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母と姉

私の母は86歳。姉が62歳。兄が57歳になる。
そして私が52歳。

魂の年齢は、私→姉→兄→母だと感じている。
自分で言うのもなんだけど、私は子供の時から大人だった。大人にならざるを得ない環境ではあったが、父親の遺伝子を一番濃く受け継いだのが私。自他ともに認める。

私が去年の8月に引っ越して地元に戻った時に姉が引っ越しの手伝いで遠方から来てくれて、生まれて初めて深い話をじっくりとした。

姉と母の関係性が、ここまで深刻だったということをその時に初めて姉から聞いた。

離れて暮らす姉が年末や夏休みに泊まりに来ると、母は必ず後から文句を言っていた。
姉からは何も聞いていなかったので、母の言い分しか知らない。

「お母さんに似てるね」と言われると心底「やめて!ほんとに嫌だから。それだけは言わないで!」と親戚に言っていたのを聞いたことを思い出した。

固定概念


母は【私は母親!私が上!】
持って生まれた【お嬢様気質】で、美と健康への執着が凄いんだと自分で言う。
ほんとに若く見えるので「若いね〜!いつも綺麗にして。元気だわ〜」と言われることに命とお金をかけている。

なので家の中がいらない荷物でいっぱいでも、賞味期限が10年前のものがあってもそんな事は気にならない。
自分が健康で美しくいることが優先。
そこを褒めて欲しいだけなのだ。

お金もかける。健康食品や洋服にかなりお金をかける。

姉は質素。
無駄な出費をしない。

田舎に嫁ぎ夫の両親と同居した。
嫁ぎ先のお母さんは、とても優しくて畑仕事をしていた人で姉のことも孫のことも可愛がってくれる、いわゆる「おばあちゃん」らしい人。


母は何せ勝気でワガママ気質なので「99歳までは生きる」と断言していて、実現されるだろう。
姉が。62歳にして今頃、母からの文句に一晩泣きはらさねばならなかった事が妹として忍びない。

2人の共通の固定概念で、ネックになっているものは

『親子なんだから』

2人の理想とする親子像というものがあって、お互いにそれを求めているが思ったようにならない。

私は2人にそれぞれ「期待すんなて」と言う。

姉の、長女としての責任感と正義感に加えて母の「86歳」という年齢に対しての固定概念によって「独り暮らしの心配」をしている。

一般的に「86歳」はかなりおばあちゃん。
姉の友達のご両親は亡くなっている方がほとんどで、帰る実家が無い。
そんな話を聞くと、会える間にあっておかなきゃ。片付けもしておかなきゃ。と思って帰ってきていた。

残念ながら、母は「おばあちゃん」では無い。本人は私と、いや私よりも若いつもりでいるんじゃないかと思われる発言が多々ある。

足が痛い、腰が痛い、と言いつつ運転してアチコチ出かけるのを知っている私は、年末に姉が実家に泊まりに来た時に
「私がやるから寝てな。なんでも自分がやらなきゃって思わなくていいから」と言った姉を見ながら
『いやいや、フリだけだから。寝たくないんだから。』と思いながらニヤけた。

案の定、母は姉が帰ってから文句を言った。

その後「あとは2人に任せるわ。私はもう行かない」と姉から連絡があった。

昨日実家に呼ばれて
私に姉の文句を言った母に

「親子でも、別人格。お互いに親だから、子だからという概念が強い。合わないものは合わない。離れてればいいじゃん。もうね、2人とも立派な御年寄なんよw年寄り同士。残りの人生を楽しくね」

とチャリに跨り早々にアパートに戻った。

母の方が純粋で子供なので繰り返し言い聞かせると素直に受け取る。私と話したらスッキリしたようだ。

姉は今までの蓄積と自分の責任感や正義感からまだスッキリしてないだろう。

勉強ができてスポーツもできていつも学級委員長、生徒会副会長だった人望もある姉は自慢の娘だっただろう。
よく「姉ちゃんと兄ちゃんは勉強したのにあんたは!」と比べられたが

同じ立場の【大人】になった時から『上から目線の嫌な人』に存在が変わったのかなと思った。

2人とも【良きばあちゃん】として楽しく、そして1日1日を『丁寧に』生きて欲しい♬


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