場所に住んでいた。セントオービンスという通りに、そのアパートはあった。(イギリスではフラットという) その建物の他の住人については、1年以上住んでから色々と分かることがあったり、全く分からなかったり。色々だった。 私は3階に住んでいて、向かいにはもう一人年上っぽい女性が暮らしていた。同じ階の住民は同じシャワールームとトイレを共同で使っていて、時々彼女は鍵をかけ忘れていたので私が勢いよ

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          熊本・阿蘇の自然の中で感じたこと

          熊本県の阿蘇を訪れた。自然の中に身を置いてみると、思った以上に得られるものがある。 清々しい気持ち、自分を小さく感じること、広い場所で風や湿度を肌で感じること。 阿蘇の草千里という場所に火山博物館があり、そこで観たビデオで阿蘇の神々について少し学ばせてもらった。 そこで思い出したことがある。 『大地がエネルギーを持っている』という、ちょっとスピリチュアルな感覚を教えてもらったのは、イギリスのグラストンベリー(Glastonbury)という地だ。 グラストンベリーとい

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          真夏の夜におすすめのホラー映画

          ホラー映画好きかも、と思い始めたのはわりと最近のことだ。 もともと嫌いではなかったので、話題作は必ず観るようにしている。 ただ、必要以上にグロテスクだったり、音や映像で脅かしているように感じるホラー映画は、私の好きなタイプではない。 私が好きなのは優れたプロットで、そこに人間の本物の悲しさが描写されているもの。ミステリーを読む時と全く同じで、悲しみの実感がないところに、共感できる動機はないと思っている。 紹介するまでもない最高傑作のホラー映画『リング』は、ストーリーが

          真夏の夜におすすめのホラー映画

          私をミステリー好きにした一冊『放課後』

          私はミステリー小説が大好きで、いつも何かを読みながら「犯人は?」「トリックは?」「この人たちの関係は?」とか考えていたいタイプだ。 ミステリー小説のどんなところが私にとって素晴らしいかというと、どこか遠くに私を連れ去ってくれるところ。読んでいると引き込まれ、胸が高鳴り、時には苦しくなり、ラストには納得したり考えさせられたりする。 けれど全てのミステリーが好きなのかというともちろんそうではなく、読み始めて挫折してしまう本もある。自分にとって何が基準で「このミステリーが好き」

          私をミステリー好きにした一冊『放課後』

          湯布院の金賞コロッケの話

          私が初めて湯布院の金賞コロッケを食べたのは、もう何年も前だろう。 私は大分市に住んでいて、温泉街湯布院までは車で40分。温泉が好きなので湯布院は大好きで、同じくらい湯布院のお土産屋さんで一番賑わっている通りが好きだ。 金賞コロッケは気がつくとその通りに登場していた。訪れる時間帯にもよるが、いつも人気でだいたい小さな行列ができている。人気に対して小さな行列ですんでいるのは他でもない、合理的な売り方だ。 つい最近行った時も、金賞コロッケの店は小さな行列をなしていた。店はテイ

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          『ザリガニの鳴くところ』を観た時の衝撃

          Where the Crawdads Sing ザリガニの鳴くところ を観て、ここ近年すっかり忘れていた『映画を観た後の衝撃』という感情を思い出した。 たくさんの映画を観ているが、こんな感情を持ったのはシックスセンス(1999年)以来かもしれない。しかも大人になってからは、「こんなことあるわけない」などといった感想をフィクションに対して抱くようになり、素直に感動することが難しくなってしまった。 けれどさすが、米ベストセラー原作の映画化。 ネタバレなしで感想を書いていき

          『ザリガニの鳴くところ』を観た時の衝撃

          『村上春樹ならどう言うか』を本気で考えること

          村上春樹のエッセイやインタビュー記事などは、とても読みやすくて面白い。 最近読んだのはエッセイ『村上ラヂオ』。それに『村上さんのところ コンプリート版』。読者からの質問やお悩み相談に答えるという形で、村上春樹本人がコメントをしている本だ。とても軽くて楽しい内容で、何かをしながらでも気軽に読める。 分かりやすい言葉で、正直で、ずっと読み進めていくと村上春樹の人柄が垣間見えるような気がするし、同時に「私もお便りを出したい」という気持ちになる。 「お悩み相談にお便りを出したい

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          外国人のフリをして透明マントをかぶった気分になっている

          ハリーポッター、ドラえもん、キテレツ大百科(古い)。透明マントなるものだったりを身につけることで、周囲から姿を消すことができる。そんな魔法のようなものに憧れていた。 「透明になれるなんて楽しそう!」と無邪気にそう思うが、実際のところどうなのだろう? 私は実際に透明マントを手に入れたわけではないのだが、もしかしたら少し似ているかも?と思う体験があった。 日本で英語で話しかけられた時 イギリス人の夫とイギリスから日本に移住してみて、ささいなことに気がついた。 夫と英語でしゃ

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          爆弾みたいなラストのおすすめ短編小説

          なんだこの短編は。爆弾みたいじゃないか。 短編小説を読み終わった時の衝撃があまりに大きい時、私はそんなことを思う。 ミステリーの短編の場合、短い時間の中でそれだけの衝撃を読者に与えることができるということは、もはや美しいアートのようだと思うこともある。 美しい短編小説は、この先の人生で何度も読み返し、付き合っていきたい存在だ。 人間椅子 江戸川乱歩人間椅子は何度か読み返している。なぜ読み返すのか。真夏の夜の肝試しのように、スリルと気味の悪さを味わいたいから。 この本の

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          村上春樹の本のタイプについて思うこと

          イギリス人の夫が村上春樹の『スプートニクの恋人』を読んで、理解できない主人公の行動について疑問を口にしていた。 村上春樹の小説には、キャラクターの理解しづらい考えやそれに伴う行動というものが多々ある。そこが私はびっくりさせられて好きなのだが、夫の言うように「なんでそうなるんだよ」と言いたくなる気持ちも理解できる。 村上春樹の本の魅力村上春樹の小説はとても不思議で、どの小説であっても、読んでいくとこの世ではないどこかの世界に引き込まれていく。違うストーリーであっても、キャラ

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          ムーミン谷からやってきた友人

          友情にしても恋愛にしても、少しずつ相手を知って、だんだん好きになっていく、というのが一般的な過程だと思う。だが私には、ある一言を聞いた時、その人が大好きになってしまった、という経験がある。 今でも昨日のことのように覚えている。 フィンランド人のJイギリスに留学していた時のこと、ある日語学学校に毛色の違う新しい生徒がやってきた。なぜ違っていたかというと、リーズナブルな語学学校ゆえにラテン系の生徒がとても多い中、彼女はフィンランド人だったからだ。北欧の生徒は珍しかった。 長

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          イギリス料理を日本で作る〜コロネーションチキン編〜

          イギリスに初めて行く前は「イギリス料理はまずい」というステレオタイプなイメージがあったけれど、実際に行ってみると美味しいものが実にたくさんあった。 コロネーションチキンはまさにその一つ。 もしかしたらおつまみとして1番好きな料理かも。 コロネーションチキンは、イギリスではだいたいどこのスーパーマーケットでも売られている、とても一般的なお惣菜。日本のポテトサラダと同じような感じ。 私は日本のポテトサラダも好きなので、スーパーのお惣菜コーナーで買うのだが、その感覚でイギリス

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          イギリスで友人が作ってくれたチキンスープ

          人に作ってもらったものって、なんであんなに美味しいんだろう。 私はイギリスで作ってもらったチキンスープが今も忘れられず、日本に帰ってからも時々自分なりに作っている。 寒い季節は私たち日本人も、鍋や豚汁、シチューとかが食べたくなるが、イギリス人も同じで、チキンスープは定番の家庭料理という感じだ。 ベルギー人の友人Cイギリスに留学したのは2013年の秋。その年はただ学校や街に慣れるのが精一杯だった。年が明けてしばらくして、私がイギリス自体に慣れてきた頃、Cに出会った。 私

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