イギリス料理を日本で作る〜コロネーションチキン編〜
イギリスに初めて行く前は「イギリス料理はまずい」というステレオタイプなイメージがあったけれど、実際に行ってみると美味しいものが実にたくさんあった。
コロネーションチキンはまさにその一つ。
もしかしたらおつまみとして1番好きな料理かも。
コロネーションチキンは、イギリスではだいたいどこのスーパーマーケットでも売られている、とても一般的なお惣菜。日本のポテトサラダと同じような感じ。
私は日本のポテトサラダも好きなので、スーパーのお惣菜コーナーで買うのだが、その感覚でイギリスのスーパーに行った時にこの『コロネーションチキン』を買ってみた。
それはポテトサラダよりも美味しかった!
カレー味のマヨネーズで和えた蒸し鶏、クリーミーなソースにレーズンやアーモンドの密かな驚き。1人での晩酌にもぴったりなこのコロネーションチキンを、スーパーでパック入りのものを、一体何度買っただろう。
本格的な、女王に出したのと同じものを食べようと思ってもなかなか食べられない。なんと言ってもスーパーで買えるこのパック入りのもの、またはサンドイッチの具になっているものがあくまで一般的だ。
だから私が恋しくなる味も当然、スーパーで売っている庶民のコロネーションチキンだ。
コロネーションチキンの作り方
イギリスではどこでも気軽に購入でき、高くなかったので、一度も手作りしたことがなかった。けれど日本ではまず売ってないので、自分で作るしかない。
イギリスで日本人が納豆や豆腐を手作りする感覚かもしれない。(そういう人が案外いた)
コロネーションチキンにも色々とレシピがあって、どこまで本格的に作るかということで違ってくるのだが、私はあくまでも『あの庶民派スーパーのお惣菜』を目指しているので、自己流に作る。
コロネーションチキン
1、胸肉をサラダチキンにする。どんなやり方でもOK。私はいつも胸肉をそのまま水に入れて沸騰させ、あとは蓋をしたまま10分くらい放置するだけ。今日は胸肉2枚。
しばらくして取り出して、ナイフで切りながら裂く。多少大きくても火が通ってない箇所があってもOK。
2、チキンを裂いたものをレンジで1分ほど加熱。もしまだアツアツで中まで火が通っていたらレンジは必要なし。
3、加熱している間にネギを切っておく。小口切りより少し長めの1センチくらい。
4、アツアツのチキンをネギと合流。(こうすると余熱で火が通ってネギ感が薄れる気がする)
ここにローリエがあれば、混ぜながら中の方に埋めておく。(なくてもOK)
コンソメ粉末を入れて混ぜる。
しばらくすると水分が出るのでキッチンタオルで取り除いておく。ローリエも。
4、お好みで塩こしょうをして、ヨーグルト(脂肪分ふつうにあるもの)、マヨネーズ、カレー粉で味付け。
センスや好みでその他のハーブを入れる。
(タイム、クミン、ターメリックなど)
最後にレーズンとアーモンドを入れて混ぜる。アーモンドはスライスが一般的だが砕いたものを最後に振りかけても美味しい。
オリジナルレシピでは、乾燥あんずを刻んだものを宝石のように飾りつけたという。綺麗な器に盛り付ければ、とても素敵な前菜になりそう。
サンドイッチにもおつまみにも
イギリスではサンドイッチの具であることも多々あるこのコロネーションチキン。
なんだが名前と由来だけ聞くと敷居が高そうな料理だが、私の中ではポテトサラダと同じ位置付け。サンドイッチの具にもなるし、おつまみにもなる。作るにはそこそこ手間はかかる。でも食べたいから作る。
バゲットやクラッカーに乗せても良いし、レタスで巻いても美味しい。
今は亡きエリザベス女王の、記念すべき戴冠式の料理で、女王が大好きだった英国民にとっては、これからも大切な伝統料理の一つと言えるだろう。
私にとっては、「イギリスの料理は美味しい」と最初に思わせてくれた、スーパーの人気惣菜である。
そしてこれからもずっと好きな自信があるイギリス料理。
調味料はカレー粉以外、ぜひ自己流で楽しんでみるのがおすすめ。