イギリス料理を日本で作る〜ソーセージ&マッシュ編〜
ソーセージ&マッシュは、伝統的なイギリス料理。とてもシンプルな料理で、ソーセージにマッシュポテト、グレービーソース。それだけ。
私はイギリスでパブに行くと、よくソーセージ&マッシュを頼んでいた。イギリスのソーセージは大きくてとても美味しい。
マッシュポテトにはたっぷりのバターが入っている。甘くてコクのある味わいが何とも言えない。マッシュポテトだけでも私はある程度満足できるくらい好きだ。
パブで注文してハズレだったことがない
イギリスのパブでメニューを見て「どうしようかな」と迷った時、ソーセージ&マッシュを頼んでいた。なぜなら、ハズレの少ない安全メニューだから。
どこのパブで頼んでも、だいたい美味しい。グレービーソースがハッとするほど美味しいパブもあった。
私はロンドンで一時期仕事をしていて、ロンドンから電車で40分くらいのBurgess Hillというところに住んでいた。とても疲れて帰ってきた平日の夜。夫から「友達と駅のすぐ近くのパブにいるよ」と連絡があり、合流。
メニューを選ぶ気力もなく「ソーセージ&マッシュで」と注文したものが意外なほど美味しかった。疲れた体に染み渡る。まさにそんな感じがした。もちろんビールと合わせて食べた。
イギリスの場合はエールだ。あれは寒い冬の日だったから、あまり冷えすぎていないエールがぴったりだった。
ソーセージ&マッシュは、山盛りにされたマッシュポテト、その上に2本の大きなソーセージ。そしてグレービーソースがたくさんかかっている。
キラキラと輝くようなグレービーソース。これが美味しさの決め手なのかもしれない。
イギリスにはグレービーソースのインスタントの粉があって、これを肉汁と合わせれば、基本的にとても美味しくなる。肉汁は、チキンでもポークでもターキーでも。そしてもちろんソーセージでも。オーブンから出した時に鉄板に流れ出ている肉汁。それがジューシーなグレービーになるコツ。
ナイフとフォークを器用に使って、ソーセージ、マッシュ、グレービー、これらを合わせて同時に口に入れる。ジュワ〜っと広がる肉の美味しさ、マッシュポテトのクリーミーな美味しさ。
「生き返るわ〜」
こんなに美味しいものをビールと一緒に食べたら、疲れた体も元気になるというものである。
日本でソーセージ&マッシュを作る
ソーセージ&マッシュの作り方はとても簡単。マッシュポテトを作るだけ。そしてソーセージをオーブンに入れて焼くだけ。
一番難しいことといえば、太くて大きい、イギリスにあるような美味しいソーセージを見つけてくることだ。
大分に住んでいる私達は、湯布院や久住ガンジー牧場などで、太くて美味しそうな(ちょっと高い)ソーセージを買ってきて、「これはソーセージ&マッシュにできそうだ」とやってみた。
けれどイギリスのソーセージとは何かが違う。私が求めるのは大きなウインナーではなく、ソーセージなのだ。肉感があって、ハーブの香りがするもの。高級である必要なんて全くない。
そんな時、業務スーパーに行ってきたイギリス人の夫が、「良いソーセージを見つけたよ!」と言って冷凍されたソーセージを買って帰った。
「しかも全然高くないんだよ。」
確かに、見た目はイギリスのソーセージと似ている。冷凍だが、味はどうなのだろう。
出来上がったソーセージ&マッシュは、とても美味しい。本場のパブのものに似ていて、文句なしだった。
グレービーソースは自由に作って
イギリス人の夫は、お母さんにイギリスから送ってもらったインスタントのグレービーを使っている。だから熱湯と肉汁と混ぜるだけで、すぐに出来上がる。
私が以前グレービーを作った時にはインスタント粉がなくて、チキンかビーフ、あるいはコンソメのスープストックを濃いめに溶かし、片栗粉でとろみをつけて、味見しながら調整した。炒めた薄切りむらさき玉ねぎと混ぜると、より豪華な感じになる。
私の日本人の知り合いは「しょうゆも入れたりするよ〜」と言っていて、グレービーは自由にアレンジ可能だ。
日本の『あんかけ』を想像してみてほしい。思ったよりたくさんかけるので、味が濃くなりすぎないようにするのがポイント。
パブ気分でエールをお供に
ソーセージ&マッシュというのはイギリスのパブ料理で、常にビールとセットである。ソーセージ&マッシュとワイン、というのはあまり見ない。エールでもラガーでも良いから、ビールとセットなのが一番落ち着く。
ぜひバターたっぷりのマッシュポテト、大きなソーセージを用意して、自由な感性でグレービーを作り、パブ気分を味わってみてほしい。
アメリカのUSパイントは473ミリリットル、に対してイギリスのUKパイントは568ミリリットル。
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